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2005年12月21日
「BBモバイルポイント」の公衆無線LAN戦略
日本テレコム 中村圭祐氏 インタビュー
ソフトバンクグループの公衆無線LANサービス「BBモバイルポイント」が、2005年12月1日よりアクセスポイントを全国のマクドナルド約2,600店舗に順次拡大されている。この「BBモバイルポイント」の戦略について、日本テレコムの中村圭祐氏にお話をうかがった。
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| 日本テレコム 無線LAN事業戦略室室長 中村圭祐氏 |
― マクドナルドにおける今回の「BBモバイルポイント」の拠点拡大について教えてください。
全国のマクドナルドにおける「BBモバイルポイント」設置数は、2005年11月9日時点で222店舗でしたが、これを12月1日より約2,600店舗に順次拡大します。今回の拠点拡大により、「BBモバイルポイント」のエリア数は全体で3,200カ所に達します。全国規模での拠点数で言えば単独事業者として最大級であり、日本の公衆無線LAN市場に大きなインパクトを与えるものと期待しています。
しかしながら、当社としては拠点数を増やすことが最大の目標ではありません。大手飲食店やホテルチェーン、JR各社の主要駅など、知名度の高いエリアへ設置することが最重要課題であると考えています。多数の拠点を提供しても、ユーザーがアクセスポイントをネットで検索しなければ見つけられないのでは、たいへん不便です。それよりも、誰もが知っているランドマークを視覚的に見つけるほうが、ユーザーにとってははるかに便利なのです。今回、日本マクドナルド様のように、外国人の方も含めて誰もが知っていて、店舗数が圧倒的に多く、営業時間も長く、そのうえ気軽に入店できるランドマークを「BBモバイルポイント」の拠点にできたことにより、当社のビジネスのベースが大きく広がったと考えています。
― モバイルユーザーの滞留時間の長さに関して、店舗側は懸念しなかったのでしょうか?
「BBモバイルポイント」を既設していた222店舗に対して、この3年間、さまざまな状況を想定した実験を行ってきました。その結果、モバイルユーザーの集客曲線は、朝の9時前後と夕方の4〜5時にピークがあることがわかりました。一方、飲食利用者は昼食の時間帯に集中します。したがって2つのグラフはうまく重なり合い、店舗全体の利用販売効率からはプラスになるとの判断が得られました。
さらに日本マクドナルド様としても、基本であるハンバーガーを売るためには、まずはお客さんにお店へ足を運んでもらうことが重要と考えておられます。実際、222店舗の統計からも、集客効果があったとの結果をいただいています。そして今回の拠点拡大により、「BBモバイルポイント」のユーザーを日本マクドナルド様のリピート客としてさらに獲得していただけることもメリットとしてとらえていただけました。
― 店舗スタッフ向けにマニュアルの配布等は行っているのですか?
日本マクドナルド様の販売員(クルー)はアルバイトが中心であり、短期的なサイクルで就業されています。したがってマニュアルは重要であり、日本マクドナルド様と当社が協力して作成し、これまでも十分なサポート体制をとってきました。実際、ユーザーから販売員に対しては電波状況などの単純な質問がほとんどです。技術的な問題をされた場合は当社への誘導を促し、販売員の方々の業務を妨げないよう配慮しています。
― 「BBモバイルポイント」の収益状況はどのようになっていますか?
「BBモバイルポイント」はホールセール(回線卸)型ですので、当社の直接のクライアントは各ISP様となります。当社のビジネスとしては成り立っていると考えていますが、エンドユーザー数として大きく花開くためには、今回の日本マクドナルド様での拠点拡大が起爆剤となるものと期待しています。
― 「マクドナルドの次」となる拠点は検討されていますか?
公衆無線LANサービスは、提供できるサービスに対応してエリアを選定していく必要があると思っています。今現在の段階で考えると、無線LANの利用者はPCを持ったモバイルワーカーが中心です。したがってその利用シーンとして、現時点では大手飲食店のように、テーブルと椅子があり、PC上で作業できる場所が想定されます。
しかしながら、最近ではPC以外の端末に無線LANポートが搭載されつつあるという動向も見逃せません。ゲーム機やデジタルカメラ、音楽プレイヤーなどが無線LANで通信するようになれば、エリアを通過するだけの利用シーンも想定されます。また、カーナビがハードディスクを搭載するようになれば、データの書き換えに無線LANが使用されることも想定され、そうなればガソリンスタンドや駐車場なども視野に入れる必要がでてきます。
しかしこれらはあくまでも想定です。インフラは世の中の流れに先んじてエリアを選定していかなければユーザーのニーズに応じてサービスを提供できませんので、そこにはリスクが伴います。このように我々は将来を想定してエリアを選定していきますが、設置対象のビルのオーナーからすれば、当然のことながら自分たちのメリットがはっきりとイメージできなければ設置を許可しません。ここが一番難しいところであり、双方のバランスをとった、いい関係のもとにサービスを提供していくことが重要です。
― 同じソフトバンクグループの「BBモバイル」とのコンバージェンス、あるいはシナジーといった方向性は考えられますか?
例えば、トラフィックの分散や、ユーザーが通信方式を意識しないでどこでも利用できることなどを考えていけば、同じソフトバンクグループとして何からのシナジーがあってしかりと考えますが、現時点では個々に事業展開しています。
― 現在のホールセール型は今後も続けますか?
ホールセール型のビジネスは今後も続けます。設置場所となるビルのオーナー様と交渉するうえでも、「Yahoo!BB」1社だけを対象としたサービスよりも、様々なISPで利用されているサービスとして説明するほうが理解を得やすいというメリットがあります。
― 外出先でのモバイルPCの利用層は今後増えていくとお考えですか?それとも、既存のモバイルPC利用者の中でユーザー獲得を狙うのですか?
現在ターゲットとしているモバイルPC利用者は、PHSのデータカードを持っている方々です。データカードの出荷枚数からすると市場規模はおよそ150万人と見込んでいます。しかしこの規模ではインフラ投資が非常に難しいため、先ほどもお話しましたとおり、将来的には非PC端末の利用者もターゲットになると考え、大きなビジネスチャンスを期待しています。
― ありがとうございました。
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