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[TGS 2005] 日本の開発者ももっと講演をしてほしい -GDCモルディナ氏インタビュー前編
9月20日
 昨年に引き続いて、世界最大のゲーム開発者会議「Game Developers Conference」のカンファレンス・ディレクター、ジャミル・モルディナ氏が、東京ゲームショウ2005にあわせて来日した。モルディナ氏はGDCの運営企業であるCMPゲームグループに所属しており、GDCの中心的な人物だ。今回のインタビューでも、GDC2006の情報や、アメリカのゲーム業界の最新事情について興味深い話を聞くことができた。

GDCカンファレンス・ディレクター、ジャミル・モルディナ氏
GDCカンファレンス・ディレクター、ジャミル・モルディナ氏

― 本年3月に開催されたGDC2005では、公式サイトの日本語版作成や、英語から日本語への同時通訳、日本と欧米の開発者を対象にしたEast meets West Partyなど、日本からの参加者向けの対応が非常に充実されました。反響はいかがでしたか?

モルディナ:非常に良かったです。GDC2005ではこうした努力もあって、日本からの開発者の参加が急増しました。East meets West Partyでは日本人の参加者だけでなく、欧米の参加者からも非常に良い反応がありましたよ。日本人の開発者と多くの関係作りができましたからね。

― こうしたサポートは来年のGDCでも継続される予定ですか?

モルディナ:もちろんです。East meets West Partyは絶対に来年も開催します。昨年は初めての試みで、本当にうまくいくのか、といった声もありましたが、おかげさまで大成功でした。来年はもっとすばらしいものにしたいですし、より多くの価値を生み出していかなくてはいけません。さまざまな人を招待して、新しい人間関係を作り上げていくこと。お互いに違った考え方を身につけていくこと。日本と西洋の開発者がお互いの開発技術を学ぶ場を提供していくこと。これらすべてがEast meets West Partyの目的なんです。もちろん最終的なゴールは優れたゲームを作り出すことにあります。

― GDC2005はサンフランシスコで開催されましたが、GDC2006では開催地が再びサンノゼに戻る(※)と聞いています。今までの開催スタイルと何か変更はありますか?
(※ GDCは2004年まで毎年サンノゼで開催されていた)

モルディナ:多くの開発者がサンノゼの環境を愛してきました。それは街が大学のキャンパスのような雰囲気だからです。そのため、来年はコンベンションセンターだけでなく、会場をその周辺に分散して開催することも考えています。期間中は街を開発者が歩き回って、まるでMMORPGのような雰囲気になるでしょう。

― GDC2005では会場となったモスコーニ・ウェスト・コンベンション・センターの隣に、ソニーが運営する多目的娯楽施設メトレオンがあり、GDCの会期中にこちらでWalk of Gameというゲームの表彰式が開催されましたが、これはGDCとあわせて大きな相乗効果を生んでいました。

モルディナ:ええ。GDC2006でも同様のイベントをサンノゼ市内で開催したいと思っています。GDC2005ではファイナルファンタジーのコンサートも開かれましたよね。来年もいくつかの企業を連携をとって、同じような活性化を狙っていきたいと思います。

― GDC2004ではシェーダー、GDC2005ではゲームデザイン関係のセッションが多かったように思います。GDC2006ではどのようなセッションが主流になりそうですか? ネットワークやマルチコア、マルチスレッドOSなど、技術タームはいろいろあると思いますが。

モルディナ:GDC2006のテーマはまさに「What’s NEXT?」です。次は何か?ということに誰もが関心を持っています。次世代コンソールの時代が始まるというだけでなく、次世代のゲームビジネスとは何か、さらには、PSPなどの次世代の携帯ゲーム機、さらにはモバイル(携帯電話)ゲームなど、新しいフィールドでのゲーム像、といったことも含まれるでしょう。もちろん開発のベースとなるのはプログラム技術です。これらについてはマルチコア、HDTV映像への対応、といったところが主要テーマになると思います。

― なるほど。

モルディナ:他にシェーダーも当然クリティカルな技術タームです。CEDECプレミアムでもEAのニール・ヤング氏がフェイシャル・アニメーションなどの映画的な表現技術の応用について講演されていました。こうした「映像の真実味」も重要でしょう。これらはプログラマーと共にアーティストへの挑戦でもあります。これらの要素を組み合わせていかなければ、消費者が本当に欲しいと思えるようなゲームを作り上げることは難しいでしょう。

― 毎年日本からも何人かの講演者がGDCに招かれて講演を行います。どれも多くの反響があり、非常に誇らしく思うのですが、一方でアメリカの開発者が日本の講演者に本当は何を求めているのだろうか、という疑問も感じています。日本人スピーカーの講演は技術面ではなく、ビジョンや考え方などの内容が多いように思うのですが、他に求められているテーマがあれば、教えてください。

モルディナ:日本のゲームデザインは世界中でとても受け入れられていて、世界中の開発者から講演内容について多くの要望があります。たとえばGDC2005では「『バイオハザード4』におけるリアルタイム3Dムービー」という講演がありました。これはプログラミングとビジュアライズの融合を扱ったもので、そうした要望の一つでした。このように単にゲームデザインというだけでなく、プログラムに対する要望も増加しています。ビジュアルアーツ(グラフィックデザイン)とプログラミングの分野は、もっと日本の開発者からの講演を望みたい分野ですね。特に次世代コンソールでは、AIや物理エンジンなど、プログラミングパワーをもっと必要としてくるでしょうから。私たちもGDC2006では次世代コンソール向けのゲーム開発により力を入れていきます。できればその中に、次世代ゲームに対するプログラム上での挑戦、という位置づけの日本人開発者のセッションもあるといいですね。

― よくわかります。

モルディナ:もうひとつ重要なポイントは、新しいビジネステクニックです。次世代ゲーム開発で肥大化するチームの編成や運営、管理といったことです。

― それらは日本の開発者は不得手かもしれません。

モルディナ:もちろん日本・欧米の双方の開発者によってカバーされるべきです。それに日本の開発会社でも運営管理に優れたところはあるでしょう。

― GDC2005ではビジョントラックという新しいジャンルが創設されました。そこにはゲーム産業とハリウッドの融合、という根底のテーマがあったと思います。来年のビジョントラックもこうした流れをフォーカスしていくのでしょうか?

モルディナ:GDCの主要な目的は、「学習」「インスピレーション」「(人的)ネットワーク」です。その中でもビジョントラックはインスピレーションを受ける強力な場所です。一つのポイントとしてあるのは、映画とゲームのコラボレーションです。GDC2006では、この点がより明確になっていくでしょう。

― 日本のゲーム開発者カンファレンス「CEDEC」でも、今年は初めて日本のアニメスタジオであるGONZOとプロダクションI.Gによる講演が行われ、大きな反響がありました。今ではゲーム会社もアニメスタジオも、共に3Dツールを使ってCGを作成しています。

モルディナ:アメリカでも映画スタジオとゲームスタジオは同じようなコンテンツパイプラインを持っています。ただ、ゲームの特徴はインタラクティビティを持つということで、どうやってビジュアルアーツにこの要素を組み込んでいくかが重要です。自動化という要素もあります。昔はフェイシャルアニメーションなどはアーティストが映画の手法をまねて、手でつけていましたが、最近ではミドルウェアなどが用いられるようになりました。映像的な進化においては、ゲームと映画は競争関係にありますね。
(RBB TODAY)
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東京ゲームショウ(TGS)
GDC
[TGS 2005] 日本の開発者ももっと講演をしてほしい -GDCモルディナ氏インタビュー後編
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