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米国市場でのスマートフォン・スマートデバイスのトレンドは、先行したBlackberryやTreoの好調による影響であり、全世界で2000万台(2005)、ここ5年以内に1億7千万台のスマートデバイスが登場してくるとの観測も出ている。ところが、このスマートフォン・スマートデバイスの分野は、日本における取組みが大変低調である。日本においては、PDA型端末に通信機能があろうがなかろうが、処理能力の高いPCと手軽な携帯電話に挟まれ、需要が縮退している。携帯電話オペレータも端末ベンダも、コンシューマ層に対するサービス向上を第一に考慮して携帯電話機を検討しているためだ。
それに比べて、米国ではエンタープライズ市場が堅調で、中小企業だけでなく、大企業においてもモバイル端末の使用が顕在化しており、携帯電話のオペレータも、その需要に対するスマートフォン・スマートデバイスを相次いで新機種として投入したため、まるで百花繚乱の如しである。今後のスマートフォン・スマートデバイスをめぐる両国での取り組みの違いが何を生み出してくるかは注目に値するだろう。
■北米のコンシューマ向け携帯電話端末はどうか
米国でのコンシューマ層に対する携帯電話サービスにも日米の文化の違いが現れている。簡単に言うと、日本のキャリアと端末ベンダは、一般コンシューマに受け入れられるサービス・端末仕様・デザインなどの競争に躍起になっている。ところが米国のキャリアはいろいろと台所事情が異なっていて、合併により動きが鈍っているシンギュラーや、ドミナントキャリアであるVerizon Wirelessは、多彩なニーズを持つコンシューマ向けのサービスまでなかなか手がまわらないのが現状である。
そこで、登場してくるのがMVNO(仮想移動体通信事業者)である。たとえばVirgin mobileやBoost mobileなどは、主に若者向けにサービスをおこなっており、それぞれ300万加入、200万加入程度の顧客を抱えている。彼らはスプリント網を利用しながら自社ブランドで携帯電話を作り、独自のサービスを提供して、それぞれチャネルに特化したマーケティング活動によりユーザを獲得している。
Virgin mobileの「SNAPPER」はUTスターコム社製で、AOLのインスタントメッセージに対応していて内蔵カメラで撮った写真もやりとり可能、流行に敏感な若者をターゲットとした携帯電話である。Virgin
mobileにはゲーム用パッドを付けてゲームを楽しむこともできる京セラ製の携帯電話端末もある。
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| 図3 Virgin mobileブランドの携帯電話SNAPPER(UT-Starcom社製CDM-8915)とゲームパッド付の京セラ製端末 |
大手キャリアの一つ、スプリント・ネクステルがMVNOに積極的に門戸を開いていることもあり、MVNOへの新規参入は後を絶たない。2006年2月5日のスーパボウルからスプリントのEVDO網を使ってサービスを開始するMobile
ESPNは、スポーツファンのためにESPNチャネルがワンタッチで見られるような工夫を施した自社ブランドの携帯電話(Sanyo
MVP)を発売する。他にもコムキャスト、タイムワーナーなどのCATV業者もMVNOによる携帯電話事業への参入を計画しているし、ニーマンマーカス(富裕層を対象としたデパート)もMVNOを検討中である。
こうした状況の中、Amp’d mobileが、若者をターゲットとして2005年12月から市場に参入する。大手キャリアVerizon WirelessのEVDO網をMVNOによって利用、マルチメディアサービスを展開する計画だ。端末は当初、京セラ製のスライド式のものと、モトローラ製の携帯電話の2機種を発売予定で、それぞれ95ドル、180ドル程度と思われる。
このように米国の携帯電話市場は、日本とまったく異なる独自の発展をしつつある。しかしその基本となる技術には、高速伝送技術、ブラウザ技術、画像圧縮、配信技術、著作権管理など底流には共通性もある。日米ともに、それぞれの国民性にあった使い勝手のよい機器やサービスを提供していく企業が勝者になるという原則は同じなのだろう。これからの市場動向に注目してゆきたい。
■北米市場は新型「ケータイ」を受け入れるのか
米国の携帯電話動向は、この1年で大きく様変わりした。
「最近、カメラ付ではない携帯電話を持っている人みかけないねぇ」
「ほとんどカメラ付携帯をもっているわね」
カリフォルニア州のフリーウェイ101を車で走っていると、ラジオからそんな言葉が耳に飛び込んでくる。カメラ付携帯だけでなく、シンギュラーワイヤレスからはiTune携帯といわれているモトローラ社製ROKRが発売され、携帯上での音楽のダウンロードサービスも始まろうとしている。そこで、米国の携帯電話事情の実態を見るため、パロアルト市のとあるケータイショップに立ち寄ってみた。このショップは、スタンフォード大学にほど近い。
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| 図4 パロアルトの街角にあるスプリントPCSショップ |
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