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市原達也「プロカメラマン市原達也の デジタル一眼コスプレ&モデル撮影テクニック」
第4回:ホワイトバランスを変えて撮影
2006年12月20日
人物を撮影して意外と気になるのがホワイトバランスだ。この設定によっては顔が青っぽくなり、写真のイメージも悪くなることがある。そこで今回はホワイトバランスを考えてみよう。
ホワイトバランスはオートの設定にして使っている人が多いかもしれない。コンパクトデジタルカメラであれば、「きれいに見える」に重点を置いて柔軟な画像生成を行うため、それほど気にしなくても見栄えのよい色合いに撮影できることが多い。しかしデジタル一眼レフカメラでは、忠実な色再現に重点を置いているカメラが多いため、微妙な光の違いで写真の色味も変わってくる。
ホワイトバランスというのは、光の色によって被写体の色が変化するのを抑え、自然な色合いに見えるよう調整する機能だ。曇りや日影ではやや青く写り、白熱電球では赤味のある色に写る。蛍光灯は種類によっても異なるが、白色や昼白色の一般的な製品ではわずかに緑がかって写る。
ホワイトバランスの調整機能の一般的な使い方は簡単だ。オートで色がおかしければ、撮影状態に合わせてホワイトバランスを設定すればよい。曇り空なら「曇り」に設定し、蛍光灯の光で撮影する場合は「蛍光灯」に合わせればよい。
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| ホワイトバランスをオートのまま曇天で撮影したため、やや顔が青っぽく写ってしまった |
ホワイトバランスを「曇り」に設定することで健康的な肌色になった。ただ、わずかに赤味が強すぎるようにも見える |
前述の方法は、あくまでプリセットされた設定であり、必ずしも正確な色で撮影できるとは限らない。さらに色を厳密に調整したい場合は、ホワイトバランスをマニュアル設定するとよい。操作方法はカメラによって異なるが、白い紙などを撮影し、それを元にホワイトバランスを調整する機能だ。ここ数年のうちに発売されたデジタル一眼レフカメラなら装備しているだろう。白い紙などは基本的にはカメラに向いていればよいが、色の付いた床や壁と近い距離に被写体がいる場合は、床や壁からの光の反射も少し入るように白い紙の角度を調節するとよい。ただ、光源の色と壁などの色が極端に違う場合は、壁からの反射光の影響が出ないように移動したほうがいい。また、壁の色を顔や服に写し込みたい場合は、壁からの光が入らないように白い紙を調整する。
ホワイトバランスを取る白いものは紙でなくてもよいが、色には注意しよう。真っ白に見えるものは、むしろやや青味がかっている。撮影で使うホワイトバランスを取るグッズもあるが、色の厳密さを求めない限り、それほどこだわる必要はない。身の回りにあるものでは、安価なコピー用紙などが比較的自然な色になる。折りたたんでカメラバッグに入れておくとよいだろう。
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| ホワイトバランスを取っても色がずれるときは、角度を変えてみよう。この写真は反射光を考えない場合の持ち方だ |
カメラによっては色温度でホワイトバランスを設定できるものもある。「ケルビン」という単位で、光の色温度に合わせることでホワイトバランスを調整する機能だ。だいたい3000〜10000K程度まで設定できる。色温度が低いときには低い値を使い、色温度が高いときには高い値に設定する。つまり、曇天や日影などの色温度が低い場合は設定値も低く、太陽が真上に出ている場合はやや高めに設定する。薄曇りや冬の太陽、夕暮れ近くなどの微妙な色合いの時に便利な機能だ。
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| オートで撮影した場合。背景のレンガの色からもやや青味がかっているのが分かる |
色温度調整でやや色温度を低めに設定。見た目に近いのがこの状態だ |
さらに色温度を下げた状態。顔はやや黄色味が強くなってしまったが、レンガは記憶色に近いものになった |
使ってみると分かるが、蛍光灯の色や、緑や紫色の付いた壁の部屋では色温度で調整できないことがある。色温度というのは、物体が熱せられるときに発する光の色を元にしているためである。炎の色ではなく、物体の色である。溶岩や溶鉱炉で溶ける鉄の色を思うと分かりやすいだろう。これらはさらに高温になると黄色っぽくなる。さらに温度が上がれば青味が出てくる。この出てくる光の色を元にしているのが色温度なのである。つまり、物体が熱せられたときに出ない光の色は色温度で調整できない。一般に太陽光やストロボ、電球などの光源下で撮影する際に使うと考えてよいだろう。
色の付いた光や壁の反射光などでうまく調整できない場合は、先ほどのマニュアル設定を行うか、カメラによっては装備されている色あいの調整機能を使うことになる。
ドラマや映画などではよく使われるテクニックだが、ホワイトバランスを自然な設定からややずらすことで、雰囲気を変えることができる。恐怖をあおるシーンやシリアスなシーンでは青味を強め、懐かしさや優しさを出すときには、黄色〜赤っぽくなるようカメラ側を高い色温度に設定してイメージを変えたりする。
これは写真でも利用可能だ。ちょっとかっこいい感じにしたいときは色温度設定を低めにし、青っぽい感じにする、といったこともできるだろう。
色温度を高く設定する場合は太陽の出ているときに撮影すると夕方のようになる。夕焼けをバックに撮影する時にもより夕焼けを赤く撮影できる。逆に色温度を低く設定するときは曇りのほうが雰囲気は出やすい。
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| ホワイトバランスをオートで撮影。色をずらす要因は少ないので、ほぼ自然な色合いだ |
色温度を高く設定。落ち着きのある優しい印象を出してみた |
色温度を低く設定。同じ構図なので、あまり雰囲気は出ていないが、クールな印象になるよう撮影してみた |
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