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市原達也「プロカメラマン市原達也の デジタル一眼コスプレ&モデル撮影テクニック」
第5回:スタジオを利用してみよう
2006年12月27日
コスプレなどの撮影の場合、衣裳によってはちょっと屋外で撮影しにくいものもあるだろう。そんなときにはレンタルスタジオを借りてみよう。屋外とはちょっと異なるテクニックが必要だが、これまでとは違った写真が撮れるはずだ。
これまでは屋外での人物撮影について紹介してきたが、今回は屋内で撮影する方法を紹介しよう。屋内での撮影は、自分の家でも可能だができればスタジオを借りるとよい。
屋内での撮影で求められるのは、おもに広さと壁の色、そして、天井の高さとなる。部屋の広さは左右に壁が写ってしまったり、全身を撮るためにある程度被写体と距離が必要となる。
壁の色は白が理想だ。壁に色があると、撮影時にその色が被写体に写ってしまうためだ。撮影時に白い紙や布を壁にはったり、被写体と十分な距離(3メートル程度)が取れればよいが、それも面倒だったり難しかったりするので白い壁なら手間が少なくなる。
天井の高さは人物撮影では3メートルはないと厳しいだろう。一般的な家の天井は2.5〜2.8メートル程度なので、マンションや自宅での撮影はある程度アングルに制限が出きてしまう。
もしも自宅が撮影に適していないのなら、レンタルスタジオを借りてみよう。以前は撮影スタジオというと、プロカメラマン向けがほとんどで、一般の人には貸していないところも多かった。しかし、最近ではコスプレイヤーの人が撮影場所を求めていることやデジタルカメラの普及でカメラに興味を持つ人が増えたこともあり、撮影会で使っているスタジオを平日貸してくれたり、一般向け専用のレンタルスタジオが都市部を中心に増えている。
今回は11月にオープンしたばかりのスタジオ「あますた」を使って撮影を行った。ワンルームマンションを改装してあり、広さはそれほどはないが、ホリゾンが併設されているのが特徴だ。ホリゾンとは壁と床の境目が分かりにくいように丸みを帯びたセットである。あますたではさらに天井と壁にもホリゾンを施すことで、見上げるようなアングルで撮影しても違和感なく撮影できる。
今回のモデルはSlash Gamesではお馴染み、エヌ・シー・ジャパンのリネージュガール「南斗愛美」さんにリネージュII エルフの衣裳でお願いした。
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| あますたのスタジオ。右にあるのがホリゾンだ。モデルさんとの距離が近いが、全身を撮影することもできる。右手前にはキッチンがあり、後ろにはユニットバスがある |
あますたのユニットバス。メイクルームとして使用することになりそう |
スタジオは大きく分けてホリゾンを備えたスタジオとハウススタジオがある。ホリゾンを備えたスタジオはたいていセットなどはなく、ホリゾンを使うか、その前にセットを作って撮影を行う。多くは天井も広く、幅広いライティングが可能である。
ハウススタジオは家やマンションなどをそのままスタジオとして貸しているものだ。たいていは家具類もあるので、屋内での雰囲気で撮影する場合は、セットを組む時間やお金を省略できる。一般の人向けに貸しているスタジオではハウススタジオとホリゾンスタジオを組み合わせたような、どちらの撮影にも利用できるところが多い。
最初にどんな撮影をするかを考えておくようにしよう。ホリゾンは基本的に白色なので、ホリゾンを使うなら白い背景で撮ることになる。一般的にはこれで問題ないだろう。背景に色つきの紙や布をたらすことで背景色を変えることもできるが、それはいずれ紹介しよう。
また、自宅にいるような雰囲気で撮りたいのなら家具や窓のあるスタジオが便利だ。中には教室をイメージしたセットのあるスタジオもある。こういった場所を使用する際は、どんな家具があるか、モデルさんの衣裳と合うかなども考えておくとよい。
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| ホリゾンは床と壁の境が写らないよう丸めてある。一般的には白で、使用料がかかる場合もある。白は汚れやすく、清掃や色の塗り直しが必要なためだ |
一般向けのレンタルスタジオはたいていホームページがあるので検索サービスなどで探してみるとよいだろう。料金はプロ用のハウススタジオで3時間3万円くらいから。ホリゾンスタジオではストロボなどの使用料がかかるので3時間5万円くらいからとなる。
プロ用はこれで一番安いほうだが、個人用だと1時間5000円程度でも借りることができる。たいてい1時間だけ借りるということはできず、3時間くらいは借りる必要があるので、15,000円くらいの予算があればなんとかなるだろう。広さや装備によってはさらに安いところもある。今回撮影に使用したあますたは4時間で10,500円だった。
撮影方法などにもよるが、撮影の準備やモデルさんの準備、撮影後の片づけなどもあるので、前後に各20分くらいは余裕をみておくと、バタバタせずに済む。
コスプレなど、衣裳を着たモデルさんがメインなら、まずはホリゾンを使ってみよう。ホリゾンを使う場合に注意したいのが靴でホリゾンが汚れないように対策をすること。外で履いている靴なら靴底を必ず洗っておこう。さらにゴムがこすれて汚れてくるので、テープなどを貼ってこすれないようにする。本来は撮影用に使うテープが便利だが、プロ機材を扱っているショップでしか販売されていないので、梱包用の紙テープなどで代用することもできる。スタジオを汚さないために貼るのが目的だが、撮影中にホリゾンが汚れてくると、目立って写るので、写真の仕上がりのためにも、必ずテープを貼っておこう。
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| 今回の靴は衣裳なので、もちろん、外では履いていないが、このようにテープを貼ってこすれによる汚れを防いでおこう。これは作業中で床に触れるすべての面にテープを貼る |
今回借りたスタジオにはホリゾンがあるので背景は何もせずに撮影に入れる。まず撮影で注意したいのは露出だ。オートや絞り優先モードで撮影すると、背景が白いのでやや暗く写る。内蔵ストロボなら特にマニュアルモードにしなくても、露出補正で補正すればよい。露出補正してモデルさんの顔が暗くならないように調整する。スタジオの照明は付けたままでよい。内蔵ストロボでは出力が小さいので部屋の照明も使ってしまう。部屋の明るさを生かすには撮影感度はISO200〜400程度に上げておくとよい。ただし、壁が色つきの場合は色が写真に写ってしまうので、ISO感度を落として部屋の照明の効果をなくしたほうがよい。
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| オートのまま撮影すると、露出アンダーになることもある。特に今回は白い衣裳なのでかなり暗くなってしまう |
大がかりなストロボがない場合は、カメラの内蔵ストロボを使う。この際、注意するのは縦位置撮影だ。フラッシュが横から発光するので影が目立ってしまう。そんなときには連載第3回で使用したトレーシングペーパーやディフューザを使って、光を拡散させてみよう。意外と効果があるはずだ。これでもまだ目立つときにはモデルさんを後ろの壁から離れてもらうと影がより目立たなくなる。
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| 縦位置で撮影するとフラッシュの影が右側に出てしまった。背景の白い部分に出る影は特に目立っている |
トレーシングペーパーで自作したディフューザ。やや影は残るものの、少し和らいでいる |
ディフューザを使うと影は気にならなくなる。この程度なら十分だ |
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