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急速に広がっているが課題も多い
0AB〜J IP電話セミナー
2005年8月12日
これまで、ジュピターテレコム、DTI、フュージョンコミュニケーションズ、ケイ・オプティコム、NTT東日本と各社のプライマリーIP電話の現状を取材してきた。上述のDTI以外の4社と共に実施したビジネスセミナの最後をまとめていただいた工学院大学の淺谷耕一教授の講演の一部を、プライマリーIP電話サービス取材の最終回としてお届けしよう。
本セミナは、RBB TODAYと新社会システム総合研究所の共催によるもので、6月29日に明治記念館で実施されたものだ。
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| 工学院大学の淺谷耕一教授 |
■音声サービスへの光ファイバ投入は早かったが、加入者アクセスに到達するまでは20年近くもかかった
NTTは1978年ごろからPONによる光ファイバの研究開発に着手しており、中継回線に導入したのは1980年ごろです。中継系光システムの研究を始めてからわずか5年程度で実用にいたっていることからも、伝送メディアとして光ファイバが非常に優れていることは明確です。“やがては加入者アクセスにも光ファイバが導入されるようになるだろう”ということで、加入者アクセスの光ファイバ化の研究もはじまりましたが、加入者アクセスラインに導入されるまでには20年近くかかっています。加入者系アクセス回線は、中継回線以上に複雑で解決しなければいけない問題がいくつもあったといえます。
インターネットの普及で音声コミュニケーションの重要性は改めて実感できます。たとえばアメリカ国民での話ですが、政府へのファーストコンタクの方法はなにかというと、電話が40%、ウェブサイトが21%、電子メールが11%、手紙が17%というアンケートの集計結果があります。問い合わせる目的によって手段は異なりますが、電話が圧倒的に多いということです。電話の特徴を改めて見つめなおしますと、リアルタイムで完成度が高いといえます。そのため、身の回りになくてはならないものになりました。
■IP電話で重要なのは帯域よりもリアルタイム性の確保
電話は基本的に64kbpsのPCMで直接デジタル化をしています。帯域だけで考えるとブロードバンドが必要なわけではなく、常時接続で固定料金のフレッツ・ISDNでも対応できるものです。
しかし、IP電話はまぎれもなくブロードバンドアクセスの普及とともに登場しました。電話サービスはリアルタイムのストリーミングですから、連続してデータが流れてきます。しかも送られたタイミングをできる限り保持して忠実に再生しなければ、成立しません。電話サービスも音声だけの送受信であれば64kbpsの帯域ですが、IPで送受信するためにはオーバーヘッドが発生し、最終的には200kbps程度のスループットが必要になります。だからこそ、加入者アクセスラインが光化することにより、IP電話やインターネット電話が使われるようになってきたわけです。
IP電話やインターネット電話を比較すると、ネットワーク構造の違いがあげられます。これまでの電話サービスには、中継系とアクセス系に別々のプレーヤがあり、そのうえ県間通信や県内通信においてもそれぞれ別のプレイヤーが存在しています。IP電話やインターネット電話でも中継系やアクセス系といった大きな枠組みでのプレイヤーはいます。しかし、県間通信や県内通信という細分化されたプレイヤーはなく、垂直統合型でサービスが提供できます。そのため、料金面でのメリットが出てくるというわけです。
また、マーケットセグメント的にも複雑な構造ではないため、きわめてクリアで、新規参入のしきいが低くなっています。だからこそ、いろいろなサービス形態でプレイヤーが参入し、大きな変革が続いているのです。
そして、IP電話・インターネット電話の中でのトピックといえば、0AB〜J電話です。0AB〜J電話は既存電話を置き替えるものなので、ビジネスユーザだけではなく、個人も含まれる巨大な市場へと成長する可能性を秘めています。しかし、世の中に投入されたばかりのサービスですので、マーケット的にはIP電話利用者の中の1%程度の利用者しかいません。ところが、1年前と比べると0AB〜J電話の利用者は400%ぐらい増加しています。母数そのものは小さいですが、利用者が大変な勢いで増えているサービスです。ただし、0AB〜J電話はこれまでの電話の置き替えですから、これまで同様の使い勝手が求められます。当然、そのためにはこれから解決していかなければいけない課題がいくつかあります。
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