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のんびりホビーライフ:USB真空管アンプキットであそぶ(2/5)
永島智二
USBで接続するオーディオ出力の装置で、入手が容易なキットというのはあまり存在しません。ここで紹介するVICS社(http://www.vics.co.jp/)が出しているデジタルオーディオキット 3,129円がほぼ唯一といっても良いくらいでしょう。通販で有名な若松通商などでも取り扱っており(ただし3,780円と価格は異なってきます)こちらのほうが入手しやすいかもしれません。
このキットは、40×70mmというサイズの基板に、USBインターフェイスおよびデジタル―アナログ変換機能を持った、TI(バーブラウン社)製のPCM2704というICと、出力をドライブするためのオペアンプの2チップを搭載した、とても簡単なキットです。しかし、中身が単純でも性能はなかなかの物で、「ある程度の音質を安価で欲しい人にはお勧め」「音にこだわりのあるPCユーザーに人気」など、インターネットで評判が浸透している様子が覗えます(私は耳に自信が無いので何とも断言できませんが)。
PCM2704は、SE以降のWindowsが標準で持っているデバイスドライバを利用するので、インストールも特に難しいことはありません。またPCM2704は足の間隔が0.65mmと非常に狭いのですが、このICだけは基板に半田付けされた状態で届くので安心です。
このキットは、USBのバスパワーで駆動されるので、単体で使用する場合には外部電源が不要で、とても便利に出来ています。なお、後にアンプを接続することを前提に設計されているため、出力段のオペアンプは32Ωなどのヘッドホーンをドライブするには多少無理がありますが、出力部のコンデンサを大きめ(100μF前後)のものに代えてやれば、ヘッドホーンアンプとして利用することも出来ます。
PCM2704自体は、S/PDIF出力を持っていたり、ボリュームやミュート用のスイッチを接続できるようになっていますが、残念ながらこのキットには、それらを接続するための配線パターンは用意されていません。ICの足に直接半田付けするテクニックを持っていれば、改造してそれらの機能を実験することも出来るでしょう。
USBオーディオキット(VICS製)のキット内容。デジタル回路らしく部品はみんな小さい。フラットパッケージのICは半田付けされているので、特殊な半田ごてがなくても安心だ。
部品点数も全部で40点足らずなので、それほど難しい工作ではありません。組立説明書は明快に書かれてはいますが、誰でも作れるエレキットのように懇切丁寧に説明されているわけではなく、秋月電子のキットのように必要事項のみが羅列されていると思ってください。したがって、実際の製作にかかる前に十分説明に目を通し、疑問の点が全く無いようにしてから作らないと、途中で判らなくなってしまいます。全くの初心者向けとは言えません。ただし、必要な情報は全て記載されているので、何度か電気工作をしたことがあるのなら、じっくりと取り組めば大丈夫です。パーツは細かいので、20W程度の半田ごてと、0.6mmや0.8mmの半田を利用すると上手く出来ます。
プリント基板にパーツを装着するには、部品表にある部品番号を基に特定のパーツ探し出し、さらに部品番号をたよりに部品実装図上で装着位置を探さないとなりません。2つの図表の対応関係を確認しながらパーツを特定し、さらに実装位置を探すのはなかなか手間のかかる作業です。ひとつひとつのパーツがごく小さいので、抵抗のカラーコードやコンデンサに書かれた数字も極端に小さく、判読しにくいものになっています。したがって、半田付け作業の前に、全てのパーツを分類し、A4の用紙にテープで止め、パーツの値と部品番号を書き込んでおくのが良いでしょう。
カラーコードはかなり読みにくいが、付属の部品表の本数などをたよりに判別しよう。あるいは精度が1%なので、マルチテスターで測ってもよい。
パーツは基本的に部品表の上にある物から半田付けすれば良いようになっています。ただし、円筒形の電解コンデンサは他の部品よりも背が高いので、一番最後に作業すると楽かもしれません。
基板は両面基板のスルーホール仕上げなので、思ったよりも多量の半田を吸い込みます。基板の表面側まで半田が行き渡るよう、十分な量の半田を使いガッチリと固定して下さい。スルーホール基板では、一度半田付けしたパーツを取り外す作業は、プリントパターンを剥がしてしまう危険があり、以外と厄介な作業になります。パーツを取り外すはめにならないよう、装着するパーツは十分に確認して間違わないように士て下さい。
なお、後述するように、パーツを高いグレードの物に交換するなど、キットを改造する予定がある場合は、少な目の半田で固定するように心がけて下さい。
このキットは調整個所などは全くありません。正しい位置に、正しいパーツを半田付けさえ出来れば完成です。既に起動しているパソコンに、完成した基板をUSBケーブルで接続すれば、自動的にドライバのインストールが行われます。Windows XPでは、何もキー操作を行わず、見ているだけでインストール作業は完了します。Windows 98SEでは、ダイアログボックスが何度か表示されるので、付属の説明書に従い何度かマウスをクリックする必要があります(私の場合、説明書に書かれていないWindows 98SEのCD-ROMを挿入するよう要求されました)。
動作を確認するには、出力端子にヘッドホーンを繋いで試すと良いでしょう。但し、。キットに含まれている出力部のコンデンサは容量が小さいので、そのままでは全く低音が出力されませんが、それで正常ですのでがっかりしないで下さい。
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