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ITU TELECOM WORLD 2003の正しい見方
〜様変わりするグローバル情報通信業界の勢力図〜
2003年12月9日
約2ヶ月前、7日間にわたり『ITU
TELECOM WORLD 2003』(2003年10月12日〜18日)がスイス・ジュネーブで開催された。いまだ続く通信市場の低迷に加えて、新技術やサービスの発表が少なかったことから、いまひとつ盛り上がりに欠けたといわれているが、4年に1度開催されるこの“通信のオリンピック”は、実は通信業界の今後の姿そのものを現していたと筆者は考えている。
主だった展示内容は他の多くのレポートに譲るとして、あまり紹介されていない内容を中心に、いま一度TELECOM 2003を概観し、この重要な展示会が意味するところを考えてみたい。
■過去のTELECOMを振り返る
通信といえば、かつては電話と、その発展形であるISDNや基本的に同じ思想で作られたATMが主役であった。事実、1990年代前半までのTELECOMは、各国の国営通信事業者や通信機器メーカーが旬の技術の開発成果を競う、まさに「通信のオリンピック」であった。
そして、前回のTELECOMは1999年に開催された。この時期は、通信市場の拡大と要素技術の発展が同時に起きた「特異な時期」であった。当時は、先進国でインターネットと携帯電話の普及が同時に起きており、特に象徴的な出来事として、データ通信(当時はこう呼ばれた)のトラフィックが音声を上回る時期に差し掛かっていた。そのため、新しい時代が来ることをだれでも容易に実感できる時代であった。また、旺盛な通信サービスへの需要に応える新たな要素技術が揃っており、次世代の通信に対する期待が非常に膨らんだ時期でもあった。いま、当時の状況を振り返ると、「通信バブル」は必然であったかもしれない。ちなみに当時の話題を思いつくままに列挙してみると以下のようになる。「速い」「大きい」「統合化」という、非常に分かりやすいキーワードが並んでいる。
これらがその後どのようになったかは、皆様よくご存知だと思うが、おおむねこの4年間の間に現実のものとなった(時期の差はあったが)。ただしビジネスの面では、過度な期待から生まれた過剰な設備と強烈な価格競争が、キャリアとメーカーを苦しめている。なお、進みすぎたDWDM技術が生んだ過剰なバックボーン帯域と、市場が確立しなかったテラビットルータ、Ethernetスイッチへのシフトは、予想外の出来事だったといえるだろう。
■なぜ盛り上がりに欠けたのか?
今回のTELECOMのテーマは、「ブロードバンド」と「モバイル」といわれていた。確かにxDSLからFTTHへの移行が見えてきたブロードバンドアクセスは注目であるが、xDSL、FTTHともに技術的にもビジネス的にも成熟しており、本質的な話題は少ない。モバイルについては、3Gの普及がようやく視野に入ってきており、それに付随して3G端末の商品性の向上が進んでいる。しかし、デュアルモード化、多機能化などの話題はあるものの、相対的に話題が多いだけであり、本質的な変化が起きているわけではない。
つまり総合的に見て、新技術が小粒化しているために、商品企画の知恵を争っているのが現状であり、1999年のように、大きな市場の変化や、競争の枠組みを一変させるような新技術が市場をにぎわしている状況ではない。このような状況で1999年当時のような盛り上がりを期待するのは無理であろう。
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