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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
新しいエンタテインメントはネット・ゲーム・携帯電話の融合には向かわない― GAP-lab/IGDA関西セミナ
9月25日
GAP-lab(ゲームアーカイブ・プロジェクト学習会)とIGDA関西は、ゲーム開発者セミナを開催した。テーマは「ユビキタス時代に必要なコンテンツ開発スキルを考える」。携帯電話向けコンテンツ開発の現状と未来について、ドワンゴの溝口浩二氏による講演や、参加者による交流ディスカッションが行われた。
第一部ではGAP-labとしてドワンゴの溝口浩二氏から、「融合するデジタル・エンタテインメント:ゲーム/インターネット/モバイル」と題した講演が行われた。溝口氏は1998年にドワンゴに入社し、以後ネットワーク関連の研究開発やコンテンツ開発に携わり、現在は京都研究開発センター部長をつとめている。
左写真はドワンゴの溝口浩二氏 中央の写真はゲームアーカイブ・プロジェクト代表の立命館大学 細井浩一教授、右はIGDA関西の溝口達洋氏(中)
溝口氏はまず、ドワンゴの歴史を振り返りながら、同社の4事業領域がどのように形成されていったかを説明した。
ドワンゴが設立されたのは1997年で、当初はDOOMやAge of Empireといった対戦型PCゲームのホスティングサービスを事業の柱としていた。これらの技術はミドルウェア化され、1999年には「セガラリー2」「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」などドリームキャストによるゲーム開発に採用された。2003年にはプレイステーション2向けのネットワークタイトル「みんGOLオンライン」にも採用されている。これが現在も続く「ネットワークゲーム技術」領域である。
2001年にはMMORPGを独自に開発。第一段「クロスゲート」はエニックスから発売され、中華圏で大ヒットを記録した。2004年には「ストラガーデン」をリリース。現在は「テイルズ オブ エターニア オンライン」をナムコと共同開発している。これが第2の事業領域「MMORPG」である。
一方で1998年にiモードが登場すると、即座にゲーム開発をスタート。1999年には「釣りバカ気分」をリリースし、20万人以上のユーザを獲得した。2001年にiアプリが登場すると、携帯では初のMMORPGとなる「サムライロマネスク」をリリースしている。2003年には「ウルティマ オンライン モバイル版」もサービスを開始した。第3の事業領域「ケータイゲーム」である。
そして2002年に第4の事業領域「着メロ」がスタートする。業界最後発での参入や、ゲームコンテンツではないなど、社内では異論もあったが、「手軽に・安価に・ちょっとした楽しみ」を提供するとして、「いろメロミックス」を配信開始。「アレンジメドレー機能」などの独自要素を加えたこともあって、口ミコで会員が広がり、2年で300万人を超える大ヒットを記録した。2004年には「いろメロ ゲームズミニ」として、FLASHゲームの配信も始まっている。
このようにドワンゴの事業拡大にともない、溝口氏はコンテンツの内容とユーザー層が共にコアからライトへと拡散していく流れを説明した。「ドワンゴはある事業領域の中でトップを取れる会社ではない。ユーザニーズを重視していった結果、必然的に事業領域が広がっていった」(溝口氏)。
次に溝口氏は、ゲームユーザのニーズを「チョイ暇」(ちょっとした暇つぶしにゲームを遊ぶユーザ=着メロ、携帯電話ゲーム)、「たまドプ」(週末など、たまにゲームにハマるユーザ=コンソールゲーム)、「生きがい」(生活の大半がゲームプレイで占められているユーザ=MMORPG)の3段階に分類し、それぞれの分野で競合する娯楽について説明した。
「チョイ暇」に競合するのは雑誌・新聞・テレビ・メール・SNS・チャット・音楽プレイヤ・ニュース・blogなど。これが「たまドプ」では小説・映画・コミック・CD・DVD・テレビドラマ・旅行・キャンプ・スポーツなどとなり、「生きがい」では仕事や学校、社会生活そのものが競合するコンテンツとなる。
その上で溝口氏は、「インターネットやゲーム、携帯電話といった領域が融合して新しいエンタテインメントを生み出すと思われがちだが、そうではない」と説明。むしろ個々の領域や、自社の属性ではなく、ユーザニーズを満たすためにどのようなコンテンツを提供していくかが重要だと指摘した。「いつもは「チョイ暇」だけど、週末には「たまドプ」で楽しめるようなコンテンツがあってもいい。我々はゲーム会社だから、携帯コンテンツプロバイダだから、といった属性にとらわれる必要はない」(溝口氏)。
また溝口氏は、技術は常に新しくなっていくが、技術を用いて何ができるかが問題であること。作り手としては同じ領域でより深いモノを作ってしまいがちだが、手軽で安価なサービスを提供して、入り口を狭くしていかないことが重要だと述べた。他に年齢別のユーザー指向の特徴として、社会人は手軽に一人で遊べるコンテンツを望むが、学生や子供たちはより活動的で、純粋におもしろいという理由から広がっていく、外部拡散性が高い傾向にあり、会社としても注目していると補足した。
第二部ではIGDA関西交流ディスカッションとして、「『つなげる』を如何におもしろさとして次世代のゲーム開発に生かすか?」をテーマに、出席者によるラウンドテーブルが実施された。参加者はグループごとに、「チョイ暇」なニーズをどのようにコンテンツ開発に生かすか。またそのようなコンテンツ開発は次世代ゲーム機とどのように関連性を持つか、といった事柄について議論を繰り広げた。
次回のGAP-lab/IGDA関西ゲーム開発者セミナは11月12日に、「テレビゲーム解釈論序説―アッサンブラージュ -」(現代書館)の著者である、八尋茂樹氏を講演者に招いて行われる予定。
(ライター 小野憲史)
(RBB TODAY)
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