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コラム −みずほコーポレート銀行産業調査部−


みずほコーポレート銀行産業調査部「みずほ産業調査」


通信事業者・CATV事業者によるトリプルプレイの展望と課題
〜通信・放送インフラ融合のインパクト〜(2/4)


「みずほ産業調査 Vol.19 2005年12月」より
※本レポートは2005年12月に執筆されました


II.通信事業者によるトリプルプレイ


 1.通信事業者のブロードバンド普及拡大に向けた取り組み
 

離陸しつつあるFTTHサービス

 2004年度はFTTH普及拡大の兆しが見えた一年となった。FTTHの加入者純増もようやくコンスタントに10万を超え、2005年1-3月にはFTTHの加入者純増がADSLのそれを上回り、直近(6-9月)では市場全体の加入者純増の大半を占めるに至っている。2005年度は年度ベースでも加入者純増がADSLを大きく上回ることが確実な状況となっている。

【図表II-1】 電気通信役務利用放送法−有線役務利用放送関係−の概念図

低価格化の進展とプライマリ電話とのバンドリング

 こうしたFTTH普及拡大の主たる要因は、初期導入費用の実質無料化と利用料金の低廉化である。既にADSL並に料金低下が進んでいた集合住宅向けに加え、従来は料金が高止まりしていた戸建て向けについても、2004年8月のケイ・オプティコムによる大幅な料金引き下げを皮切りに、大胆な料金/キャンペーン設定が行われるに至っている。こうした大胆な料金設定は、FTTHアクセス(含むISP)とプライマリ電話*1をバンドル提供し、ADSLアクセス(含むISP)とNTT固定電話の組み合わせとの比較での割安感訴求を志向したものである。従来は既存固定電話サービスとのCannibalization(共食い)に対する懸念から慎重なスタンスであったNTT地域会社も2005年入り後、基本料金が500円と割安な0AB〜J番号のIP電話(ひかり電話)を投入、積極姿勢に転換している。

*1:一般に従来のNTT固定電話と同じ番号が利用可能な電話サービスを指す。具体的には0AB〜J番号IP電話サービスや直収電話サービスがこれに該当する。

【図表II-2】 各種ブロードバンドサービスの料金・スペック比較


 2.通信事業者による有線役務放送の現状
 

通信事業者による有線役務放送サービス

 2004年度はプライマリ電話に加え、大手通信事業者による有線役務利用放送サービス、VOD(ビデオ・オン・ディマンド)サービスが出揃った年となった。2002年7月にソフトバンクグループのBBケーブルがADSLを利用した放送事業「BBケーブルTV」で有線役務利用放送としては第一号の登録を受けたのを皮切りに、2005年9月末時点で通信事業者、CATV事業者を中心として、16社が有線役務利用放送事業者としての登録を受けている。通信事業者では、前述のBBケーブルに加え、KDDI、ケイ・キャット(関西電力グループ)、STNet(四国電力グループ)が、放送事業者関係ではオプティキャスト(スカイパーフェクトコミュニケーションズグループ)、オンラインティーヴィ(ジュピター・プログラミング等が出資)が新たに参入し、現在までに有料放送、VODサービスの提供を開始している。

顧客囲い込みモデルとしての親和性

 大手通信事業者が、有料役務放送サービスを上乗せし、他のサービスとのバンドリング(抱き合わせ販売)*2を志向する背景としては、ARPUの嵩上げ、FTTH加入獲得促進が指摘出来る。また、一般に、情報通信サービスにおいては、複数サービスを使用している顧客の解約率は相対的に低く*3、解約防止の効果も期待されている。料金競争を背景にアクセス提供単体での収益性に一定の限界があり、FTTHならではのサービスが見えない中で、電話、インターネットアクセス同様に会員囲い込みモデルとして親和性が高く且つ既に一定の市場が存在する有料放送サービスに進出するのは極めて自然な流れであると言えよう。

*2:一般にバンドリングの理論的なメリットとしては、収入拡大(単品別々で販売するよりも抱き合わせを行うことでより多くの収入を得ることが出来る場合)、費用削減(流通等トランザクションコストの削減)、参入阻止(単品提供事業者の参入の排除−例えばOSとブラウザのセット販売のイメージ)が挙げられる。通信事業者によるトリプルプレイは、前者二つのメリットを志向したものであると言える。

*3:例えば、既にトリプルプレイを実現しているJ:COMでは、加入サービスの数が多い加入者程、解約率が低くなっている(2004年度実績3サービス加入者0.8%、単一サービス加入者1.9%)。

【図表II-3】 ブロードバンドアクセスを利用した有線役務放送サービスの概要




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