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★ Slash Gamesは、2007年6月1日より「インサイド」になりました
[TGS2003] オンラインゲームの開発は大変。サービスはもっと大変 ―TGSフォーラムレポート
9月27日
 東京ゲームショウ2003にあわせて開催された「TGSフォーラム」で、オンラインゲームについてのセッションが設けられた。パネルディスカッションでは、オンラインゲーのム開発や運営におけるそれぞれの立場での苦労している点が語られた。

NCソフトの金澤辰氏。講演ではMMORPGの魅力を「参加感」「没入感」という言葉で表現。プレイヤーは「行動を起こして結果を得られる喜び」を求めるが、没入感の高まりはマイナスの面もあり、メーカーはこれを克服する必要があると述べる

 パネルディスカッションでは、「みんなのGOLFオンライン」の小林康秀氏(SCEI)、「True Fantasy Live Online」の日野晃博氏(レベルファイブ)、「リネージュ/リネージュII」の染谷光廣氏(NCJapan)がパネリストとして参加した。

■初心者向けオンラインゲームという「ジレンマ」 ―みんGOLオンライン

 小林氏は、PlayStation BB用オンラインゴルフゲーム「みんなのGOLFオンライン」のこれまでの流れについて紹介した。みんGOLオンラインではPlayStation2をインターネットにつなぐ必要があるが、特に非ヘビーユーザ向けのソフトということで、“ルータ”や“ブロードバンド”など接続方法などを具体的に説明することが特に必要となり、店舗やユーザ告知などに力を入れたという。
 また、オフラインイベントやマスメディアとの連動イベントを開いたり、SCEIにしては珍しいことだが直接的にゲーム内容を解説するTVCMを制作したり(フジサンケイクラシックにて放映)、さまざまな手を使ってユーザの獲得をはかっている。

「オンラインゲームの新しい楽しさはみんGOLオンラインでできていると思う。長期にわたって訴えていくことがキモ」と語る小林氏


■却下させるつもりで作ったボイスチャットが好評に ―True Fantasy Live Online

 現在Xbox Live対応MMORPGとして開発が進められている「True Fantasy Live Online」(TFLO)のレベルファイブ 日野氏は、今まさにMMORPGを開発している真っ最中であり、開発における苦労を語った。

 TFLOは、Xbox初のフル3DファンタジーMMORPGである。TFLOが他のMMORPGと大きく異なるのは、ボイスチャットに対応している点にある。Xbox Liveのボイスチャットをベースにしているので、Xbox Liveのもつボイスチェンジャーが利用でき、生声そのままではないチャットが可能だ。
 大きな街などプレイヤーが多く集まる場所で全部の声が聞こえると「うるさい」のでは?と思われるかもしれないが、パーティメンバーはいつでもボイスチャットが可能、それ以外のキャラクタへはボイスチャットコマンドを使ったときのみ音声がいく仕組みなので、ガヤガヤうるさい心配はない。MMORPGは人に話を聞くシチュエーションが多数あり、コントローラから手を離す必要のないボイスチャットとは相性がいいという。エンドユーザに広く受け入れられるかどうかはオープン後の評価待ちだが、デモビデオや試遊では会話の空気感などはテキストより上。少なくとも「ボイスチャットなんて」という食わず嫌いはもったいなさそうである。

日野氏は当初、ボイスチャットはユーザに受け入れられないと考え、「ほら、だめでしょう?」とプレゼンするつもりで実装したところ、やってみると意外にもよかったという


■韓国と日本の客層の違いが、求められるイベントやゲーム性まで変える ―リネージュ

 リネージュIIのクローズドβが目前のエヌ・シー・ジャパン染谷氏は、MMORPGの運営における苦労などを語った。いったん動かし始めたMMORPGは、基本的に24時間365日動かし続ける必要がある。サーバやネットワークのコストがかかるほか、開発においても、ゲームサーバやクライアントソフトだけでなく管理ツールを提供することが重要だという。
 また、複数の国で提供されているMMOでは、国ごとにユーザ層やプレイ傾向が大きく異なり、それぞれ「別物」になっているという。韓国ではリネージュの主要プレイヤー層は18歳前後、日本では26.5歳前後でしかも分散が大きい。18歳中心のプレイヤーが求めるゲーム性と、26.5歳中心のプレイヤーが求めるゲーム性は、おのずと異なってくる。このため、イベントやゲームバランスなどはそれぞれの国にあわせて調整がなされているとのことだ。

リネージュIIの提供でリネージュからの移行(リネージュの会員減)が起きるのでは?と尋ねたところ、韓国でリネージュIIを始めた際にもっとも影響を受けなかったのが実はリネージュであったことなどから、食い合いはないのではないかと述べた


■MMOを開発するにはネットワークプログラマ・DBプログラマを引き込め

 今まさにMMORPGを開発中のレベルファイブ日野氏は、その経験からMMOをこれから開発を始めようという人に向けたアドバイスを語った。おもなところは、「ゲームの開発が進んできたらプログラマにテストプレイヤーを割り当てよう」「ゲームプログラマだけでなく、サーバ開発のためにネットワークプログラマやDBプログラマを引き入れよう」「管理ツールの開発工数を考慮しよう」といった内容。
 1つめの項目でいわれているテストプレイヤーとは、デバッグ用というわけではなく、MMORPGでよくある複数のプレイヤーがパーティを組んだりいっしょに何かするという機能を作った際の動作確認のための人員。TFLOでは当初この人員にデザイナーやプログラマを割いたため、無駄が出てしまったという。2つ目と3つ目の項目については言葉通りだが、そのほかにもオンラインゲームではサーバへの問い合わせで時間がかかることを前提としたプログラミングや、サーバ負荷を分散化させられるゲームのトータルデザインなど、考慮すべき点が多くあるという。これからMMOに参入しようと考えているベンダーは、スタンドアロンのゲームとはだいぶ違ったアプローチが要求されることを念頭に置く必要がありそうだ。

パネルディスカッションではPC用MMORPGを運営する現役ベンダーや、これから開発を考えているベンダーからの具体的な質問が飛び交っていた

(伊藤雅俊@RBB)
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