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IP Network Technology & Solution Meeting

ワークショップB-1
広域LANサービスによる基幹業務システムの再構築とその技術


松岡美樹
RBB TODAY 編集部
(取材協力:アットマーク・アイティ 編集局
講師:MCIワールドコム・ジャパン 小澤 剛氏


 広域LANは、従来の専用線やフレーム・リレーに代わる新しい企業ネットワークのあり方として登場してきたサービスだ。そのため、現状、企業が自社ネットワークをリフォームする際にチョイスする選択肢の1つとして、IP-VPNなどと並び「お品書き」に上がることも多い。

 そこで今回は、2002年1月31日に開催された「IP Network Technology & Solution Meeting」(主催:インターネット総合研究所RBB TODAYアットマーク・アイティ)のイベント・レポート第5弾として、ワークショップB-1「広域LANサービスによる基幹業務システムの再構築とその技術」(講師:MCIワールドコム・ジャパン マーケティング部 小澤剛氏)で語られた内容を要約し、広域LANが台頭してきた背景や導入することによるメリット、またそれによって基幹業務がどう変わるのかを軸にお送りしよう。


広域LANが登場した時代的背景とは?

 講演の中で小澤氏はまず「広域LAN登場以前」の企業ネットワークの形態と、その問題点に触れ、コスト削減などのマーケット・ニーズに応える形で広域LANが台頭してきた時代的背景について述べた。

「従来の企業ネットワークは、フレーム・リレーや専用線でのネットワーク構成が一般的でした。つまり基本的にはOne-to-One接続の延長になります。そして、これをできるだけAny-to-Any接続に近い構成にしたいときには、それだけパスやPVC(Permanent Virtual Circuit)の数も増え、どんどんコストがかさんでいく。また距離が伸びるに従い、料金も高くなる。ですから、例えば帯域をアップグレードしたい、あるいは接続拠点を増やしたいという場合には、どんどんコストがかさむ構造になっていました。これらのことから、特に拠点数を多く持つ企業やこれから拠点を増やしていきたい企業を中心に、『品質はこれほど高くなくていいから、もっとコスト的に見合うソリューションはないのか?』との声が出てきました」

 そしてターニング・ポイントになったのが「1999年」だと小澤氏は分析する。この1999年とは、広域LANサービスの老舗であるクロスウェイブ・コミュニケーションズ(CWC)がサービスをスタートさせた年である。また当時は、企業間の受発注や見積もりなどの企業間取引をデジタル化し、ネットワークでやりとりするEDI(Electric Data Interchange:電子データ交換)の必要性から、特に企業間接続にスポットライトが当たっていた時期でもある(図1)。

 エクストラネットの台頭
  企業内イントラネットだけでなく、企業間接続も重要に
WebベースERPなどのパッケージ・ソフトの増加
ASPや、アウトソースといった概念の一般化
 IP-VPNが代替ソリューションとして急浮上
  MPLSベースで、閉域網内でのAny-to-Any接続が容易に。ゲートウェイを通してインターネット接続も
回線のアップグレード、追加、構成変更が容易に
いたずらにフレーム・リレー網を拡張していくのに見切りをつけた企業からリプレースを検討
図1 1999年:ターニングポイントとなった年

「フレーム・リレーの市場がピークを迎えたのは、1995年から1998年にかけてでした。その次にきた1999年には、エクストラネットが台頭してきた。その背景には、特にEDIなどの関係で企業間接続が非常に重要になってきたことがあります。またASPやアウトソースという概念や言葉が出始めたのが1999年で、このあたりから徐々に転換期を迎えたといえます」

 そしてもう1つエポック・メイキングな出来事だったのは、1999年以降にIP-VPNがフレーム・リレーの代替ソリューションとして台頭してきたことだ。IP-VPNは伝送プロトコルをIPに限定し拠点間をつなぐ、レイヤ3のWANサービスである。遠い拠点とはルータを介在させてLAN接続し、各地の拠点をメッシュ型のネットワーク構成で結べる。

MPLS(Multi Protocol Label Switching)をベースにしたIP-VPNは閉域網内でAny-to-Any接続ができ、それに伴いアップグレードなども既存の網にくらべて容易です。ほかにも距離に料金が依存しない点や運用管理が非常に簡単なことから、このままいたずらにフレーム・リレー網を拡張していくよりも、IP-VPNなら帯域も増やせてコスト的にも安く抑えられるんじゃないか? という期待が生まれた。こうしてIP-VPNというソリューションが出てきたわけです」

 では実際のところ、IP-VPNに移行してみてどうだったのか? ネットワークはスリム化できたし、運用管理面でも期待以上の効果があった。またパフォーマンスに関しても、IP-VPNはフレーム・リレーに優るとも劣らないできだった。だが大きな期待を集めていた「コスト面」では、IP-VPNは必ずしも市場のニーズに応えるものではなかったと小澤氏は指摘する。

「コスト面に関しては意外に安く上がらない、あるいはむしろ割高になるケースもありました。確かにIP-VPNは、アーキテクチャ自体は割安にできるように設計されています。ただ当時の時代背景として、デジタル専用線やATM(非同期転送モード)ベースの回線を使わなければならず、ここでコストに差が出てしまった。例えば距離的に短いような構成なら、フレーム・リレーのほうが安いケースもあります」

 となるとマーケット・ニーズとしては、「もっと広帯域のアクセスを、安価に提供してくれるようなものはないのか?」となる。さらなる代替ソリューションが求められたわけだ。そこで広域LANに注目が集まったわけである。




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