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光ブロードバンドの未来はどこへ向かうのか―
ケイ・オプティコム社長 田邊忠夫氏インタビュー
ケイ・オプティコムは、関西地方で法人および個人を対象とした光ファイバーサービスを展開している、関西電力系の通信事業者だ。0AB〜JプライマリIP電話や光ファイバーを使った放送サービスなどを積極展開する一方で、電力系通信事業者の再編の動きもあり、同社への注目は高まっている。
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| ケイ・オプティコム 田邊忠夫氏 |
− ケイ・オプティコムの光ファイバー事業の現状と将来見通しについて聞かせてください。
当社の光サービス「eoネット」のうち、光インターネット接続サービス「eo光ネット」はすでに32万強のお客様にご利用いただいています。現在、新規申込みの80%強は「eo光電話」とのセット申込みとなっており、「eo光電話」全体では約16万のお客様にすでにご利用いただいております。これは当社の予想を上回る数値でして、お客様にはネットと電話をセットでお申込みいただくことのメリットを感じていただけているようです。
光ファイバーCATVサービス「eo光テレビ」については、今年になって急激にサービス提供エリアを広げたばかりであり、「eo光電話」ほどの開通数はありませんが、現在、FTTH全エリアの約8割までカバーしたので、今後は「eo光ネット」「eo光電話」とのセットでの申し込みが期待でき、実際、順調に上向き傾向にあります。
市場全体の見通しからすると、当初の予想ほどFTTH市場は伸びていないのではないでしょうか。当社の来年の目標については、社内外の分析や、当社の工事力などをもとに検討を重ねているところです。
− 関西のブロードバンド動向に対するケイ・オプティコム社の認識はいかがですか?
全国的に見て、この3か月のNTTの月次増分はFTTHがADSLを抜いていますので、FTTHの普及が加速していると言えます。そのなかでも、関西地区は光ファイバーの激戦区です。総務省が今年3月に発表した「FTTHの都道府県別世帯普及率」では、近畿2府4県のほとんどが全国平均を上回る世帯普及率となっています。特に、滋賀県が全国2位というのは興味深いでしょう。滋賀県は大阪の通勤圏内で、人口増加も進んでおり、パソコンの普及率も全国トップレベルにあります。
関西地区はADSLの普及率がもともと高く、そうしたブロードバンド基盤があったからこそ、さらなるブロードバンドであるFTTHが普及していると捉えることもできると思います。圧倒的な規模でサービスを展開するNTTと、関西地区限定の当社が、双方から光ファイバーの普及に努めたことの相乗効果ではないでしょうか。
− 「ネット」「電話」「テレビ」という「トリプルプレイ」に対して、昨今注目の『グランドスラム』(トリプルプレイ+ケータイ)をどう捉えていますか?
第4のサービスであるFMC(固定通信と携帯電話の融合)サービスの時代がやって来ることは間違いありません。FMCが今度一層発展していくためにも、多くの事業者に携帯端末を開放してもらうことが必要であると考えています。
当社は、法人向けにはすでに「モバイルIPソリューション」として、FMCサービスを展開しています。これはIP電話サービスと携帯電話を組み合わせ、NTTドコモのFOMAをオフィスの内線電話としても利用するというものです。近畿2府4県へは当社の光電話サービス網によって7.7円/3分で通話することができ、社内では無線LANの使用によってレイアウトフリーを実現できます。
今後の当社の課題は、家庭におけるFMCサービスの浸透です。光ファイバーを各家庭の固定電話に接続し、そこから無線で携帯電話に発信するサービスを展開したいと考えています。携帯電話サービス会社の通話収入に影響があるかもしれませんが、こうしたサービスへ向かっていくことは必至なのではないでしょうか。
しかしながら、このサービスの実用化にあたってはクリアにすべき問題がいくつかあります。たとえば利用者側からすれば、自分にかかってきた電話は、家族全員ではなく自分の携帯電話だけで着信したいでしょう。1つの光ファイバーで複数の電話番号を持たせることは技術的にはすでに可能ですが、一般家庭での利便性を追求したうえでサービスを実用化したいと考えています。また、セキュリティの問題や、現在の固定電話で利用できているオプションサービスをどの程度反映するかなど、検討が必要と思っています。
− 先日、パワードコムとKDDIの合併が発表されました。電力系通信会社に再編の波が来ていますが、これをどう捉えていますか?また、ケイ・オプティコムへの影響はありますか?
当社が電力系ISPとして、KDDIといかにWin-Winな関係を築けるかが重要かと思います。法人向けサービスでは、パワードコムの関西における足回り回線は当社の光ファイバーを利用していただいていました。パワードコムの「Powered
Ethernet」は非常に人気の高いサービスですので、同サービスの今後の展開においても地方の電力系通信会社がお役に立てることがあるものと捉えています。
一方、個人向けでは、関西一円に光ファイバー網を独自に有する当社のサービスはもちろん継続発展させていくので、再編の影響はないものと考えています。
− 電力の自由化が進行していますが、通信サービスを提供しているケイ・オプティコムから関西電力に対して何らかの協力や共同サービスを行っていますか?あるいは、今後そうしたプランはありますか?
PLC(電力線通信)には非常に注目しています。現時点で法的に許可されている10〜450KHzまでの周波数帯域を重畳させることは、電気的には可能ですが高速通信には向きません。来年の2006年になればおそらく宅内のみに限定して2〜30MHz帯域が規制緩和される見込みです。この2〜30MHz帯域を使用したPLCはすでに開発段階に入っていますが、専用機器や利用料のコストに加え、集合住宅へ展開する上でのセキュリティなど、PLCサービスの実用化に向けてクリアにしていく必要があります。しかしこうした問題がクリアになっていけば、PLCは非常に有望な通信サービスです。
関西電力は、総合生活基盤産業への発展を目指しています。そのための3つの核である「エネルギー」「アメニティ」「情報通信」のうち、情報通信を当社が担っており、グループ全体での事業展開は積極的に行っています。
電力の自由化に伴い、電力会社もこれからは自社サービスをお客様に対して積極的にプロモーションしていかなければなりません。関西電力では、電気の使用料のみならず、グループ各社のサービス利用に応じてもポイントを獲得できる会員制クラブ「はぴeポイントクラブ」を運営しており、当社の「eo」サービスもポイント対象になっています。さらに、関西電力、ケイ・オプティコム、関電SOSの3社により、オール電化マンションや地域開発への共同事業も展開しています。
− ありがとうございました。
(聞き手:柏木由美子)
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