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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
【TGS2006】ファミスタオンライン、新規ユーザと同じ数の休眠ユーザが帰ってきた
10月4日
懐かしい音、懐かしい球場の
 果たして、「ファミスタ」というゲームに説明は必要だろうか。ファミコン世代なら誰もが知っている野球ゲーム。シンプルなBGM、二頭身のまるっこいキャラクター。スタンドに消えるホームラン球、難しかったトリプルプレイ、取り返しのつかない誤送球……

 しかし、やはり説明は必要だ。今年の4月にナムコから発売された「プロ野球 熱スタ2006」に「ファミスタモード」がおまけで付いてきたとはいえ、ファミスタが文字通りファミコン、スーファミで毎年のように発売された歴史は1996年で終わった。その後さまざまなプラットフォームでリメイクされたが、いずれも"あのころを知る人のための懐かしゲーム"だった。しかし今回は違う。老若男女誰もが参加できるオンラインゲームとして、ファミスタは10年ぶりのブームを巻き起こすべく復活した。クローズドテストの参加者は29万人、正式サービスが始まれば100万人は固いと言われている。しかし、ゲームショウを訪れているこどもたちはファミスタを知らないかもしれない。ファミスタオンラインについて、瓜生貴士氏と中田陽平氏に話を聞いた。


Slash:ファミコン世代では誰もが経験しているゲームですね。「とましの」が意外と打つぞとか、名前をもじった選手名が懐かしい。もしかして、お父さん世代の参加者が多いのではないでしょうか。

中田:そうですね。試遊台にはお父さん世代、あるいはその親子、といった方が多く見られました。

Slash:最近の野球ゲームはリアルなグラフィックが多くて、返ってファミスタの二頭身キャラが新鮮です。ところで、今回、バンダイナムコさんがゲームを作って、ハンゲームさんが運営するというスタイルになったわけですが、これはどういう経緯ですか?


中田陽平氏
中田:これは言うなれば両思いの関係でした。ハンゲームではスポーツゲームが欲しいと思っていました。日本で幅広い世代に支持されるスポーツゲームと言えば野球ですから。同じタイミングで、バンダイナムコゲームスさんもオンラインゲームを展開したいと考えていらした。そのなかでファミスタという話が持ち上がりまして、ぜひやりましょうと。両社とも即決に近かったと聞いています。

Slash:ファミスタ復活で気になるのは選手の名前です。昔のファミスタファンから言うと、実名よりも、むしろ昔の"もじり名"を期待したいところですが。

中田:よく言われます(笑)。でも、今回は日本野球機構さんのご承認を頂いておりまして、球団名も選手名も実名になりました。

Slash:そうなんですか。実名のほうが親しみが持てますよね。でも、ちょっと寂しいような気もします(笑)。

中田:でも、往年のナムコスターズは登場します。

Slash:ナムコの名作ゲーム名のキャラたちですね。安心しました(笑)。

Slash:プレオープンサービスの登録者がたいへん多かったと聞いています。今後のスケジュールはどうなっていますか。

中田:9月の11日にプレオープンサービスは終了しました。最終的には29万人も参加して頂きました。

Slash:すごいですね。日本野球機構さんとしては、これだけの人が野球場に来てくれたら……と思ったのでは(笑)。

中田:直接聞いたわけではありませんが、野球機構さんも数字は気にしていらしたようで、喜んで頂いたようです。

Slash:よかった。そして次の段階ですが……。

中田:オープンサービスは10月の中旬を予定しています。

Slash:ハンゲームさんではオープンサービスが正式サービスの始まりでしたね。こちらは課金はされるのでしょうか。

中田:無料で遊べます。課金はもっと先になりますね。

Slash:当分の間は無料で遊べるわけですね。将来的な課金の予定はありますか。

中田:はい。基本プレイ料金は無料で、アイテム課金です。

Slash:えっ。アイテム課金なんですか。

中田:そうです。有料のカードを中心にした課金形態を予定しています。

Slash:あ、そうでした。ファミスタとファミスタオンラインの違いとして、アシストカードというシステムがありましたね。打席に入った選手が絶好調状態になったり、投手の球速が上がったりするカード。そこに有料の、強いカードが入るわけですか。

中田:そうですね。ゲームの中で手に入るものの一部を有料化するというスタイルです。月額課金はしません。アシストカードとか、球場のグラフィックにキラキラしたエフェクトがかかるとか、そういう仕掛けを考えています。

Slash:魔球が投げられるとか?

中田:というよりは、球が速くなる。球威が上がって長打になりにくい、そういう方向です。ただ、アシストカードがすべて有料というわけではないんです。無料のカードも新しいものを出す予定です。ただ、アシストカードは通常、ランダムに出てきます。有料カードは使いたいときに使える。そういうイメージです。

Slash:プレオープン期間中の皆さんの反響はいかがでしたか。

中田:お客さんの反応としては、このゲームをきっかけにして、ハンゲームとしてはかなり年齢層の高いお客様が増えました。テレビCMをやった効果もあると思いますが。やはり昔を思い出して入ってくださったのだなあと思います。私も参加してみたんですが、わりと大人の方が遊ぶ時間帯にプレイをして、対戦相手と昔のファミスタの話題で盛り上がっているという場面をよくみかけました。バッターボックスの立ち位置を変えるという駆け引きですね。そういう様子を見て「もしかして、昔、かなりやりこんだでしょう?」と会話が盛り上がっていたり。

Slash:そういう大人が居るかと思えば、他方で、子供たちにとってはこれが「初ファミスタ」になるんですね。

中田:そうですね。

Slash:親子ほども年の違うプレイヤーが会話をするわけで、世代間のギャップはないんでしょうか。

中田:そうですね。勝負に対するこだわりという部分で、多少はあるのかもしれませんが、アクションゲームのコミュニティとしては、ゲーム自体の敷居も低いし、バランスも良いので、ほとんどトラブルもなく、プレイに集中している様子です。

Slash:チームは今後も固定的ですか。

中田:プレオープン中は12球団からひとつを選んで頂きましたが、オープンサービスでは好きな選手をチョイスしてオリジナル球団を作れるようになります。選手選択もカード式になっており、カードゲームで言う"デッキを組む"という感じです。いろんな球団から好きな選手を選べます。

Slash:自分だけのオールスターチームが作れるんですね。

中田:はい。カードをたくさん集めていくと、思い通りのチームが作れます。

Slash:デッキ作りの戦略も楽しめるわけですね。

中田:ただし、選手には重さのようなポイントが設定されているので、合計の重量の範囲内で選手をバランスよく集めます。4番バッターだけで9人揃える、ということはできません。

Slash:直接のゲームの話からはそれますが、ハンゲームさんとしては、このゲームの登場によって、ユーザの年齢構成がかなり変わったのではありませんか。

中田:そうですね。ハンゲームはもともと低年齢層の方が多いサイトでした。しかし、中高年のユーザも少なからず存在します。そこに加えて、新しく入ってこられた方の中に、比較的年齢層が高い方が多くいらっしゃいます。


瓜生貴士氏
瓜生:もともとハンゲームは6割ぐらいがティーンエイジャーなんですね。いちばんのボリュームゾーンが14歳です。11歳から14歳くらいですね。ただし、有料サービスに参加するユーザ層となると、平均年齢は20代半ばくらいに平均がシフトします。ところがファミスタで言うと、19歳以下のお客様が30パーセントです。他のゲームに比べると、年齢層は高いですね。残りの7割のユーザ層を分類すると、20代、30代、40代が2:2:1の割合です。

Slash:なるほど。

瓜生:40代のお客様は、ファミスタが大ヒットした時代に、10代から20代くらいだったわけですね。学生や社会人でした。

Slash:ゲームに帰ってきてくださったわけですね。

瓜生:しかも、20代30代の方はプレイ時間が長い傾向があります。10代の方はすぐやめられてしまうか、あまり長い時間は遊ばないようですね。新しいものが大好きですから、あれだけハンゲームが告知して、テレビCMを打てば、どんなゲームだろうと気になる。で、やってみたところ、なるほど野球ゲームだと理解する。ところが彼らはプレイステーション2世代と言いますか、ハイエンドのゲーム機から入ってますから、ファミスタの画面を見た途端、なんだこれ、と思う。

Slash:そうでしょうね。あの味わいとか、作り手や遊び手の中に込められた思いというものが、若い人には解らないだろうと思います。

瓜生:良いか悪いかはともかくとして、最近の野球ゲームは3Dを意識した作りになっていますよね。それに比べると、ファミスタはユーザのセンス、想像力を試すゲームです。他の野球ゲームは当たったか当たらないか、イチかゼロかというゲームだと思いますが、ファミスタではプレイヤー間の駆け引きも重要になっています。そういうことって、(ある程度社会経験を積んだ)20代、30代のほうが共感できると思うんですよ。だから、野球ゲームをやるにあたって、最近の野球ゲーム風にするという手はあるんだけれども……。

Slash:オンライン対戦ならではの"心理戦的な部分に"こだわった。

瓜生:そこは10代のユーザには違和感があるかもしれない。でも、私たちはそれも仕方がないのかなと。全員に愛されるゲーム作りは難しい。だから今回は、いままで私たちがリーチしにくかった世代にアプローチするという狙いはありました。その意味では成功したのかな、と思って居るんです。

Slash:逆に言うと、いままで20代、30代の人々がオンラインゲームに興味を持っても、やりたくなるゲームがなかった。そのストライクゾーンにファミスタがあった。


シンプルなゲームシステムで親子対戦も楽しい
瓜生:ファミコンの頃って、ゲームはひとりで遊ぶものでしたよね。ひとり遊びの友。だからファミコンでユーザを遊ばせてあげる仕掛けがいろいろあった。裏技とか攻略法とか。オンラインゲームでそれがあるかというと、ないんですね。相手は人間ですから。だけど、私たちは無理に全国の見知らぬ人と遊んで欲しいなんて思っていないんです。職場とか、家の近所づきあいとか、こどもの頃によく遊んだ友達とかで、ファミスタが懐かしい、と思う人を誘って遊びに来て欲しいんです。みんなが何万人で戦おうとか、全国レベルでランキングを作ろうとか、そこを強調していないんです。ファミスタ、なつかしいな。そういえば昔ファミスタで遊んだあいつ、元気かな。もう一度やってみようか。そういう感じて、細く長く遊んでくれたらいい。定番のゲームってそういうものでしょう?

Slash:そうですね。

瓜生:とはいえ若い人を切り捨てるつもりは無いです。むしろ、このレトロっぽさが新しいと思ってくれるユーザさんがいます。そんな人には全国レベルで戦うという、新しい刺激も用意してあげたい。

Slash:アシストカードシステムがまさにその仕掛けのようですね。

瓜生:いまのゲームは、ボタンも増えて、プレーヤーがやるべきことも増えて複雑になってしまった。それが面白くなったと錯覚しているような気がします。グラフィックが良くなったことも、複雑化したゲームを遊ぶためのご褒美です。でも、本来、ゲームはもっと手軽で、シンプルで、ブームに左右されずに、何度も遊びたくなるものなんですよ。じゃんけんだって面白いじゃないですか。

Slash:そう、ゲームの面白さの本質は変わらないですね。

瓜生:先ほどの、20代30代のユーザが増えているという件ですが、もうひとつ面白いデータがあって、以前、ハンゲームのIDを取ったけれど、いまは遊んでいない、という人がかなり戻ってきてくれています。

Slash:入会したときは面白いゲームがなかったと感じた人が、進化した最近のハンゲームを再認識するきっかけになった。

瓜生:そうです。毎日多くの休眠ユーザが戻ってきています。

Slash:購買力のあるユーザが増えているなら、例えば、野球場に広告を載せるという、いま話題のゲーム内広告の可能性もありませんか。

瓜生:うーん、今すぐに広告で、ということは考えていません。ただ、ユーザのプロフィールをいろいろ分析していると、面白いことに地域ごとに特性が出ています。西日本では球団と地域のファンの結びつきがとても強い、地元意識があるんですね。そうしたデータを何か活用できないか、と考えているところです。例えば野球場で地域イベントをやるとか、自分がこどもの頃を振り返ると、親父と野球を見に来ていても、途中で飽きちゃう(笑)。そんな子供たちが遊べるように、ハンゲームと野球場の結びつきを使っていけたらいいなと思います。それならハンゲームにも野球場にもメリットがある。

中田:SlashGamesさんの読者さんはいろいろなオンラインゲームを経験していらっしゃるでしょうけど、そうでない人にも遊んでもらいたいです。ファミスタオンラインは入りやすいし、どんどん進化していきますので、末永く遊んで貰いたいです。

Slash:むしろ、SlashGamesさんの読者の周りにいる、オンラインゲームの経験が少ない友達に声をかけて、一緒に遊んだら楽しいでしょうね。ありがとうございました。
(杉山淳一@RBB)
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