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コラム −増田和夫−


2006年6月30日


増田和夫のビジュアルフリーク

ダイジェスト再生対応の日立ハイビジョンレコーダー「Wooo」
最新モデル「DV-DH1000D」に迫る



DV-DH1000D


●DV-DH1000Dのプロフィール

 「DV-DH1000D」は、日立ハイビジョンレコーダー「Wooo」の最上位モデルである。日立GST製500GB HDDを2基搭載することで、1TB(テラバイト)という超大容量を実現している。加えてデジタル3波チューナーを各2基+アナログチューナーを1基搭載し、すべてのデジタル放送をハイビジョン画質のままダブル録画できる「デジデジ2コ録り」機能を搭載している。これらのスペックは前モデル「DV-DH1000W」と同じだが、トレンドのダイジェスト再生機能「いいとこ観」や自動録画機能を採用し、さらなるパワーアップを図っている。日立が提案する新しいハイビジョン録画の世界とは何か? 開発陣へのインタビューを交えてフリークな視点で探ってみよう。

●マスダのお勧めポイント

 ★1TBのHDDに録りまくり
 ★デジタル3波ダブル録画で録り逃しなし
 ★ダブル録画中に追いかけ再生も可能
 ★いいとこ観で時間短縮
 ★自動録画もダブルでこなす
 ★同社デジタルTVと高度に連携

本体ボディは高さ69mmとスリムで、奥行きもアナログ機並なのでフラットTVの下に置きやすい。高級感のあるデザインが同社の伝統で、蒸着メッキとハーフミラーの前面パネルには最上位モデルらしい落ち着いた高級感が感じられる。DVDドライブ上部の青色LEDが派手だが、消灯設定も可能だ。ホログラムのWoooエンブレムや、オン時にLED色に光るメタリックボタンなど、芸の細かい演出がメイド・イン・ジャパンのレコーダーらしい


HDMI出力端子のほか、i.LINK(TS)入出力端子を2系統備え、同社フラットTVのHR9000シリーズと連携できる。i.LINK入力をサポートした点が新しい。なお、DVDドライブは、DVD-R/-RW/RAM記録が可能で、DVD-R VR(CPRM)記録にも対応する。欲を言えば2層メディアにも対応してほしかった


●1TBダブル録画にダイジェスト視聴をプラス

 日立はDVDレコーダーでは最後発のメーカーだが、独自の戦略で急成長を果たしている。まず、開発を次世代のデジタルチューナー機に絞っている点がユニークだ。さらに、同社の超大容量HDDやDVDドライブ、カスタムLSI技術など、グループ企業のシナジー効果を生かして、他にないオンリーワンのレコーダー作りを実現してきた。DV-DH1000Dは、そうした日立レコーダー戦略の最新作である。

 デジタルW録が可能な東芝VARDIAシリーズの登場で、デジタル3波のダブル録画は、日立の独壇場ではなくなったが、それでも、1TBのHDDとダブル録画の両機能を備えているのは本機だけのアドバンテージだ。また、ダブル録画中に追いかけ再生や、録画したタイトルの再生が可能な点も、他の追従を許さない高度なマルチタスク機能といえるだろう。

レコーダー1とレコーダー2でデジタル放送をダブル録画。この状態で追いかけ再生(緑の矢印)も可能。こうした大容量データ処理のために、独自開発の高性能マルチストリーム処理回路を搭載している。ここまでマルチに録画再生できるのも本機の特徴だ


 まず、日立開発陣に本機の設計コンセプトを聞いてみよう。

日立製作所 ストレージ機器開発部 主任技師の大野敦寛氏(左)、いいとこ観ソフト開発担当の高橋玲奈氏(中)、アプリケーションGUI開発担当の加藤智子氏(右)


 ★日立「前モデルのDV-DH1000Wでは、1TBのHDDとダブル録画で、デジタル放送がたっぷり録れることをアピールしました。今回のモデルDV-DH1000Dは、そうした録画機能に加えて手軽に“見る”ことを強調したモデルです。「いいとこ観」機能を新しく採用し、スポーツイベントなど、録り溜めた番組を手軽に見られることを目標に開発しました。ちなみに、前モデルの型番の最後はWで、これはダブル録画を表します。そして今回の型番のDは“DIGEST”のDになります」


●なかなか賢い「いいとこ観」

 いいとこ観機能は、もともと同社のPC「Prius」のAV対応モデルに採用されていたダイジェスト再生機能である。本機能を使えば、スポーツ番組などの盛り上がったシーンだけを視聴できる。音声だけでなく映像の変化も自動解析することで、高度なシーンの抽出を行っている。

 いいとこ観が有効なのは、レコーダー1でのみ可能。また、最低5分間以上の録画が必要だ。こうした点に注意が必要だが、数時間の番組を5分〜30分で時短視聴できてしまう。このため、HDDに録りっぱなしで見る暇がない人に重宝するだろう。また、サッカーW杯など試合数の多いスポーツをダイジェスト再生すれば、ほぼリアルタイムにトーナメントの展開を追いかけることができて便利だ。

 ★日立「いいとこ観の技術のルーツは、日立の『組み込みシステム基盤研究所』という部門が開発したシーン解析技術にあります。PCもレコーダーも、このノウハウを応用しています。ダイジェスト再生のしくみは、まず、映像と音声が大きく変化するポイントを捉えて、それらをデータベースに登録します。次に、データベースで変化のベスト10のようなランキングを作ります。デジタル放送から番組のジャンル情報が得られますから、各ジャンルに適した基準で、データベースからシーンを読み出すことでダイジェスト再生を行います」

 番組ジャンルに応じてシーン解析を行っている点がノウハウといえそうだ。筆者も、PCのいいとこ観機能に注目していて、以前からレコーダーに付けてほしく思っていた。

 ★日立「そのようなご希望を多くいただいていて、今回、スポーツイベントに合わせて実現することができました」

 という言葉どおり、サッカーのダイジェスト再生には特に力が入っている。他社機のダイジェスト再生でサッカーを見ていると、試合中のゴールシーンを見られるのはいいけれど、ハーフタイムに放送されるダイジェストのゴールシーンも検出されてしまう場合もあったりする。同じシーンを2度見せられるのは時間の無駄、ということで、本機のいいとこ観では、こうした重複ミスを避ける工夫まで凝らされているのだ。

 ★日立「サッカー場の四角い形や芝生の色を識別し、それらが切れ目なく表示される時間を計測することで、45分の試合時間とロスタイムの部分だけを検出しています。こうすることでハーフタイムに放送されるダイジェストシーンを避けることができます」

 使ってみると100%確実とは言えないが効果はあり、なるほど賢い!と思える高度な機能なのである。





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