★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
ウィル・ライトがデザインした細胞分裂から銀河探検を描くシミュレーション「SPORE」
5月14日
ゲームデザイナーのウィル・ライト氏
かつて日本でもそうだったように、現在でもアメリカではPCゲームがゲームデザインの実験場として機能している。サードパーティ契約やロイヤリティが不要で、参入障壁の少ないPCゲームは、中小ディベロッパーの創造性をすくいあげる場として機能し、多くの人気タイトルがここから生まれてきた。しかしXboxの登場以来、北米ではディベロッパーがコンソールへと移行が続き、年々PCゲームの市場は減少している。FPS、RTS、MMORPG、経営シムなどの人気ジャンルか、ダウンロードモデルのカジュアルゲーム市場が大半だ。
こうした中から、久々に「まったく新しい」ゲームが登場しようとしている。それが、細胞分裂から銀河探検までを描く進化シミュレーター「SPORE」だ。ゲームデザイナーは「シムシティ」「シムピープル」など「シム」シリーズで有名なウィル・ライト氏。2005年のゲーム開発者会議、GDC(Game Developers Conference)で発表されるや否や、全世界のゲーム関係者から絶賛され、発売が待たれているタイトルである。
世界最大のゲーム見本市、E3(Electronic Entertainment Expo)会場のEAブースでは、ウィル・ライト氏自らによるプレゼンテーションで、SPOREの開発状況と一部のデモプレイが披露された。ここではその概要を紹介しよう。
SPOREにおけるプレイヤーの役割は、万物の創造主となって惑星上に生命を誕生させ、進化を導き、宇宙探検へと乗り出していくことだ。ゲームは全体で6つのフェーズにわかれており、主人公となるクリーチャーや都市、宇宙船などを操作しながら、徐々に高度な文明社会を築いていくことになる。各フェーズは、「Tidepool」「Evolution」「Tribal」「City」「Civilization」「Galactic」と命名されており、それぞれ「単細胞生物から多細胞生物」「魚類から両生類」「陸上への進出と社会化」「都市化」「惑星から宇宙へ」「銀河探索」の段階を扱っている。今回のプレゼンテーションでは、このうち「Evolution」「Civilization」「Galactic」の概要についてデモプレイが行われた。
まず、ウィル・ライト氏が起動したのは「Tribal」のクリーチャーエディター。海中で単細胞生物から多細胞生物、そして魚類から両生類へと進化した生命は、陸上に進出してさらなる進化を遂げることになる。まずエディター上では、背骨の入った楕円形の胴体が表示された。プレイヤーはこの背骨をのばしたり、曲げたりしながら、クリーチャーの全体的な形状を決めていく。その後、各数十種類ずつ用意された手足、頭などのパーツを選択し、全体的な形状を決定。最後に表皮の模様を用意されたテクスチャーから選択すれば完成だ。
完成したクリーチャーは形状やパーツの組み合わせによって、自動的に移動や攻撃スタイル、鳴き声などの特性が生成され、アニメーションで動きを確認できる。このように、クリーチャーの特性があらかじめ決められているのではなく、パラメータの組み合わせによってすべてが自動生成(プロシージャル)される点がSPOREの大きな特徴だ。そのためクリーチャーのデータ容量は数KB程度と非常に小さく、ユーザー間でデータの交換を行うのも簡単。しかも、一体のクリーチャーを作成するのにかかった時間はわずか数分たらず。粘土細工のように、誰でも簡単にクリーチャーを作成できるのだ。
作成したクリーチャーはフィールド上におかれ、プレイヤーの操作で行動する。フィールド上にはすでに幾多の動植物や、仲間のクリーチャーなどが配置されており、プレイヤーは自分のクリーチャーを操って、ほかの動物を補食したり、大型肉食動物の襲撃から逃げたり、仲間のクリーチャーと群を作ったり、求愛行動をして子孫を作るなどしていく。首尾よく求愛に成功したら、新しいクリーチャーをデザインするチャンスだ。プレイヤーは自分のクリーチャーを土台に、さらに進化したクリーチャーを再デザインできる。これらを繰り返すうちに、クリーチャーの社会化が進み、ついには火と武器を発見。舞台が「City」へと移ることになる。
(左)クリーチャーの形状デザイン(右)クリーチャーの表皮デザイン
その後デモプレイは「Civilization」の後半へと移る。ここでの目標は惑星上の諸都市を統一し、宇宙探検へと出発することだ。「Tribal」までは、ゲームは比較的アクションゲームのノリで進んでいくが、「City」以降は都市を運営して税収を確保したり、ほかの都市と戦争や同盟を結んで領土を拡大していくなど、経営シム的な側面が強くなる。技術の進歩によって宇宙船が建造できるようになると、いよいよ宇宙探検に出発だ。宇宙船には仲間の種族や動物を取り込んで、ほかの地域や惑星に移動させる機能があり、入植地を作ったり、動物や生命をほかの星に移住させる、といった行動ができる。もちろん大気のない惑星に動物を移住させると、すぐに破裂して死んでしまうので、注意が必要だ。
(左)巣と卵を外的から守るクリーチャー(右)宇宙船の完成に喜ぶ人々
さらなる技術の進化で、母なる太陽系からほかの恒星系に移動ができるようになると、「Civilization」が終了し「Galactic」フェーズの開始だ。銀河には幾万の恒星があり、それぞれに惑星が巡っている。惑星には地球型のほかに、火山型惑星、木星のようなガス型惑星などがあり、知的生命体がすでに生息している惑星もある。プレイヤーはこれらの文明を探索し、時には戦争をしたり、同盟を結ぶなどして、未知の銀河を探索していくことになるのだ。もちろん各惑星や生命があらかじめデータ化されているわけではなく、プロシージャルで逐次作成されていくことは言うまでもない。この間に母星がほかの文明から攻撃されたり、ほかの文明を救助に向かうなどのランダムイベントも用意されている。プレイヤーが制作したり、発見した生命をカード形式で交換するなどの仕様もある。
(左)ほかの惑星世界(右)ほかの惑星世界から攻撃を受ける宇宙船
このように、「シムシティ」から「シムピープル」まで、過去のウィル・ライト氏のゲームの総決算になりそうなSPOREだが、開発も相応に大変なようで、発売は2007年の予定となっている。おそらく来年のE3では、実際に会場でユーザーがプレイできるバージョンが出展されるのではないだろうか。「プロシージャル」「ユーザーのコンテンツ作成」「コミュニティ」などの特性を持つSPOREは、ここ数年みられなかった非常に挑戦的なゲームであり、節目となる可能性のあるゲームである。今後の進展を期待したい。
(小野憲史@RBB)
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