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異性やダンナさんに「今妻」を読ませて「感想は?」
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私が「今妻現象」と呼んでいるのは、この出来事には社会性があるからだ。
心理学や精神医学はもともと私の専門分野のひとつだから、書くのにさほど苦労はしない。だが、自説を実証するための関連データを集めるには時間がかかる。仮説といっても客観的な裏付け(実例)がなければ、タダの空想や思いつきにすぎない。
そこで今年の1月以降、ブログやQ&A掲示板でのやり取りをかたっぱしから読み漁ってみた。グーグルの検索結果を上から順に絨毯爆撃しながら、一方でブログのトラックバックや専門サイトのリンクもせっせとたどっていく。するとたちまちタブブラウザに軽く200くらいのサイトが載っかる。
全体を見渡しながら閲覧したいから、もともと私はタブを複数列表示にしている。ところがタブにサイトが200も載ると、画面自体がほとんど見えなくなってしまう。
しかたないからこの状態のタブブラウザを3〜4枚立ち上げては、毎日チェックしているありさまだ。200サイト×ブラウザ4枚分。おまけに数百サイトの内訳は絶え間なく変わるから、それこそ「昼も夜もない生活」になっている。ドッペルゲンガーを見てしまったせいで、毎日がえらい騒ぎだ。
おかげでタブブラウザが何度もクラッシュしたのには参ったが、天は我を見放さず。とても有益なモデルケースにたくさん出会えた。
「今妻現象」の内側では何が起こっているのか? まず掲示板での出来事をあとから知った人たちが、質問とレスのやり取りを「掲示板とは別の場」にお題として持ち込んでいる。
主婦仲間が紹介しあったり、男性が知り合いの既婚女性たちに読ませて感想を聞いたりしている。
彼らはそれぞれ自分の家庭や友人グループの中で、ひと組の夫婦や人生を生きる仲間としてテーマを論じている。「うちのダンナに読ませようとしたら逃げられた」なんていう笑えるケースもなかにはあるが(いかにもなダンナさんだ)。
また独身者だって自分の中で「自問自答」した人が山のようにいる。
掲示板では回答者たちが問題を考えるユニットだった。だがあの質問はもう仮想空間を飛び出している。リアルの世界でも家庭や友人仲間、「それぞれの内なる自分」という、思考するための第二、第三の単位を派生させた。
いまや「今妻」をテーマに、世の中のあちこちで壮大な規模の「グループ・エンカウンター」(group encounter)が進行しているのだ。
次ページの表2(表2を別ウィンドウで表示)であげるように、グループ・エンカウンターは、グループ・カウンセリングの一種だ。心の問題をもっていない健康な人が率直に語り合い、自分をスケールアップさせるための集まりである。
また実際に家族の問題を抱えた家庭が「今妻」をネタに話し合えば、それは同じ悩みをもつ人が集まるグループ・カウンセリングになる。
では、リアルタイムで進んだ「今妻」のほうはどうなのか? 分析すればするほど質問者や回答者たちの関係性とメンタリティが、カウンセリングの原理にとても近い。ではどんな共通点があるのだろうか? 次はカウンセリングの現場をのぞいてみよう。
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