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■IP-VPNを実現する「MPLS」とは?
MPLSとは、IPパケットの転送(ルーティング)を実現する方式の1つである。通常、ルーティングといえば、IPアドレスにもとづき「ルータ」が経路選択(パケット・ルーティング)を行っているが、MPLSでは、IPパケットに付加された「ラベル」にもとづきルータやスイッチが経路選択(ラベル・パス)を行っている。
●MPLSの特徴
MPLSの本来の狙いは、高速なIPスイッチングを行うことにあった。数年前のルータでは処理性能が低く、それを補うべく、当時高速スイッチングで定評のあったATMの技術を取り入れたのが始まりだ。だが現在では、パケット・ルーティングのハードウェア化でATMによる高速化の必要性が薄れたほか、IPトラフィックの増加により、ATMスイッチではなくルータでネットワークを作るほうが効率的となった。そのため、MPLSは高速性以外の応用部分で注目されることとなった。
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(1)
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経路制御(Traffic Engineeringを含む):経路管理をルータで一元化 |
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(2)
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品質制御:グレード別に信頼性を確保 |
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VPNへの応用:暗号に頼らない強固なセキュリティの実現 |
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| 表2 MPLS技術の応用例 |
講演の中で池尻氏は、MPLS採用のメリットを3つあげた。1つは、マルチプロトコルへの対応。ATMやFR、イーサネットなどレイヤ2の伝送媒体のほか、IPv4/IPv6やIPXなどレイヤ3のプロトコルを広くサポートすることだ。2つ目としては、ATMネットワークでの自動VP/VC設定機能などをMPLSベースでさらに発展させることで、ATM事業者にとってメリットとなる例を、3つ目には、ネットワークを全面IP化したさいの課題であるトラフィック制御やVPN実現などをあげた。
●MPLSの仕組み
通常のIPネットワークでは、IPパケットに記されたIPアドレスと経路情報を基に、ルータがパケットのフォワーディングを行っている。MPLSのネットワークでは、LSR(Label
Switching Router)と呼ばれる機器が、パケットに記されたラベルを基にフォワーディングを行っている。このさいの経路は「ラベル・パス」と呼ばれるが、これはどのように決定されているのだろうか?
まずは、OSPFなどのIGPを用いてルータ(LSR)同士で経路情報の交換を行う。ここまでは、通常のルータと同じだ。次に、各LSRで経路選択に使用するラベルをルーティング・テーブルに対応させつつ独自に決定する。ここで決定したラベルは、LDP(Label
Distribution Protocol)などのプロトコルを用いて隣のLSRに通知する。これを繰り返すことで、ラベル・パスが形成される。ここでの特徴は、ラベルの値はLSRでユニークであるがホップごとに異なっていること、ラベル・パスはネットワーク形成時に決定し、以後は変更があるまでそのまま、ということである。
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| 図1 BGP/MPLS-VPNにおける経路情報のやりとりの様子(スライドをクリックすると拡大表示します) |
MPLSにおけるパケットへのラベル付けでは、レイヤ2ヘッダとレイヤ3ヘッダの間に「シム・ヘッダ(Shim Header)」と呼ばれるヘッダが挿入される形になる。ここにラベル情報などが含まれるほか、2つ以上のラベルを挿入することも可能である。
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