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◆録音内容のテキスト起こし
さて実際に録音した音を、最後にテキストに起こす必要がある。
こういった作業を自動化できるのが、「音声認識・入力ソフト」だ。「IBM
ViaVoice」や「ドラゴンスピーチ」()といった音声認識・入力ソフトは、認識率も高く、かなりいいらしい。でも筆者は、もっぱら自分で聴いてテキスト起こしをしている。昔ながらの手作業だ。
音声認識・入力ソフトの弱点としては「座談会のように、複数人がしゃべっている場合はうまく書き起こせない」「しゃべっている内容を正確に書き起こすと、かえって読みにくく、結局人間が手を入れないといけない」といった点があげられる。ソフトにまかせて楽チン!というわけにはいかないのね、やっぱり(笑)。でも、これは「録音内容を聴きながら、自分でしゃべり直し、新たにその内容を認識させる」という裏ワザで避けることもできる。手慣れた人だと、このやり方も多いそうだ。
ではなぜ、そういったやり方をしないのかというと、だいたい自分自身が取材に同席しているので、話の内容の骨子や要点を思い出しながら、聴き取りを手入力したほうが早く仕上がるからだ。記事にもよるが、ニュアンスや要点に重点を置いて文章を整理し、話の展開をわかりやすくしたほうが、「本来伝えたかったこと」が正しく伝わる場合が多い。筆者の場合、そこそこタッチタイピングも速く、聞き取り速度に負けずに入力できるのも、こういったソフトに食指が動かない理由でもある。
で、実際の聴き取りだが、自宅でテキスト起こしをするので、スピーカーにつなげて聴く。そのほうが、同席して現場で聴いていたときの気分が再現されるからだ。R-1の再生時用ヘッドフォン端子に、スピーカーを直結して再生するという、ごく普通のやり方だ。
なおR-1はイコライザ内蔵なので、再生時にもかなり強力な音質補正を行える。とくに「For Speech」(声を聴き取りやすく)というプリセットを使うだけでずいぶんと変わる。「Int-Mic
Rec.」(内蔵マイク用に定番マイクの特性をシミュレート)、「Mastering」(音の明瞭化/レベルの均一化)「Noise Reducer」(ホワイト・ノイズやヒス・ノイズをカット)といったインポートファイル処理に使えるものも多数用意されている。もともと、ミュージシャンのスタジオ録音といった用途も想定されているためか、「Tuner」(基準ピッチA4=440Hzの選択したトーンを発音)、「Metronome」(リズムカウント)といったユーティリティも内蔵されているのが、ちょっとお得なキブンだ(使ったことはまだないが)。
ただ、こうしてR-1+スピーカーで聴いても、やはりどうしても聴き取りにくい録音もある。早口だったり、固有名詞が微妙に聴き取れなかったり…。
こういうときは、録音したMP3ファイルをPCに転送、そしてフリーウェアの「おこしやす」を使う。つい最近、後継バージョンの「Okoshiyasu2」が出たばかり。機能的に大きな進化はないが、画面がよりシンプルな新版がオススメだ。
このソフトだが、キーボードによる再生・停止が可能、停止と同時に指定した自動巻き戻しが可能、再生速度・音程の変更が可能と、とにかく“テキスト起こしに特化”したソフトなのだ。ライターやインタビュアーの間では、知る人ぞ知る必携ツールである。
再生速度をいじりながら会話の内容を聞き取り、テキスト起こしを終えれば、記事の完成である。
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| テキスト起こし専用ソフト「Okoshiyasu2」。シンプルイズベストなツールだ |
こういった感じで、メインにR-1、サブにMDプレイヤー、Nano Plusは音楽鑑賞用+緊急用といった体制で、とりあえずプレッシャーからは解放された。
それからというもの、取材時には常にR-1を持ち歩き録音するようにしている。記者会見の取材などだと、写真撮影のカメラマンを兼ねることも多いので、記事執筆時にもう一度発言内容を聴いて、正確に書き起こすというスタイルだ。
「こだわって作った環境」というより、「なんとなく便利なツールを集めていたら、こんな風になっちゃった」というグッズばかりである。なので、もっといいツールや、“そそる”ガジェットが出てきたら、あっさりと乗り換えちゃうかもしれない。でも「明日からこの環境は使っちゃダメ!」と言われたら、とりあえず大いに困る、そんな頼もしい相棒たちなのである。
(冨岡晶@RBB)
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