|
第6回:オープンリレーサーバがあなたにスパムを配達する
2005年1月20日
前回はスパムを送る新種の手口として、「ゾンビPC」が急増している話題を取り上げた。それと同様、スパマーが身元を隠してスパム送信するための温床になっているのが、オープンリレーサーバである。
スパマーはあのテこのテで発信元をつきとめられないよう知恵をしぼる。そんな彼らにとってことのほかおいしいのは、踏み台になってくれる羊サンたちだ。
ゾンビにしろオープンリレーにしろ、スパムの踏み台になるという意味ではどちらも同じである。いまやスパマーご用達の「二大巨頭」と言っても過言ではない。ではオープンリレーサーバとはいったい何か? そしてその悪用の実態とは?
 |
オープンリレーサーバがルートを隠す
 |
| |
あけっぴろげな人間は、友人も多いが敵も作る。インターネットの世界もそれは同じだ。スパマーたちは「悪意はないが知識もない」開かれたサーバを食いものにしている。彼らの食卓にのっているのは、オープンリレーサーバである。
オープンリレーサーバとは、メールの送・受信者が自ドメイン内にいるかどうかに関係なく、メールを転送する設定になっているサーバだ。他ドメインから他ドメインへとメールをリレーしてしまう。多くがサーバの設定ミスである。
ごく一般的なユーザがメールを送信する場合、普通はISPから指定されたSMTPサーバを使う。もしこの状態で真正直にスパムを送ると、サーバに残ったログやメールヘッダの「Received:」行により、送信者を特定することができる。
だが巷に氾濫するオープンリレーサーバを介して第三者中継されると、だれがそのSMTPサーバを使ってスパムを送ったのか、つきとめるのがむずかしくなる。彼らはこのテでスパム規制をすリ抜けるのだ。
おかげで罪を着せられた踏み台のサーバあてにクレームが殺到したり、何万通ものエラーメールが届く、なんていう悲喜劇も起こる。
とはいえ悪用されたサーバは、あながち被害者であるともいえない。スパムに限った話ではないが、自分のセキュリティが甘いためにあっさり踏み台にされたならば、それは「自分も加害者になってしまった」ことを意味する。
一方、「オープンリレー悪者論」に異を唱える専門家もいる。これはひとつにはインターネットは開かれたものであるべきだ、との思想も関係している。
実際、1990年後半から2000年頃までは、ネット上のほとんどのメールサーバがオープンリレーだった。これには確かにメリットもあった。出先にいても簡単にメールを送れることだ。
だがいまではオープンリレーサーバは膨大な量のスパムの巣窟になり、社会問題にまでなっているのである。
|