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日米の違いで見るSUPERCOMM2003 〜ビジネスモデルの検討が進む公衆無線LANサービス〜
−2003年6月1日〜5日(米国時間)−
米国時間の2003年6月1〜5日、米アトランタ(ジョージア州)では5日間にわたって通信事業者向け通信システムの展示会「SUPERCOMM2003」が開催された。すでに展示内容や講演については各メディアで十分に報道されているので、ここでは特に注目度の高い領域について日本国内の状況と比較しながらレポートする。
 | | 米アトランタで開催されたSUPERCOMM2003(会場風景) |
■攻めに入った米国のテレコム市場
ネットワーク機能のアウトソーシング化と開放
いまだテレコム市場の回復の兆しは見えないが、各社は攻めの戦略を打ち出し始めた。そのポイントとなるのがエンタープライズ市場の掘り下げである。市場の復活に向けて、まずはエンタープライズ市場を活性化すべく多くの企業が、ユーザ利益を最優先にサービスの改善を図ろうとしているのだ。ついに本気で技術中心の世界からの脱却を目指そうとしているようだ。
AT&TのChairman兼CEOであるDavid W.Dorman氏が基調講演で述べたように、サービスの受注から実際に提供するまでの時間を劇的に短縮しようという試みはそのひとつの例だ。同社ではこのため、いわゆる「自己最適化型」のネットワークを実現しようとしている。
大きな流れとしてはブロードバンド&モバイルの発展によるネットワーク機能のアウトソーシング化、エンタープライズネットワークの開放の必要性が各社から繰り返し強調されていた。このあたりは日本国内の状況とそれほど大差がない。一方、米国で特に注目される課題として浮上しているのがネットワークの「回復力」である。ネットワークの「回復力」とは、災害が発生した場合にもビジネスを停滞させない機能のことだ。これが重要な機能として挙げられていたことが印象的に残った。
■無線LANサービスは普及段階
ビジネスモデルの検討が進む公衆無線LANサービス
日本もそうだが、北米においても無線LANサービスは完全にメインストリーム市場へと発展、普及段階に入った。当然、成長市場に対する注目度は非常に高い。おもしろいのは無線LANの代名詞として「Wi-Fi」という言葉が使われていることだ。響きが新しく、いわゆる「いいたくなる言葉」なのであろう。ちなみに無線LANを使った携帯電話型のVoIP端末は「Wi-Fi Phone」と呼ぶ。
公衆無線LANサービス、いわゆるホットスポットサービスはどうだろうか? これについてはビジネスモデルの検討が進んでいる段階である。公衆無線LANサービスの提供地(Venue)の開拓と構築・管理を行うWISP(Wireless ISP、「ウィスプ」と発音する)、各WISPを接続しローミングを実現するクリアリングハウスもしくはアグリゲータが定義されている。また、ユーザへの販売についてはISPもしくは携帯電話のオペレータに任せるという現実的なモデルも、カナダのSpotnik Mobileから提案されていた。
これは国内におけるADSLサービスの販売形態と似ており、実現性が高いように思われる。確かに、まだまだサービスエリアが限られる公衆無線LANサービスを単体で販売するのは無理がある。通常のインターネットサービスの補完的な付加サービスとしてスタートしたほうが、ビジネスとしては無難だということなのだろう。
具体的な製品で最も興味深かったのはVivatoの「Wi-Fi Switch」である(写真1)。Wi-Fi Switchには、約1m四方の板状の製品に128個のアンテナ(位相配列)が埋め込まれており、同時に3チャネルの指向性の高い電波を100度の範囲で発生することができる。さらに、アンテナがクライアントの位置を自動的に検出するので、パケットごとに指向性を切り替えて通信することもできる。もちろん、クライアント側は通常の無線LANカードで利用できる。
Wi-Fi Switchは、この強力な指向性を持つアンテナによって、1枚でインドア用モデルであれば約300m、アウトドア用モデルであれば約4km(室内に向けて使用する場合は約1km)までの範囲をカバーする。本体内部には、無線LANのセキュリティを確保するうえで必要な機能が一通り内蔵されているため、これひとつで簡単にかつ低コストで、相当広いエリアの公衆無線LANサービスを構築できるのである。日本国内での使用には問題もあるようだが、このような「骨太」な製品の提案が出て来るあたりに米国の底力を感じた。
 | | 写真1:Vivatoが出展した「Wi-Fi Switch」。屋外で約4kmまでカバーできる |
一方、無線LANのセキュリティについては、WEPの脆弱性は解決されたものの、より重要な問題として新たに「デフォルト設定問題」が示された。デフォルト設定問題とは、アクセスポイントが標準で搭載しているセキュリティ機能が、その高機能ゆえに一般ユーザには手に負えず、まったく使われてないという問題だ。実際、7割ものアクセスポイントがデフォルト設定のまま使用されているというデータが示された。つまり現実的には、セキュリティ対策は何ら解決されていないといえるだろう。WPA対応のアクセスポイントでは、この問題が早期に解決されることが期待されていた。
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