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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
【TGS2006】「この10年間より次の10年間の方が遙かにおもしろくなる」−−SCEI久夛良木氏による基調講演
9月22日
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)の久夛良木健社長は22日、プレイステーション3の下位モデル(20GB版)の発売価格を、当初発表していた62790円から49980円に引き下げると発表した。上位機種にのみ搭載するとしていたHDMI端子も下位モデルに搭載する。上位モデル(60GB版)の価格については未定。幕張メッセで開幕中の東京ゲームショウ2006の基調講演「PS3が作る次世代のエンタテインメント」で明らかにした。

 久夛良木社長は冒頭、1983年のファミコン発売から約20年で、ゲーム機のプロセッサのクロック周波数が数千倍、計算能力は数万倍、メモリ容量は数十万倍に拡大したことをあげ、これらのイノベーションが優れたコンテンツを生み出していること。またそれを体現するマシン(=プレイステーション3)を2ヶ月後には発売できることを、SCEの一員として嬉しく思うと切り出した。

 またゲーム機のリアルタイム性やリアルレスポンス性がPCとの大きな違いであること。ネットワーク化されたPCがWEB2.0に見られるような新たなパラダイムを生み出している現状を述べ、ゲーム機の文化とPC(WEB)の文化がPS3上で融合することで、新しい時代が生まれるという考えを示した。

 具体的にはWEB上の地図データベースとコンピュータ・エンタテインメント技術が融合した世界を提唱。久夛良木氏はこれを「グローバル・マップ・システム」と呼び、ゲーム開発者だけでなく、広く一般に公開して共有する姿勢を示した。そこでは現実の地図とゲームを重ねるなどの用途だけでなく、異業種が参入するビジネス領域としたり、ユーザーがデジカメやハンディカムなどで撮影し、アップデートするなどもできるという。

 「ユーザーがリアルタイムに(3Dの地図データ上を)飛び回れる。これは私たちが夢見てきた「どこでもドア」の世界に近い」(久夛良木氏)。

 また「グランツーリスモ」シリーズでは、自動車メーカーとの提携でCADなどの車両データを提供してもらい、コスト削減につなげている現状を紹介。グローバル・マップ・システムのように、現実世界とコンピュータ・エンタテインメント世界を重ね合わせることで、ゲーム開発のコスト削減にも繋がるという考えを示した。

 またPS3ではプラットフォームや開発環境を開かれた物にする姿勢を表明。現在ユーザーはインターネット上で写真やムービーなどを共有して楽しんでいるが、こうしたユーザーのダイナミズムを積極的に取り込んでいくことで、WEB2.0時代に即した新たな可能性が開けるとした。久夛良木氏はPS1でメディアがマスクROMからCD-ROMに変わったことで、クリエイターの創造性やチャレンジ心が引き出され、業界の活性化に繋がったと指摘。最近は再び二極化が進んでいるが、PS3時代でメディアがネットワークへと移行することで、再び多様性の追求とクリエイティビティの発露が促されるとした。

 ただし現状では回線帯域の問題などから、数年はネットワークコンテンツとパッケージメディアの相互依存が続くこと。その上で、まずは独立系クリエイターや創造的なユーザーを結びつけたり、ゲーム内で気軽にコミュニケーションができる世界を提供していくとした。またPS3ではPS1&2タイトルのダウンロード配信を行うこと。往年のゲームやプラットフォームに対しても門戸を広けること。ユーザーが撮影した写真や動画を共有したり、PS3を介して携帯電話やPCなどにコンバート可能にする考えを示した。

 流通面についてはゲームショップに配置されている試遊台をネットワーク化し、ダウンロード配信やプロモーション活用、ICカードや携帯電話などの少額決済による、有料コンテンツのダウンロード販売などのビジョンを示した。他にアルツハイマー治療のための遺伝子解析「Folding@Home」プロジェクトにPS3として参加し、ユーザーが自宅のPS3パワーを同プロジェクトに提供したり、ゲーム開発用サーバをCELLチップを用いて作成し、ユーザーが家庭のPS3からゲーム開発に参加する、などの構想を述べた。

 最後に久夛良木氏は「この10年間より次の10年間の方が遙かにおもしろくなる」と述べ、コンピュータ・エンタテインメント業界がこうした流れをリードしていること。またPS3がこの一翼を担える可能性に対して感謝し、PS(ビジネス)をやっていて良かった、皆様と一緒に夢を携えていきたいと締めくくった。

 久夛良木氏の基調講演は、WEBやインターネット文化に対するPSホルダーとしてのビジョンが中心で、ゲーム展示会としては異例だった。内容についてもWEB2.0の後追いで独自性に欠けた。発売を直前に控えたPS3の新情報がほとんど見られなかったことも驚きだった(新作ゲームの予告編トレーラーは「リッジレーサー7」など5本のみで、実機デモなどはなかった)。確定情報は事実上PS3下位モデルの価格改定とHDMI端子搭載のみで、発売後の展開なども不明だった。

補足だが筆者が米E3や独ゲームコンベンションで取材した限りでは、共にPS3の本体価格は高いという声が聞かれた。日本での価格引き下げに伴い、米・欧のゲーマーから同様の要望があがるのは必至だろう。


(小野憲史@RBB)
関連リンク|Link
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PS3(プレイステーション3)
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