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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
ゲームは人に悪影響を与える!? ゲームのとるべき道とは…… CEDEC2004 講師インタビュー 第1回
7月20日
 ゲーム開発の最前線に迫る! ゲーム開発者向けのカンファレンス「CEDEC」が今年も9月6日より開催される。今年は60以上もの講義をラインアップし、過去最大規模で実施される予定。マイクロソフトのDirectX関連セッションを集めた「Meltdown」、NVIDIAの「開発の鉄人」といった人気のカンファレンスのほか、ミドルウェアやツールのメーカーによるスポンサーセッションなど、多彩な講義が目白押しだ。
 今回Slash Gamesでは、CEDECの講演者にインタビューを行い、どんな講演を行うかをうかがっていく。講演者とゲーム開発者の問題意識の共有と講義への興味をいだいていただけたら、幸いである。

 第1回目は「はたしてテレビゲームは人間に悪影響を与えるのか」「その悪影響への対策は?」と各方面で話題の「ゲームの悪影響問題」についての講義を行う、お茶の水女子大学文教育学部の坂元章教授にお話をうかがった。

お茶の水女子大学 坂元章教授


――昨今、テレビゲームが人に悪影響を与えるのではないかという疑問が各方面からあがっています。現在、どんな問題がトピックとなっているのでしょうか。

「やはり、最も懸念されているのが"暴力"ですね。暴力的なテレビゲームの内容が、人間を暴力的な性格に変えるのではないか。そういうことが心配されています。1990年代の半ばくらいまでは、ゲームの悪影響はあまり支持されないという論調が主流であったように思われますが、ここにきて世界的な傾向として、悪影響を及ぼすという研究発表がなされています。テレビゲームの映像がリアリティを増してきて、影響力を増しているのではないかという解釈もあり、研究者の考え方としてはテレビゲームの悪影響を認める方向になっています。」

――深刻な事態ですね。ちなみに他のメディアでは"暴力"性の喚起は確認されているのですか。

「たとえば、すでに"テレビは人に悪影響を与えうる"と見られていると思います。1970年代に研究が盛んで、様々な論争が行われていました。当初は『テレビの暴力描写により、欲求不満が解消されるため、暴力的な傾向が低くなる』という意見もありましたが、近年では、それらの意見は否定され、いまでは"テレビは悪影響を与えうる"という意見で、すでに大方の合意がなされていると見てよいでしょう。」

――インターネットはどうでしょうか?

「インターネットの問題は、暴力をうながす実質的な情報が提供されるというのが問題と考えられます。たとえば、インターネット上で製造法を知って、爆弾を作ったという事件もありました。つまり、インターネットで危害を与えるための情報を入手できるというケースです。あと、フレーミングの問題です。インターネット上では基本的にテキストでコミュニケーションをとるので、いろいろな解釈を持ちやすい。相手の背景を知らない場合などで、ひとたび、悪い方向に行くとどこまでも悪い方向に落ちてしまう。また、書く側もストレートに言葉を使ってしまうこともある。敵意をどんどん募らせて、大喧嘩してしまうことがある。」

――これらの悪影響について、何らかの対策がなされているのでしょうか。

「メディアの悪影響の対策として、もっとも中心の方法はメディアリテラシー教育です。テレビの番組は作り物であり、何が描かれており、何が描かれていないかについて学ぶことが大事です。テレビなどではすでに実践されていますが、テレビゲームにおいては、メディアリテラシー教育がまったく考えられていないのが現状。ゲームの知識の豊富な人材がいないため、事実上まったく手付かずなのです。また研究者もテレビゲームを知らないことが、研究や教育実践を進めるにあたって大きなネックになっています。」

――テレビゲームの研究は遅れているんですね。

「ここから数年間、テレビゲームはとても不安定な時代を迎えることになるでしょう。いまは自主規制をかけていますが、ひとたび悪影響が叫ばれると、法的規制の対象になりかねません。法的規制がかかることはテレビゲームの発展にとっては最悪な道で、多くの可能性をつぶしてしまう。」

――坂元教授の講義はゲーム開発者への警鐘を告げるものなんですね。

「これはたとえ話ですが、もしクルマが登場する時代が違ったらどうだったでしょうか。人権意識が高く、人の命が重く考えられる時代にクルマが登場したとしたら。おそらくクルマに対して法的規制がかかり、一般人には運転を許されなかったかもしれません。また、電車のようにクルマは決められた区画しか走れなかったかもしれません。ドライブスルーもなければ、クルマ文化もなかったでしょう。やはり、クルマという乗り物が危険であることを容認し、使う側がその感覚を共有し、クルマに対しての教育があったからこそ、クルマは便利な乗り物として受け入れられるようになったのです。テレビゲームは可能性を持っています。いまテレビゲームは技術的な価値を伸ばしながら、社会やユーザーと折り合っていくべき時代を迎えているのです。」

 CEDEC2004の申し込み期限は8月27日(金)まで。受講料金はレギュラーパス(3日間有効)がCESA会員25,000円、一般50,000円。デイリーパス(開催期間の1日のみ有効)がCESA会員10,000円、一般20,000円となっている。なお、8月6日(金)までレギュラーパスが20%OFFとなる優先割引による事前登録を実施中。


(ライター:志田英邦)

(RBB TODAY)
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