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コラム −荻窪 圭−


●こだわりの質感をもつボディだがちょっと使いづらさも

 では実際にレンズ込みで使ってみよう。

 フォーサーズシステムは撮像素子がやや小さいのだがボディやレンズはAPS-Cサイズ素子を使う他社のデジタル一眼レフと変わらない大きさ・重さ。特にレンズはクオリティや手ブレ補正機構の関係かけっこう太く感じる。

 基本的な操作はLC1を継承している。まず、多くのデジタル一眼レフが備えている「撮影モードダイヤル」はない。レンズの絞りリングとシャッターボタン周りにあるシャッタースピードリングの組み合わせでモードが決まる。両方ともAポジションにするとプログラムAE、絞りをAにするとシャッタースピード優先AE、逆にシャッタースピードをAにすると絞り優先AEとなり、両方ともAポジションからずらすとマニュアル露出となる。これだけだ。よってシーンモードなどもないが、露出を合わせるという意味ではすごくわかりやすい。

 絞りリングはクリックがちょっと軽すぎる感もあるが、リングを回して絞り値を決定するのは懐かしくも気持ちいいものだ。

 だがここまでやったわりには露出補正ダイヤルやボタンがないのは残念。上部にFUNC.1とFUNC.2のカスタマイズ可能なボタンがあり、FUNC.2ががデフォルトで露出補正に割り当てられているほか、メニューでダイレクト露出補正をオンにすれば背面のコマンドダイヤルでダイレクトに補正することも可能だ。

 ちなみにFUNC.1は画像サイズと画質がデフォルトだ。

シャッターボタンとダイヤル。一見、360度回りそうだが、Aから1000-4000へ回すときはスローシャッター側からぐるっと350度くらい回す必要がある。スローシャッター時と高速シャッター時の微調整は背面のセレクトダイヤルで。FUNC.1と2はカスタマイズ可能だ。ストラップ取り付け金具の位置とシャッターボタンの関係はいまひとつ。ストラップをつけるとちょっと邪魔


 シャッターボタンは周りにダイヤルを設けるためこういうデザインになったのだろうし、クラシックカメラ風ではあるのだが、やや押しづらい位置で、さらにストラップをつけているとそれが邪魔になってしまうのが残念。もうひと工夫欲しかったと思う。

 それ以外の操作は普通のデジカメと同様だ。

液晶モニタは2.5型でこんな感じで設定が表示される。右に再生やディスプレイボタンがあり、その右に半分だけ顔を出しているのがコマンドダイヤル。ダイレクト露出補正をオンにするとダイヤルを回すだけで露出補正が可能になるが、+/−の露出補正アイコンがどこにもないのは問題かと思う


内蔵のフラッシュはこのようにバウンス機能ももっている。ただ内蔵ゆえ光量もそれほど強くなく、バウンスがうまく使えるシーンは限られるかも。でも松下らしいギミックでおもしろい


 液晶モニタの左にWBやISOボタンがあり、それを押しながら背面のコマンドダイヤルを回すと液晶モニタに表示が出てホワイトバランスやISO感度を変更できる。ISO感度は100から1,600まで。ホワイトバランスは色温度の設定やカスタム設定のほかに、ブルーアンバー、マゼンダーグリーンの2軸の微調整が可能だ。

ボタンがたくさんある背面。これはホワイトバランスを変更する画面。カスタム設定は2つあるが蛍光灯設定はない。ダイヤルを回して変更する。背面の情報表示は設定を変えると自動的にオンになり、ほっとくと消える。オフにすることもできる


 それ以外の細かい操作はメニューから行う。

こちらはメニュー。撮影、機能設定、カスタム設定、再生と4つのタブに分かれている。画像アスペクトはライブビュー時のみ変更可能だ


 L1の特徴の1つはフィルムモードがある。絵作りが何パターンが用意されていて、標準の他に、よりメリハリがある記憶色重視のダイナミック、青や緑、赤を強調する風景に向いたネイチャー、素材性が高いスムーズなどが用意されている。白黒に対してもスタンダード、ダイナミック、スムーズと用意されているので、その都度好きなフィルムを選べるという寸法だ。このバリエーションはわかりやすくてよい。

フィルムモードは特徴の1つ。ここで絵作りをさっと変更できる。スタンダードでも十分鮮やか


 ファインダーはE-330と同じ。縦横比が4:3で、右側に絞りやシャッタースピードなどが表示される。  ファインダー像はやや小さく、さらにメガネをして覗くと右側の撮影情報が把握しづらい。ライブビューが可能とはいえ、基本は光学ファインダーであり、ちょっと残念な点だ。
ファインダーがやや後ろに飛び出ているのでけっこう奥行きがある。液晶モニタの左に4つのボタンが縦に並ぶ。フラッシュ光量調節にまで独立したボタンを用意しなくてもいい気はする


 AFは3点測距。その3点も中央付近に固まっており、最近のデジタル一眼レフが7点測距や11点測距を搭載していることを考えるとやや寂しい。

 そして、L1のウリであるライブビュー機能も忘れてはならない。ライブビュー機能を使えば2.5インチの液晶モニタを見ながら撮ることも可能だ。

 この場合、ミラーアップしてLive MOSセンサーが直接光を受ける。ただ、AFセンサーはミラーボックスの中にあるので、ライブビューでAFを使うときは半押しの状態でいったんミラーが降りてピントを合わせてまた上がるという動作になるためその分AFが遅くなる。明るい場所で約1秒、室内など暗いと1秒以上かかることもある。そこは改善の余地ありだろう。また、何度もミラーアップダウン時の微妙な振動があるので、ライブビュー時は手ブレ補正機能があってもブレないよう気をつけて撮りたい。


●L1は趣味・道楽系一眼レフだった

 L1の価格はレンズ込みで約25万円。価格的には中堅デジタル一眼レフのレンズキットよりちょっと高め(例えばD200のレンズキットや、EOS 30D+手ブレ補正レンズのキット)と決して安くはない。ライカレンズがかなり高価なのだと思う。

 逆にボディの質感やこだわりは中堅クラスだがカメラの性能としてはボディが12万円程度のE-330と同じで割高感は否めない。

 つまり、実用性やコストパフォーマンスよりは、この黒くて四角いボディの質感や、ライカブランドのレンズに心惹かれる人のための、趣味・道楽の一眼レフなのだ。

 同じ趣味・道楽系カメラといえば、完全にレンズ交換式デジタルレンジファインダーカメラであるエプソンの「R-D1s」がある。レンジファインダーカメラへのこだわりやアナログ風の操作という意味では、R-D1sの方が感心するほど徹底している。ただしその分MFのみだしレンジファインダーなので使えるレンズも限られる。L1なら使えるレンズの幅も広いし、AFだし、一眼レフとしての実用性もある。その辺の落としどころがポイントだ。

 個人的にはクラシックカメラ風にするなら、露出補正ダイヤルは別途用意する、ISO感度も上部のダイヤルにISO感度の窓があってダイヤルを持ち上げて回転させると感度が変わるとか、そんな、できるだけ液晶モニタを介さないで使えるインタフェースにこだわっても欲しかった。今のままではちょっと中途半端感がある。もうちょっとがんばれたかと思う。

 よって、レンジファインダーカメラ風だけどデジタル一眼レフとしての使い勝手やコンパクトデジカメ風のライブビューを持つ、デジタル風味が強い趣味・道楽系カメラといってよさそうだ。

 初めての一眼レフを探してるという人には向かない面もあるが、写りはいいので、マニュアル操作が中心で自分で絵作りをしながら撮りたい人が使い勝手に納得して買うならいい。で、普段は付属の14-50mmをつけ、必要に応じてオリンパスの50-200mmなどを装着して望遠撮影もって考えると悪くない楽しみ方だ。

 この先、松下から手ブレ補正付きレンズがでてきて、オリンパスのボディが手ブレ補正のMODE1と2や絞りリングに対応してくればフォーサーズシステムとしておもしろい展開になっていく。そういう広がりにも期待したい。





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