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 Linuxベース専用サーバなども展示〜GDC2004に見る潮流(5)
 

 最後にエキスポ内で見た注目のネットゲームソリューションについても触れておこう。

 一番興味深かったのは、オーストラリアのMicro Forte社によるMMO用サーバ/クライアントソフト「BigWorld」である。これはMMOタイプのゲーム開発に必須の、サーバ&ネットワーク管理と、実際のゲーム部分を作り込む統合3Dゲーム開発環境をセットにしたソフトで、極端な言い方をすればこれ1本とPCが1台あればMMOゲームが作れてしまうという、「プロ用MMOゲームツクール」である。

 システムはLinuxベースだが、PCおよびXbox上でのゲーム開発に使用できる。特に優れているのがサーバを分散管理するシステム。通常のMMOタイプのゲームでは複数のサーバが独自に異なるゲームワールドを管理しているが、BigWorldでは複数のサーバ間で1つの仮想的なゲームワールドを設定し、遙かに巨大な規模のゲーム世界とユーザを管理できる点だ(担当者によると一度に管理できるサーバ台数は「理論的には無制限」だという)。

BigWorldのサーバ管理画面。フィールド全体が青い線で区切られ、2つのサーバに分割されている。青い丸はプレイヤーキャラクター

 また、あるサーバに負荷がかかると、リアルタイムで他のサーバに負荷が分散されるという仕組みで、ゲームワールドとノード(プレイヤーキャラクタ)の動きがモニター上で実際に視認できる(デモでは2台のサーバで1つのワールドが形成されていたが、試みに1台のサーバのLANケーブルを手で抜いてもらったところ、瞬時に残りのサーバがワールド全体を統括する様が視認できた)。

 クライアントツール側もマップツールやモデリング、アニメーション、テクスチャー、天候制御、LODなど基本的な機能は備わっており、低コストでオンラインゲーム開発が行える。ライセンス企業の中にはMicrosoftも含まれているとのことで、ブースではXbox上で動くMMO“FPS”のプレイアブルデモ(3台のXboxで対戦可能)が紹介されていた(「BigWorld」は国内ではソリッドネットワークスが代理店として営業を行っている)。

Xbox版MMO“FPS”のプレイアブルデモ光景

 総括
 

 以上駆け足で回ってきたが、オンライン系の情報で目玉はなかったものの、GDC自体の価値は以前にも増して高まってきているというのが正直な感想である。付け加えるなら韓国・中国系の開発者によるセッションが見られなかったのが残念だった、というところだろうか(アジアからの一般参加者は去年以上に多かったように思えるが)。

 来年は会場をサンフランシスコに移して開催されるとのことで、アジア圏からの交通アクセスもさらに良くなる。来年はぜひとも、より多くの日本人開発者に訪れてほしいと思う次第だ。

(小野憲史)

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