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音楽サービスを提供して40年の歴史を誇るUSENが展開する音楽ダウンロードサービスとは?
USEN ISP事業部マネージャー 下浦敦史氏インタビュー
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| USEN ISP事業部マネージャー 下浦敦史氏 |
−USENさんがおこなう音楽配信サービスの全体的な概要から、お話いただけますでしょうか?
下浦:音楽配信サービスは各社が展開されていますが、基本的に「OnGen」も業界一般のサービスの位置づけとほぼ同じです。外資系のレコード会社が日本国内におけるデジタル配信サービスの門戸を開き、体制をしっかり作られた事をきっかけに我々もサービスを開始しました。
サービスの本質としては特に変わったことをしている訳ではなく、「1曲、いくら」という小売業のスタンスで展開しており、2004年8月17日に本格的にサービススタートしました。
−サービスは基本的にインターネットを利用する方を対象にしているのでしょうか?
下浦:はい。PCベースの音楽ダウンロードサービスで、インターネットオンリーです。
−ネットワークの構成はどうなっていますか?
下浦:Webサーバー、ライセンスサーバーを複数台、設置してサービスを行っています。
−課金システムはどうなっているのでしょうか?
下浦:これもオンリーワンの特徴はありません。あえて言うなら、より多くのユーザーにご利用頂けるよう、決済のバリエーションを広げることを意識しています。商品構成は、通常の単曲売り+バンドル売り(アルバム売り)の2種類。決済手段としては、クレジットカード(JCB、VISA、マスターズ、ダイナーズ、アメックス、UFJカード)、電子マネー(Webマネー、ネットキャッシュ)、ISP決済(DION決済)、ShowTime決済がご利用いただけます。
−会員数や提供楽曲数はどのぐらいでしょうか?
下浦:USENでは、有線放送を筆頭に多くのサブスクライバービジネスを展開しており、データベース上には120万人程の対象会員がいます。もう少し細かくお話しますと、OnGenのメールマガジンをお送りさせていただいている方が40万人。OnGen独自で入会(無料登録制)していただいた方が6万人。実際に弊社のサービスであるBROAD-GATE
01、関連会社であるShowTime、また他社ISPの会員等の利用者のうち、自発的にメールマガジンを読んだり、アクセスされてご利用頂いている方々は20〜30万人になると思います。
提供楽曲数は現在約10万曲。料金設定については、単曲ですと99〜368円で、主要価格帯としては210円と270円となっています。アルバムは500〜2700円で、こちらの主要価格帯は1800〜2400円となっています。
−アルバム500円はずいぶん安い設定だと思いますが?
下浦:500円というのは過去に戦略的な商品に設定した価格です。USENグループが権利を持っている音源をテーマごとに10曲パック化したオリジナルアルバムなどですね。
−音楽ジャンルとしては、どのようなジャンルが多いのでしょうか?
下浦:ポップスとロックが多いですね。洋楽、邦楽の割合は半々ぐらいです。やはりボリューム的には外資系レコード会社の楽曲の割合が多いのですが、私どもの特徴としては、自社独自調達コンテンツの充実があるかと思います。業界的に非常に長いお付き合いがありますので、主要なレコード会社だけでなく、個別に各プロダクションなどとも網羅的にお話させて頂いておりまして、インディーズ系含め、全体的な楽曲の充実が実現できています。また、関連会社のBMBでは10万曲という日本最多曲数を持つ『UGA』というカラオケ事業を展開していますが、それらのカラオケ楽曲をエンコードして歌詞付き1曲100円で弊社オリジナルラインアップとして提供しているのも独自の特徴です。
−エンコードというお話がでましたが、著作権保護の仕組みはどうなっていますか?
下浦:Micorosoft社の「Windows Media DRM(デジタル・ライツ・マネージメント)」を採用しております。
−サービスを開始するまでにご苦労されたことはなんでしょうか?
下浦:私どもはわりと後発組でしたので、対レコードメーカーさんの垣根はそれほど高くはありませんでしたが、「どういったスタンスでサービスを展開していくのか」という部分、さらに噛み砕くと「どうやって売っていきましょうか」という命題に対して、お互いに前向きに歩調を合せて行くためのコンセンサスを得るのには時間が掛かりました。
そのほかには、各社から提供されるデータフォーマットの違いがあげられます。例えば、デジタル配信のための体制が整っているあるレコード会社には、すべてデジタル化された楽曲データ、画像データ、メタデータがそろっているため、それをハードディスクで納品いただき、プログラム処理で取り込めば済むのです。しかし、別のまだ体制が整っていないレコード会社ですと、CDをどかっと渡されることもあります。こうなりますと、ジャケットはスキャンして、曲は一定の品質を保ちつつエンコードを行い、メタデータに至っては電話で聞きながら打ち込むなんてこともありました。体制が整っている会社でも、データフォーマットは各社異なりますので、OnGen側で迅速にフォーマットをアジャストさせるための社内フローを構築するのが大変でした。
また、そもそも音楽ダウンロードのとらえ方として、いわゆるブロードバンドコンテンツと音楽ダウンロードコンテンツは性質の違うものだと思っています。その意味で、社内外において「音楽ダウンロード事業は小売業である」というマインドを共有する事にも苦労しましたね。
−確かにどこのサイトさんへ行っても同じような品揃えであったり、同じような価格であったりと、非常に差別化のしづらい商売だと思います。ですから小売業というお言葉が出たと思うんですけれども、差別化を図るための他社との相違点や特徴的な部分、前面に押し出している部分などはございますでしょうか?
下浦:いくつかあります。リアルの店舗でも一緒だと思うんですが、一般に楽曲が全国的に販売されている以上、単純に品揃えによる差別化には限界があるのではないでしょうか。それより、販売している一曲一曲をどれだけ魅力的に見せることができるかがサービス全体の差別化につながると考えています。 無論売れ筋のラインアップをきっちり揃えるのは最低条件ですが、正直な話、10万曲も20万曲もあまり変わらないのではないかと思っています。闇雲に曲を増やし、数の多さをうたうのは、ユーザーが求める本質的な価値からすると違うのではないでしょうか。
我々の戦略では、サービスを魅力的に見せるキーワードは2つあると考えています。
(1)まず1つはたくさんの楽曲の中から求める曲にいかにスムーズにたどり着けるかという検索機能です。機能をとにかく使いやすく、感覚的なものにブラッシュアップしていくことを目指します(注…検索にはキーワード、ジャンル別、洋楽、邦楽、アーティスト別などの検索ができるほか、タイアップ検索というのも存在する。これはテレビ主題歌やドラマ内の曲、ゲーム、映画、コマーシャル等に使われている曲をデータベース内のタイアップ情報から検索できる機能である。また6月からは特集ページ・リコメンドページへのキーワード検索も可能になった)。
(2)次に楽曲のリコメンドの部分。実はこれが一番大切と考えています。一般にアーティストが100人いたとして、通常のライトユーザーの嗜好にマッチし、購買に至るのはそのうち1人から2人程度でしょう。これをいかに3人、4人と増やしていくかが重要で、そのためにはどれだけプッシュ型でユーザーに提案できるかが問題となります。具体的には、80年代から持っているUSENリクエストチャートやOnGenダウンロードランキング等、チャートベースでその時々流行っていたものを掘り起こすという分かりやすい切り口だったり、著名人リコメンドという形で、音楽評論家や音楽専門雑誌の編集長などの方々にリコメンド文やブログを書いてもらいWebマガジン的な展開を行ったりといった企画を展開しています。また、USEN440の番組担当者による「USEN激烈推薦盤」というコーナーや、社内の編集者による月間20〜30本ほどのアーティスト特集、グループ会社のGAGAとコラボレートしたシネマミュージックコーナーなどもあります。
−他社さんとは違う楽曲の仕入ルートがあったり、過去から続く有線放送のデータや知識という資産を有効活用できる立場という2点は他社にないアドバンテージですね。
下浦:企画編集に力を入れている部分においても、音楽に全く関係のない企業の一事業部として音楽配信事業をスタートしたのと違い、幸運なことに、全社的な完全協力体制のもと、がっちりノウハウを持った組織体としてやっていける現実があり、大きな追い風になっています。前述した幅広い展開は、私ども音楽ダウンロードだけをやっている一事業部だけでは、到底成し得なかった事だと思っています。
−今後の展開予定はどうなっていますでしょうか?
下浦:戦略的に進めていくのは、より細やかな小売店機能の実現です。つまり、検索機能のブラッシュアップ、企画のクオリティ&ボリュームアップ、ユーザーインターフェースの明快さ、決済手段の更なる多様化など、ユーザーから見て魅力的で利便性の高い音楽ショップを目指します。特に企画に関しては、ユーザーが、おなかいっぱいでもういらない、という状態になっても、更にどんどん追加していくスタンスであり、「あなたの探している曲、聴きたい曲はこれじゃないですか?」という全方位提案型の店舗造りに力を入れていく予定です。
−本日はありがとうございました。

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