Slash Games
★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
     
トップ
読み物
カレンダー
Other languages
★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
[TGS 2005] 日本の開発者ももっと講演をしてほしい -GDCモルディナ氏インタビュー後編
9月20日
― CEDECプレミアムの講演内で、EAは次世代ゲーム開発における物量とコストの上昇を、販売数と市場シェアの拡大で吸収するという戦略を示しました。しかし、こうした戦略が取れるデベロッパーやパブリッシャーは限られています。アメリカでの中小デベロッパーの生き残り策とは、どのようなものでしょうか?

モルディナ:いい質問ですね。それぞれの会社にはそれぞれのアイディアがあります。大手パブリッシャーは大規模チームと大量の予算によって大規模なゲーム開発を行えば、相応の見返りがあると信じています。一方でミドルウェアベンダーはさまざまなミドルウェアやツールの提供を始めています。それほど大きな予算をかけなくても、こうしたツール類の使用でゲーム開発の負荷を吸収していこうとする会社もあるでしょう。他にも様々な解決法があります。PSPなどの携帯ゲーム機向けゲーム開発にシフトする開発会社はアメリカにもあります。同様に多くの開発会社は、次世代コンソールでの初期タイトルの発売を待っています。これらのタイトルが発売されたところで、その内容を吟味し、対応を決めようというわけです。

― なるほど。

モルディナ:見過ごされがちですが、大作ゲームを販売して採算を得るには、ゲーム機にもそれなりの販売台数が必要です。そのため次世代コンソールが発売されても、すぐにゲーム開発が移行してしまうのではなく、現行機での開発もしばらくは続くでしょう。

― 大量の物量が必要な「次世代機のゲーム開発」に当面参戦しない企業もある、ということですね。

モルディナ:そうですね。大手パブリッシャーは次世代機でさらなる挑戦を行ってアドバンテージを得るでしょう。しかし、すべてがそうだとは限りません。PlayStation2はもちろん、初代PlayStationやゲームボーイアドバンスにもまだま多くのユーザーがいますし、モバイル(携帯電話)ゲーム市場も急速に拡大していますからね。

― それは日本の状況と同じですね。GDCにはモバイル(携帯電話)ゲームを扱うGDCモバイルというカテゴリーもあります。GDCモバイルのセッション数も増えていきますか?

モルディナ:確実にそうなります。ゲームプラットフォームとしても拡大していますし、おもしろい議論が起きています。カジュアルゲームを作っていた開発会社の多くが、モバイルゲームに移行してきているのです。3G(第3世代携帯電話)技術やワイアレス技術を持っている開発会社、GBAでゲームを開発してきた開発会社も、モバイルゲームに参入してきています。3G対応の携帯電話の出荷数も伸びていますし、その中にはグラフィックに(NVIDIAやATIなどの)3Dチップを搭載したものもあります。

― 日本では未発売ですが、欧米ではノキアのN-GAGEもあります。

モルディナ:ええ。N-GAGE ARENAという公式コミュニティサイトがあり、いくつか先進的なゲームもリリースされています。セガの「Pocket Kingdom: Own the World」などはその好例ですね。これはN-GAGEによる世界初のMMORPGです。N-GAGEの開発で得たノウハウは一般の携帯電話にも転用されはじめています。

GDCモルディナ氏

― 日米の市場の違いについて、個人的な見解でかまいませんので、コメントをいただけますか? ご存じのようにアメリカのゲーム市場は拡大を続けていますが、日本のゲーム市場は縮小を続けています。日本のゲーム業界に対する処方箋は何でしょうか。また、アメリカのゲーム市場は今後も拡大を続けるのでしょうか。

モルディナ:まず最初の質問についてですが、一つの回答は、(今回の東京ゲームショウ2005における)任天堂 岩田社長の基調講演に含まれていたと思います。彼は非ゲーマ層に対する、これまでとは異なったアプローチを提示してみせました。今までとは違う年齢層のユーザ、女性ユーザ、異なる社会的階層や職業といった人々に対してです。その結果がDSのタッチジェネレーションのソフトが長く売れ続けている、という現象に現れています。

― そうですね。

モルディナ:これは私の考えですが、日本は世界でもっとも早くゲーム市場の成長が頭打ちになった地域です。他の地域の開発者も、今までと違う取り組みを行わないと、遅かれ早かれ同じ事態を迎えるでしょう。これは他のすべての産業が歴史的にそうであったのと同じです。欧米の開発者は日本の開発者がこの問題にどのように対処していくか、注意深く学ぶ必要があると思います。アメリカのゲーム市場が今後どのように推移するかは、GDCでも広く議論されていることでもあります。

― アメリカでもゲーム市場の予測については、「まだまだ成長が続く」「いや、ある時点で縮小に転じる」といった様々な見方があると?

モルディナ:その通りです。しかし、悪い予測が現実にならないように、皆で努力していかなければなりません。中でも任天堂、SCE、マイクロソフトといったプラットフォームホルダは、なぜ消費者が次世代コンソールを買う必要があるのか、より明確に示していく必要があるでしょう。ベストの解法は、今までとは違ったタイプのゲームを、今までとは異なるユーザ層に対して示し、今までとは違った市場を作っていくことだと思います。

― その通りですね。最後にGDCの運営会社であるCMPとして、何か新しい取り組みがあれば教えてください。

モルディナ:はい。CMPは来年開催されるIGN LIFEというゲームイベントに協力していきます。IGNはゲーム情報を扱うウェブサイト(http://www.ign.com/)で、IGN LIFEはそのファンイベントです。日本と違い、アメリカには東京ゲームショウのような一般ユーザに開かれた大規模なゲームイベントは存在しないのです。GDCはディベロッパー向けのイベントですし、E3はパブリッシャーと流通を対象としたトレードショウですしね。会場ではGDCとしてゲーム業界に就職したい人向けのセミナーなどを開催する予定です。

― それはおもしろいですね。開催地などは決まっていますか?

モルディナ:来年の10月22日、23日に、ロサンゼルスのアナハイム・コンベンションセンターで開催を予定しています。第1回目のイベントということもあり、2日間で2万5千人の集客を見込んでいます。

― 日本のゲーム業界には、E3のようなトレードショウが日本に存在しないことを不満とする声もあります。一方でアメリカに東京ゲームショウのような一般ユーザー向けのイベントを求める声がある、というのはおもしろい構図ですね。

モルディナ:そうですね。ただ東京ゲームショウはビジネスデイに加えて一般公開日も設けられていますよね。これはとても健全に感じます。アメリカには大きくGDCとE3という2つのイベントがあり、そこに新しくIGN LIFEが加わろうとしています。Gamespotも同じようなファンイベントを開催しています。そのため業界関係者は開発のデッドラインを気にしながら、それぞれのイベントに足を運ぶ必要があるのです。しかし東京ゲームショウにはこれらの機能が集約されています。GDC的な意味合いのCEDECも東京ゲームショウの直前に開催されますし、東京ゲームショウ当日にはCEDECプレミアムもありますから。これはとても機能的です。

― 東京ゲームショウも第1回目は純粋なファンイベントでしたが、その後、基調講演やCEDECプレミアムが加わるなど、より多くのニーズに応えるものへと性質がだんだんと変わっていきました。

モルディナ:それはGDCも同じです。最近ではE3前の企業のマーケティングやプロモーションの場という役割も担い始めています。GDC2005でウィル・ライト氏が「Spore」を発表したのはその好例です。E3も最近ではますます多くのユーザーが注目するイベントになっています。まあ、E3はまだ純粋なトレードショウですけどね。そもそも、こうして様々な変化が進んでいくのはエキサイティングです。いつも同じことばかりをやっているのでは、つまらないでしょう?

― そのとおりですね。ありがとうございました。

(聞き手:小野憲史/協力:IGDA日本 新清士氏)
(RBB TODAY)
関連リンク|Link
東京ゲームショウ(TGS)
GDC
CEDEC
[TGS 2005] 日本の開発者ももっと講演をしてほしい -GDCモルディナ氏インタビュー前編
その他のゲーム情報はSlash Gamesへ
PAGE TOP
新着ニュース
記事一覧へ
リリースRSSによる配信についてバナー広告問い合わせ会社概要プライバシーポリシーリンクについて
RBB TODAY RESONSE e-nenpi.com cbook24.com DOKOYO MONO ONLINE
本サイトの内容は、著作権による保護を受けています。 Copyright (c) 1998-2006 IRI Commerce and Technology, Inc. All Rights Reserved.
IRI Commerce and Technology, Inc.