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――他の産業への波及についてはどうですか
確実に追いかけるのはコンテンツ配信、つまり放送系です。バリューそのものがネットワークのなかを通ってくるわけですから。今まではちゃんと品質を保証して通せなかったわけですよね。ハイビジョンなんかは運がよければ通るかもしれないし、エリアにも左右されていました。まずそこをクリアしていきましょう、ということで放送分のお金が載ってきます。他に、ビデオ配信、チケット系の予約、教育、セキュリティー、自動車の位置情報といったところまでは確実にのかってくるだろうと思います。
――ただ、そのような分野はすでに現在のネットに載っていると言ってもよいのではないでしょうか?
その通りです。ただし、たとえば今コマースをやろうとしたときに、決済の機能はいちいち契約しなきゃいけないわけです。ある人はウェブマネー、ある人はクレジットカード、といった具合に手続きはいろいろありますし、手数料もさまざまです。裏をかえせば選択肢がいろいろあるかもしれないんですが、すべてを均一にコントロールし、サービスのクオリティーを揃え、検索、決済、課金といったコンポーネットをちゃんと標準化して、短い期間で余計な手間かけないで実現するのはなかなか難しいですよね。そういう難しさを基本的に無くしていくことが重要です。これは、NGNでいうとサービスデリバリープラットフォームの議論になります。要は改めて通信がいろんなサービスに使えることがわかってきた以上、昔の通話だけじゃなくて、EC、決済、位置情報、安全、といったような多様なサービスをある程度受け止め、べンダーがいちいちゼロから開発しなくてもいいような仕組みで提供していこうということです。そうしていかないと通信事業者側も儲からないですね。
――IDの話がでましたが、一番早く盛り上がりそう、実現しそうなのは?
現実に盛り上がっているのは携帯電話、決済系ですけよね。これはNGNが登場する前から存在しています。Suicaの普及速度を見ていても、いわゆるカードにチケット・電子マネー系の要素が搭載されるものは結構な勢いで進んでいきます。我々は2010年に1000万程度の加入があっても何の不思議もないと予想しています。ですから、まずサービスの入り口でID系が搭載されるのは、そこだろうと考えます。それ以外にどんなID系があるのか考えてみると、パソコンやテレビが挙げられます。家電メーカーがテレビにIDを入れ、ショッピング専用ポータルサイトを作る議論をしてます。これはNGNと言ってませんが、実はNGNとバッティングするか、もしくは棲み分けるかという構想にあります。要するに、NGNという仕組みを作って、NGNのなかに位置づいてくれるのか、NGNと関係なく自分たちでやっていくものにするか? 仕組みは違うかもしれませんが、目指すところは同じですね。あとは、電力も考えられます。今回のNGNの議論で多くの通信事業者は家電に期待されている。なかでもテレビやゲーム、ほかにはセキュリティー部分ですね。電力事業者は顧客のIDを持ってますが、電力系のIDを管理しているようなもので、その電力がどう使われているかというのは関係ないわけです。ある程度たまった後、それをお金に換算しているだけです。でも電力メーターを見ればその家の状況がある程度わかるわけです。つまり、本来かかるはずのない時に負荷がかかったとしたら、怪しい人が進入してるんじゃないかとか?ポットに電気をいれたかどうかで、おじいさんやおばあさんが大丈夫かが分かるとか。また、人が便座にすわっているかどうかを監視するとか。要は電気というのは家庭のなかの利用形態シーン、セキュリティーというものと結構連動してるんですね。このへんは次のNGNのなかの取り込んでいく構図になります。電力は無視できないと思います。
――家電系に関してはなかなか進んでいる感じがしないのですが
やらなければいけない時期がきてると思います。白物家電は元禄だなと言われていますがマーケットが方向性を失っているんです。つまり限界にきているんです。白物家電の更新期というのは、実はここ1〜2年が山なんです。裏を返すとあと2〜3年すると白物系の需要は下がります。テレビも下がると思いますよ。世界マーケットの予測をすると2010年超えても延びますが、日本マーケットは世界に比べて2年くらい早いんです。北京オリンピック需要があるとしても、我々は2008〜2009年くらいに、国内需要は確実に足踏み状態になると考えています。とすると、メーカーは何を考えるかというと、頑張って新製品をつくらなけれいけないんですが、現実問題として家庭内のネットワークにアクセルを踏まなければいかなくなるんです。テレビは綺麗というだけではなく、コンテンツを流し込んでもっと使ってもらう、買い換えてもらう、あるいはレベニューを上げるということをやらざるをえません。今はまさに企画の大本命の時期で、これから12年経つと加速されるだろうと思います。
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