|
みずほコーポレート銀行産業調査部「みずほ産業調査」
インターネット時代のメディアビジネス
〜変わる消費者・広告主、そしてメディア企業はどう変わるのか〜(2/5)
「みずほ産業調査 Vol.19 2005年12月」より
※本レポートは2005年12月に執筆されました
II.インターネット時代のメディア環境
 |
1.インターネットメディアの4分類
 |
| |
インターネットメディアにはテレビ・ラジオのように法規制・電波資源上の参入障壁が存在せず、新聞・雑誌に比べ取材・編集・印刷・流通等の事業インフラ整備に要する投資負担がはるかに小さいため、法人運営のものから個人運営のものまで無数のメディアが存在している。運営主体、ターゲットとする利用者層、収益モデル等により、インターネットメディアは次の4つに大きく分類可能である。
(1)総合ポータルメディア
総合ポータルの実態は「ポータル」+「ディスティネーション」
Yahoo! JAPAN(ヤフー)やMSN(マイクロソフト)等の総合ポータルメディアは、Webサイトの検索機能やディレクトリ(分類)機能など、インターネット利用の「ポータル(入口)」となる各種情報を提供している。加えてスポーツやグルメ等のジャンル別情報から、無料メールや掲示板、ブログ等のコミュニケーション・コミュニティサービス、オークションやショッピング、音楽・映像配信まで、Web利用者の「目的地(ディスティネーション)」となる様々なサイト群を同時に提供する複合サイトとなっている。
総合ポータルメディアは多様なサービスの企画・調達力や知名度・ブランド力等、規模と総合力が競争力の源泉となることから、既に少数の企業に勢力が収斂している【図表II-1】。これら有力メディアは幅広い利用者と多様な利用目的に対応した接触機会の多いメディアであり、その広告価値は大きい。日本の最大手総合ポータルであるヤフーは2004年約335億円の広告収入を計上しており、ヤフー1社だけで日本のインターネット市場広告費全体の約20%を獲得している計算になる((4)で述べるサーチエンジン広告収入を含む)。
 |
| 【図表II-1】 日本の主要総合ポータルメディアの顔触れ |
(2)カテゴリーメディア
総合ポータルメディアが基本的にあらゆるインターネットユーザーを対象とする一種の「マスメディア」と位置付けられるのに対し、特定カテゴリー、特定視聴者層にターゲットを絞ったカテゴリーメディアも数多く存在する【図表II-2】。
これらはターゲットを絞ったメディアという意味で雑誌や通販カタログ等に近い一面を持つ(実際、雑誌社を母体とするカテゴリーメディアは数多い)。一方、コンテンツの比較・検索性に優れている(例えば予算や場所等の条件を指定してレストランを探せる)点や、一般ユーザーによるレビューや掲示板による情報交換などユーザー参加型の情報が組み込まれている点、情報の鮮度が常に高いなどの点で、インターネット上のカテゴリーメディアは片方向の既存メディアにはない独自の特徴を持っている。
総合ポータルメディアに比べればカテゴリーメディア運営企業各社の事業規模は小さいが、インターネットの利用者層や用途の多様化に従い、カテゴリーに特化した詳細情報へのユーザーニーズが高まってきており、その広告・販促価値が企業にも認められるようになってきた。具体的には、ゴルフダイジェスト・オンライン社に代表される物販業・仲介業の展開や、「アフィリエイト」と呼ばれる広告配信プログラム【図表II-3】を利用した成果報酬型の広告ビジネス-いわば物販と広告の中間形-の本格展開などにより、カテゴリーメディアの持つ利用者と企業の間をつなぐマッチング価値が顕在化し始めている。
|