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[AOGC2006] MMORPGとRMT〜国内リアルマネートレードの現状とは -中央政策研究所 水谷氏(前編)
1月26日
MMORPGのプレイ環境に少なからず影響を及ぼしている「RMT」。プレイヤー間の小規模な取引から、企業による組織的なものまでさまざまな規模でおこなわれているが、昨今は海外からの「出稼ぎ」がゲーム内での大きな「社会問題」となっている。こうしたRMTの現状をどうとらえ、解決に導くのか。
RMTについての調査・研究をおこなっていて、AOGC2006で「日本のオンラインゲームにおけるRMTの現状」と題した講演を行う社団法人中央政策研究所の水谷亮太氏に聞いた。その前編だ。
社団法人中央政策研究所の水谷亮太氏
− 最初にまず水谷さんご自身のプロフィールから確認させてください。そのうえで、講演テーマでもあるRMT(リアルマネートレード:現金によるゲーム内アイテム・通貨の売買)という分野に関心を持たれるようになったきっかけについてお聞きしたいと思います。
水谷:はい。現在私が所属している中央政策研究所は、昭和38年に故三木元総理が中心となって設立したシンクタンクで、政党政治に偏らない形で政策提言を行うことを趣旨としています。これまで多くの政策提言を行ってきたのですが、最高顧問が現在の海部(俊樹・元首相)になってからは、セミナーや講演会といった活動がメインとなっています。
一方、ゲームの方ですが、自分が3年くらい前にリネージュにハマッていた時期がありまして、日本でオープンした頃からずっと遊んでいました。まあ、自分もいわゆるゲーム世代ですからね。
− いい話ですね(笑)
水谷:それがオープンから2年くらいたって、だんだんゲーム内が殺伐としてきたんです。海外のユーザーが増加して、みなさん容赦ないプレイをされるわけです。まあ文化の違いなんでしょうが、うわー、すごいなー、なんて横目で見ながら、そのときは遊んでいました。そんなころ、ゲーム内で知り合ったあるユーザーから、根本的な問題がRMTだと教わりまして。そのときにはじめてRMTという存在を知ったんです。
− おもしろいですね。
水谷:それからゲーム内でいろんな人に聞いたり、ネットで検索して調べまして、RMTはゲームという仮想現実の中で起きている一つの経済活動だと思いました。そして、今後こういった問題が、ゲーム世界が大きくなるにつれて拡大していくだろうと。そういった話を事務局長にしつつ、一方で自分もそのころは永田町に出入りしていましたので、自分でこの問題を考えてみるか、と思ったんです。
− なるほど。
水谷:もともと中央政策研究所というのはクロースドな性格を持つ組織で、個別にヒアリング調査を行い、資料やレポートを作成して、政策提言をしてきたんですが、今回は自分の希望もありまして、できればゲーム会社さんと一緒にやりたかった。それで昨年「RMT調査委員会」を分科会として立ち上げて、ゲーム会社さんにヒアリングに行ったり、委員会に出席してもらって意見を述べていただいたり、といった活動を続けています。日本の主要なMMORPGの運営会社の方々で、ほとんどの企業の方にご協力をいただいています。昨年6月からスタートして、今までで約半年間になりますね。
− 今回の講演内容も、その活動の内容に即したものになる、ということですね。
水谷:ええ。活動自体は今年の3月で一つの区切りを迎える予定で、現時点ではまだ委員会としての結論が出ていません。今回の講演では、その途中経過についてお話しできればと思います。客観的なデータや、問題の現状認識と、その対応案といった内容ですね。
− ちなみに、今もリネージュはプレイされていますか?
水谷:いや、現状を掘り起こすほどに、さまざまな問題が出てきてしまい、最近は純粋にゲームが楽しめなくなってしまいました。
− それはこの業界にいる人間の宿命かもしれませんね。
水谷:ちなみにRMTはあくまでとっかかりでした。あるときゲーム内で「携帯電話で撮影した私の写真を(ゲーム内通貨で)買ってください」というユーザーがいたんです。最近はゲーム中に携帯電話メールで情報のやりとりをする例も多いですから。
− まさに「逆RMT」ですね。
水谷:ええ。現実のグッズがゲーム内通貨で取り引きされることもあるのかと驚きましたよ。今後ますます、ユーザーが新しいことを考えていって、選択肢が増えていくと思ったんです。その中から良いことだけではなく、問題も起きてくるでしょう。その前に準備はしておかなければならない。委員会設立には、そういった趣旨もありますね。
− なるほど。
水谷:仮想現実世界の拡大によって起きうるであろう問題には、大きく「経済」「個人の権利」「法律」の3種類があると我々は考えています。「経済」はRMTを中心に起きていますし、「個人の権利」は、2ちゃんねるの「のまネコ」騒動などがわかりやすいでしょう。仮想世界で遊んでいる人たちの「創造する権利」はどこに帰属するのかと。もちろん現状では「のまネコ」までの問題は起きていませんし、ゲーム会社の方々もそこまで考えていらっしゃらないと思いますが、今後ゲーム内の自由度がどんどん高まっていくと、そうした問題も考えないといけない。最後の「法律」については、それほど堅い部分ではなくても、セクシャルハラスメントなど、簡単に誰もが興し得る犯罪などがあります。それが原因でやめていったユーザーも、自分の周りには多いんですよ。こうした問題をどこが取り扱って、どのように解決していくのか。
− 考えてみれば、さまざまな問題が内包されていますね。
水谷:これらを整理していくことによって、仮想世界の発展に寄与できればと。なにしろインターネットを通して、世界中に広がっていく世界ですからね。その一方で海外ユーザーが同じ世界に入ってきて、マナーや文化が違うことが原因で問題が起きたりもしています。そこも一つのルールができることで、解決策が生まれたり、そのルールを組み込んだアプリケーションを各社さんが作られる、といった可能性もあるでしょう。
− では、今は現状の把握を正確に行っている段階で、そのある程度の成果が講演で示されると。その上で考えられる解決策なり提案を示して、一緒に準備していきましょう、ということですね。
水谷:そのとおりですね。その中で、まずは現実問題としてRMTにフォーカスしたいと思っています。まずはここから解決できるのではないかと。
− ちなみにRMTについては、さまざまな理由から、オンラインゲーム事業者から積極的な肯定論を聞くことはありませんが、水谷さん個人としてはRMTをどのように捉えていますか?
水谷:ゲーム会社が、今の一般ユーザーを保護できて、現状のビジネスモデルに組み込むことが可能であれば、肯定されればいいと思います。そうでないなら禁止すべきでしょうね。
− 線引きが必要と言うことですね。
水谷:そうですね。私としては、本来オンラインゲームはゲーム会社が主体のビジネスだと思っています。ゲーム会社がなくなれば、オンラインゲームも存続しませんから。ですから、RMTに関する鍵はゲーム会社が持っていると思っています。ですから、我々の委員会ではRMTの問題について、全面的に禁止すべきだとか、RMTは悪だとか、そうした倫理的な要素は外しています。RMTを客観的に捉えて、ビジネスとして、またユーザー保護の視点で、どのような落としどころが良いのかを模索しているところです。
(ライター 小野憲史 )
(ライター 小野憲史 )
※編集部注
下に表示されている広告は、Webページの単語を解析し、自動的に表示されるものであり、RMT(リアルマネートレード)を推奨するものではありません。
(RBB TODAY)
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