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パナソニックは2006年の3月に、薄型テレビ「VIERA」のリモコンで、同社のレコーダー「DIGA」や対応サラウンドアンプなどを連携操作できる「VIERAリンク」を発表した。セットアップは各機器をHDMIケーブル1本で結ぶだけという手軽さだ。テレビのリモコンを使って、テレビで今視聴している番組を、レコーダーを自動的に立ち上げて録画できたり、レコーダーに映画DVDを入れるだけで、テレビの電原が入り、入力が切り替わるなど、手間いらずの自動操作が可能になる。対応器機はVIERAリンクに対応する同社製品に限られるが、11月に発売された同社のSD/SDHCムービーHDC-SD1とVIERAとの連携動作も可能になるなど、さらに進化している。
こうしたトレンドに呼応して、シャープも2006年の8月にリンク機能「ファミリンク」を発表した。同社の液晶テレビ「AQUOS」を中心に同社レコーダーや専用サラウンドアンプをレコーダー同梱の専用リモコンで連動操作できるリンク機能だ。TVとレコーダーでデジタル放送をダブル録画できたり、番組に合ったサラウンドを自動設定できるなど、VIERAリンクにない機能も盛り込まれている。VIERAリンクはGUI操作が基本になるのに対して、ファミリンクは専用リモコンによる機能別ボタン操作になる点が異なる。
両リンク機能ともにHDMI1.2a規格に規定されているCEC(Consumer Electronics Control器機間の連携を受け持つコマンド)を基本に、オプションのコマンドで独自の拡張を行ったものだ。メーカーの囲い込みという見方もできるが、CECの基本コマンド自体は汎用性があるので、今後の家庭内ネットワークの中で、部屋内のAV器機の連携を受け持つネット機能としての汎用性や発展性も期待できそうだ。
●録画機能やデザインも進化
録画できる薄型テレビも普及してきた。保存という点では、レコーダーを使った方が便利で手間もかからないが、録って見て消すタイムシフト用途なら、とても重宝する機能といえるだろう。
日立のWoooシリーズは早くから録画機能に対応していて、2006年の4月に発売されたHRシリーズは、250GBのHDDと2基のデジタルチューナーを搭載し、TV視聴中にHDDへの裏録画が可能だ。カナダViXS製のエンコーダー「XCodeHD」を新採用することで、長時間のハイビジョン録画を実現している。さらにi.LINK(TS)出力端子で、同社の対応DVDレコーダーと接続すれば、同機で録画したデジタル放送をレコーダーにムーブ(移動)が可能だ。
東芝の「REGZA」H2000シリーズは、交換可能な300GBHDDにハイビジョン録画できるほか「簡単連ドラ予約」やニュースだけを録画して何時でも見られる「新・今すぐニュース」など、HDD内蔵を生かすアイデア機能を搭載し、便利に使いこなせる。また、Z2000シリーズは、HDD専用LAN端子を備え、市販のLAN HDDにハイビジョン録画が可能だ。ハブを使ってHDDを8台まで増設でき、最大で848時間(1TBHDDの場合)のハイビジョン録画を楽しめる。
 | | 東芝の300GバイトHDD搭載42型液晶テレビ「42H2000」 |
 | | 東芝の47型フルHD液晶テレビ「47Z2000」 |
今後を占うデザインとしては、日本サムスンの40V型液晶テレビ「Bordeaux」(ボルドー)に注目したい。ピアノブラックの滑らかで光沢のあるボディは、今までの液晶テレビと一線を期したデザインだ。背面も継ぎ目のないピアノブラックのワンパネルで統一するという今までにないボディ構造を採用している。画質音質面では日本メーカーが先行しているが、床置きしても見栄えのするパーソナル指向のデザインポリシーは斬新だ。国内ではWeb販売のみだが、欧米ではソニーを抜いて液晶の売り上げトップに躍り出たベストセラー機となっている。
 | | サムスンの40型液晶テレビ「LN40R71B」 |
●今後はテレビのインテリジェント化に注目
莫大な設備投資が必要な薄型テレビの競争は、かつてのDRAM産業の攻防と似た様相を呈してきた。2007年もサバイバルを賭けたメーカー間の激しい競争は避けられそうにない。このために、薄型テレビには、さらなる付加価値が求められるだろう。大画面化と高画質化と同時に「使うテレビ」としての側面も重視されそうだ。日立は、2007年の夏にiVDR(AV録画再生用のリムーバブルHDD)に対応したテレビを発売する、とアナウンスし、録画機能のさらなる充実を図る計画だ。
リンクやネット機能も大きく進化するだろう。家電メーカーが描く家庭内ネットでは、部屋内の器機の操作はリンク機能で行い、部屋と部屋を結ぶのはDNLA、家全体は高速電力線通信(PLC)が担当し、これら3つのネットをブリッジして使うという構図になる。その中心に位置するのがネット対応の薄型テレビというわけだ。ネット接続で独自のコンテンツが楽しめる、いわゆる「IPTV」が今後の1つのトレンドになると予想される。このために、薄型テレビに高速なプロセッサやLinuxなどのOSを搭載することで「使うテレビ」にふさわしいインテリジェント化が図られつつある。こうしたトレンドは、Viiv(Intelの提唱するホームエンターテインメント向けPC規格)対応PCでリビングを狙うPC勢などに対する、家電陣営の対抗策ともいえるだろう。
通信プロトコルが整備され、物理的にネットに繋がってもテレビ専用のコンテンツがなければ意味がない。このために家電6社は、2006年7月に、インターネット接続機能を持つデジタルテレビ向けに、ポータルサイトを運営する共同会社「テレビポータルサービス」を設立した。テレビに特化した魅力あるサービスを提供できるか?がカギで、今後の進展に注目したい。
(増田和夫)
■著者紹介
増田和夫(ますだ かずお)
先進分野に強いオーディオ&ビジュアル評論家。映像と音に関わるモノはすべて興味アリ。といっても「モノとにらめっこをするのではなく、モノの背景にあるコンセプトと開発者のメッセージを伝えたい」というのがモットーで、インタビューなどのジャーナリスティックな記事もこなす。デジタルAV、次世代メディアを始め、CGやオーサリングソフトにも強い。デジカメフォトグラファーでもある。録画機は1970年代から熱中し、エアチェック&AVの道に心酔。PC歴も豊富で、最初に入れ込んだパソコンはApple IIというPC歴20年以上のベテラン。
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