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アニマトリックス、スキージャンプ・ペア…… パブリッシャーとクリエイターの意外な「出会い」 ―東京コンテンツマーケット2004
10月20日
「東京コンテンツマーケット」が他のコンテンツ系見本市と異なる点は、ほとんどの出展者がいわゆる「中小企業」であることだ。特に「2004」では個人での参加も増え、ますます広がりを見せてきた。こうしたコンテンツ・クリエイターとそれを利用したビジネスを行っている企業を一堂に集め、コンテンツビジネスのマッチングを図るのが、本イベントの趣旨。それだけに、クリエイターとパブリッシャーの「出会い」を逃がさないことが、重要なポイントとなる。
東京コンテンツマーケット2004 シンポジウム「話題のコンテンツプロデューサーが語る『コンテンツの発掘からプロモーション戦略』」より。
本シンポジウムの大トリを務めることになった「話題のコンテンツプロデューサーが語る『コンテンツの発掘からプロモーション戦略』」では、この両者の「出会い」から、市場へのプロモーション展開、さらにはクリエイター側に求められるプレゼン能力や、現在進行中の新作映像紹介まで、充実かつ熱いトークが繰り広げられ、内容の濃い物となった。シンポジストはエイベックスの穀田正仁氏と、コミックス・ウェーブ代表取締役の竹内宏彰氏、モデレーターはメディアラグ代表取締役の藤井雅俊氏。
穀田氏は昨年末リリースされ、新人CGクリエイターのDVD作品としては異例の15万枚という大ヒットを記録して話題となった、真島理一郎氏制作「スキージャンプ・ペア オフィシャルDVD」のプロデューサ。穀田氏は真島氏との出会いを「現場の子たちがネットで面白がって見ていた作品に対して、メールを送ったのがきっかけ」といい、特別なことは何もしていないと述べた。またエイベックス自体、市場に挑戦していく過程で得意とする分野を絞り込んでいく社風があり、「スキージャンプペア」も決してエイベックスが得意な作風とは言えなかったが、一方で企業として新しい挑戦を行う必要もあった、と発売の事情を語った。
竹内氏は新海誠監督「ほしのこえ」のプロデューサとして、また映画「マトリックス」のアニメーション「アニマトリックス」の日本側の総プロデューサとして、業界で高い注目を集めている人物。竹内氏は「アニマトリックス」のきっかけが、「マトリックス」監督のウォシャウスキー兄弟が日本にお忍びで旅行に来た際、映画会社に頼まれて東京を案内したことだという。「彼らが行きたがったのが、アニメや漫画、ゲームなどの制作現場で、他に案内できる人がいなかったから。『マトリックス』日本公開前の話で、僕も彼らのことを良くわかっていなかった(笑)」(竹内氏)。偶然入った下北沢のお好み焼き屋でウォシャウスキー兄弟が日本のアニメーション制作に関心が深いことを知り、だったら一緒に作ろう、と盛り上がったことが「アニマトリックス」制作のスタートになったという。
またプレゼンの仕方について、竹内氏は「一番ベストな制作物を相手に渡すこと、特にアナログの生成物を直接手渡すこと」だと述べた。映像作品のプレゼン書式には米国ではれっきとしたスタイルがあり、この書式に沿っていなければすぐにはねられる。韓国でもDVDや文字資料などのプレゼンデータを直接手渡されることが多いという。「日本では名刺のアドレスにアクセスしてください、などという人が多いが、それでは見てもらえない。デジタルは手軽だが、アナログの存在価値にはかなわない」「幸い日本では映像作品に決まったプレゼン書式はないのだから、作品のウリを簡単に印象づける物がほしい。それができれば、あとはコンテンツの中身と作り手の情熱で話が前に進んでいく」(竹内氏)。映像の重要性については穀田氏も同じで、「作品のウリとなるツールを会場で配布すること。特に紙だとわかりにくいので、持ち帰れる映像がほしい」という。
以下、シンポジウムは権利関係(「権利面までクリエイターが自分でできることには限界がある。必要な場合は他者に手伝ってもらうことも大切。我々としてもビジネスやプロモーション面など、多くの力に支えられているコンテンツの方が魅力的に映るし、そうした作品に自分たちが力添えすることで、さらに幸せになっていけると嬉しい」(穀田氏))や、ワンソースマルチユースの問題点(「本当に優れたキャラクタやコンテンツは、表現するメディアが最初からしっかり決まっているもの。劇場で、DVDで、Webで、携帯でコンテンツを同時展開などといっても、コンテンツの魅力がぼやけるだけ」(竹内氏))など、テーマが多岐に展開。いずれもモデレーター、シンポジストの経験に裏打ちされた、深い内容となった。
最後に穀田氏、竹内氏が現在製作中の新作映像を紹介。穀田氏は紙で作った架空のプロレスラーたちがCGで動き回る「カミロボプロレス」を、竹内氏は「ほしのこえ」に続くインディーズ映像作品として「KAKURENBOU」と「惑星大怪獣ネガドン」の予告編をそれぞれ披露した。「カミロボプロレス」の原点となったカミロボたちは、京都在住のクリエイター、安居智博氏が一人で200体以上作り続けていたもの。穀田氏によると、DVDはテレビや劇場と違い一人で見ることの多いメディアで、こうした作品がふさわしいという。一方「KAKURENBOU」は監督とキャラクターデザインの2名によるオリジナルアニメで、「惑星大怪獣ネガドン」はCGで往年の怪獣映画のテイストを再現した意欲作。いずれも「東京コンテンツマーケット2004」の精神にふさわしい、個人ベースからマスへと発信されていく商業作品で、会場から拍手が送られた。
(ライター 小野憲史)
(RBB TODAY)
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