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みずほコーポレート銀行産業調査部「みずほ産業調査」
インターネット時代のメディアビジネス
〜変わる消費者・広告主、そしてメディア企業はどう変わるのか〜(3/5)
「みずほ産業調査 Vol.19 2005年12月」より
※本レポートは2005年12月に執筆されました
III.インターネット時代の企業の広告宣伝活動
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1.メディア業界構造変革のカギを握る企業(広告主)の動向
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敢えて述べるまでもなく、日本のメディアビジネスの王者はテレビ放送であり、資金フローを見るとテレビ放送ビジネスに流入する資金の大半が地上波放送局の獲得する広告収入である。これはケーブルテレビや衛星放送による有料多チャンネル放送が発達し、テレビ放送全体で視聴者への課金収入の方が広告収入よりも多い米国の収入構造と大きく特徴を異にしている【図表III-1】。
地上波放送がスタートした1950年代以降、日本が高度経済成長を果たし個人消費も急速な拡大を遂げる中、マスメディア、中でもテレビは国民に高い表現力と即時性を兼ね備えた新たな情報消費機会を提供した一方、企業に対しては広告を通じて製品・サービスを広く国民に告知し、より豊かな生活、より旺盛な消費への渇望感を喚起・増幅する効果的な役割を果たしてきた。
低成長期に入っても大きくは変わらなかった広告への資金流入構造
日本経済の成長が成熟期に入り個人消費の充足度が高まった1970年代後半以降、企業マーケティングにおいては「よいものさえ作れば、あとはその存在を広告することで売れる」という画一的なマスマーケティングに代わり、消費者個々の価値観に合わせたものづくりと価値伝達を行うセグメントマーケティングが徐々に重視されるようになってきた。そこでマスメディアへの大量露出に依存した広告手法の限界を指摘する意見も聞かれるようになった。
だが結果として、マスメディアに流れ込む資金の対GDP比規模は大きく変わることはなく、中でも「マスメディアの王者」地上波テレビの広告シェアは緩やかな上昇カーブを描いてきた【図表III-2】。競争が激化し商品の明確な差別化が難しくなり、商品ライフサイクルの短縮傾向が強まる中で、需要を短期間のうちに喚起・増幅することが一層不可欠になり、マスメディア特に地上波テレビの影響力をこれまで以上に頼らざるを得なくなったのだろう。
ただ個人の消費への充足、価値観の多様化という傾向は近年ますます顕著になっており、企業においてセグメントマーケティング、OnetoOneマーケティングに対する潜在的な渇望は従来以上に増している。したがって、 インターネットの持つ“個人主導”、“双方向”、そして“Long Tail”といった特徴が仮にマーケティングにかなりの程度活かせるのであれば、企業が広告・販売手法を大きく見直すことも充分に考えられるだろう。結果として広告支出の配分が変わり、インターネットメディアと既存メディアとの間の現状のパワーバランスに大きな影響を与える可能性は否定できない。
したがって、今後のメディア業界の構造を占うためには、企業の広告戦略あるいはマーケティング・コミュニケーション戦略のあり方そしてその変化のスピードを予測することが非常に重要な視点となる。第III章では企業のマーケティングにおけるインターネット活用の現状、将来像の導出、そして現実的課題を踏まえたインターネット広告費の推移予想という順に分析・仮説設定を行い、地上波テレビ放送を頂点とする既存のメディアビジネス構造がどう変わりうるかを展望してみたい。
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