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コラム −みずほコーポレート銀行産業調査部−


みずほコーポレート銀行産業調査部「みずほ産業調査」


インターネット時代のメディアビジネス
〜変わる消費者・広告主、そしてメディア企業はどう変わるのか〜(1/5)


「みずほ産業調査 Vol.19 2005年12月」より
※本レポートは2005年12月に執筆されました


<要旨>

 インターネットは消費者の生活に深く浸透、広告費規模でラジオを抜いて基幹広告媒体の一角に浮上し、その成長スピードは加速傾向にある。業績成長著しいライブドア、楽天などの大手インターネット企業は、その資本力を背景に既存メディアビジネスへの参入圧力を強めている。いわば「バーチャルからリアル」への攻勢を受け、既存メディア企業は本格的なインターネット時代に備え今後事業環境がどう変わるのかを直視し、インターネット関連の取組に対し具体的な目標設定と手法立案を行うことが不可欠になっている。

 インターネット上には様々な運営主体による無数のメディアが存在しており、情報の検索・比較が可能なこと、情報のリアルタイム性が高いこと、情報のターゲティングができること、個人発信・参加型の情報が一定の影響力を持ちうることなど、これまでの片方向のメディアにはない独自の特徴を持っている。その結果、消費者にとっては自らの嗜好・判断に基づく情報の取得・選択や、消費者間の情報共有が容易になり、情報流通の主導権が消費者側にシフトしている。また企業にとってはニッチな需要獲得を低コストで行えるようになり、マーケティングの幅が広がっている。

 企業はインターネットを使った広告宣伝、あるいは双方向性・リアルタイム性を活用した消費者とのコミュニケーション強化を重視し始めており、中長期的には広告宣伝活動のあり方自体が、片方向メディアが主体だった時代のリーチや広告露出量の極大化を最優先したものから、消費者との接点の強化・継続化を通じ企業活動全般との連動を狙う経営戦略と密接に連動したものに変容していくだろう。企業や広告代理店における人材・ノウハウの不足などのボトルネックは存在するものの、インターネット時代に向けた広告戦略の見直しは着実に進み、2011年頃にはインターネット広告費が約1兆円規模に達するものと予想する。

 消費者、広告代理店、そして何より企業(広告主)の変化の結果、メディアビジネスに流れ込む資金フローは大きく変化すると思われるが、これは既存メディアにとって脅威であるばかりでなく、既存メディアとインターネットメディアの組み合わせにより広告主にとっての価値をより高める機会と捉えることもできる。既存メディア企業はインターネット時代の到来を成長の糧とするために、コンテンツ制作・編成方針、アライアンス戦略・グループ戦略などを複合的に見直し、中長期的にそしてグローバルに通用する「リアルプラスバーチャル」型への事業構造転換を急ぐ必要がある。


I.はじめに

 1. 基幹メディアに成長したインターネット
 

インターネットはラジオを抜き雑誌に迫る広告媒体へ

 電通の発表した「2004年(平成16年)日本の広告費」によれば、2004年のインターネット広告費は1,814億円となり、広告費全体(58,571億円)の3.1%に達した。前年比の増加額(631億円)、増加率(53.3%)ともにこれまでの実績を大きく上回っただけでなく、4大マスメディア広告の一角であるラジオ広告費(1,795億円)の金額を初めて上回ったという点で、2004年はインターネット広告業界にとって節目の年となった【図表I-1】。


 電通総研が2005年のインターネット広告費を前年比900億円以上増の2,722億円と予測するなど、インターネット広告需要は引き続き力強い成長を見せており、このペースが続けば2007年頃には雑誌広告費(2004年実績で3,970億円)を抜く可能性が高い。ブロードバンド・インターネットの急速な普及、広告媒体・広告商品の充実、インターネット広告の効果検証の進展等を経て、多くの企業においてインターネットは、テレビや新聞等に続き、定常的に広告予算を配分する基幹広告媒体の一つとしての地位を築き始めている。

消費者のメディア接触時間では既にテレビに次ぐメディアに成長

 一方、消費者側のメディア接触においてもインターネットの重みが増している。定額制のブロードバンド回線が広く普及しインターネットユーザーの裾野が広がる一方、一人あたりのインターネットメディアの接触時間は年々増加し、テレビに続き、ラジオに並ぶ水準に達している【図表I-2】。特にF1・M1(20〜34歳)層では全世代平均に比べインターネットの利用時間シェアが大幅に大きいことから、流行の発信源であり中高年層に比べメディアの影響を受けやすいと言われるF1・M1層への訴求に重点がおかれる企業の広告戦略立案にあたっては、インターネットメディアの影響を考慮した検討がもはや不可欠になっている。


 このように、最近では企業レベルにおいても、消費者レベルでも、インターネットは主要メディアの一つとして浸透しており、インターネットメディアビジネスは2000年頃のITバブルの時期にみられたような、一部のベンチャー企業と限られたITリテラシーの高いユーザー層に閉じた産業の域をもはや越えたと言ってよいだろう。




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