●録画ファンのニーズを次世代に反映 増田:私としても、RD-A1の発表会で「よくぞ実現してくれた!」と感銘を受けたのは、そうしたHD DVDの“無劣化引っ越し機能”でした。残念なことに、コピーワンス番組は1度ディスクに記録してしまうとコピーやムーブが不可になってしまいますが、アナログ放送などのコピーフリーのVR録画タイトルに関しては、無劣化で次世代に伝えたいですよね。私も録画ファンとして事あるごとに、その重要性を訴えてきましたので、希望どおりに実現していただいて、とてもうれしく感じました。特にRDシリーズの当初からアナログ放送をDVD-RAMなどにライブラリー保存しているユーザーにとって、無劣化引っ越しは、とても有用な機能だと思います。データよりもディスクを所有する手触りを大事にしたい、というオーディオ&ビジュアルファンの気持ちも理解できるのですが、やはり大切なのは録画データそのものといえますね。 片岡氏:RDシリーズの仕様制作者として、また一録画ファンとして、デジタル録画ディスクにどんな機能が必須か?という認識をきっちりと持っていたので、HD DVDの仕様にそれらを盛り込んでもらうことができました。 増田:その意味でRDの功績は大きいですね。次世代光メディアというと、ハリウッドと映画ディスクばかり注目されがちですが、録画メディアとしての必須条件もあるわけです。それは、録画したコンテンツは2度と手に入らない場合が多い、ということですよね。例えば家族を撮ったビデオや、1度限りで放送された番組の録画などは、市販の映画ディスクとは違って掛け替えの無い映像の宝物といえます。これら自前のコンテンツはメディアを乗り継いで無劣化かつ手早く次世代に引っ越したい、というのが録画ファンの願いです。おっしゃるとおり、そうした“高速な無劣化引っ越し”がデジタルメディアのメリットだと思います。メディア(中間媒体)という名前のとおり、次世代へのデータの受け渡しが光ディスクの1つの役割でしょう。ちょっと大げさに言うと、映像記録を後世に伝承できることは文化的にも重要だと思います。 片岡氏:それが可能なのがHD DVDです。HD DVDは、DVDの正統な後継者といえます。デジタル放送をそのままTS(ストリーム)記録できると同時に、従来のコピーフリーのDVDのタイトルは、TS記録へのアップコンバートなしに、今までのVRモード録画したものをそのまま記録可能です。このようにフォーマットを変えずに、新旧のデータをAs-Is(そのままの状態)で混在できるのがHD DVDならではのメリットなのです。また、2層ディスクでは、層またぎがシームレス記録・再生可能なのも魅力です。