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元祖レッドのリーダー |
特に際だっているのは、リーダーの赤影です。
深紅のマフラーに、なんと赤い仮面! 仮面の忍者です! 忍者といえば、黒とか茶色とか地味な衣装が多いです(当たり前ですが)。
この仮面の忍者の衣装も基本は黒なのですが、襟や肩口に白いラインをあしらったり、鎖帷子の下のアンダーウェアが、やはり白だったりと細かいコーディネートがイカしています。さらに、普通なら布製の帯が当たり前のこの時代に銀色のベルトを腰に巻いています。しかもバックルは、ボタン状になっていて押したら何かが起こりそうです……。
事実。赤影さん(あえて“さん”を付けさせていただきましょう)の全身には、忍者刀、手裏剣、煙玉、爆薬などオーソドックスな忍具はもちろん、小型ミサイルやバズーカ砲、原理不明の空中飛翔能力などハイテク装備が満載されているのです。
特にトレードマークの赤い仮面は、強力な武器でもあり、額の部分に埋め込まれた石に刀をあてると、ピッシッシ!ピッシッシ!と放電が走り、敵を粉砕してしまいます。
科学忍者以上になんでもありの無敵の忍者です。恐るべし飛騨忍法。飛騨忍者というレアなセレクションもさることながら、この見事にカラーリングされたキャラの立ちっぷりに藤吉郎も圧倒されたのか、即OK! 赤影達は金目教を探りに旅立ちます。
この「金目教編」は、彼らの冒険の第一章に過ぎません。その後、物語は第二部「卍党編」、第三部「根来編」、第四部「魔風編」へと続いていくのです。
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謎の仮面の正体は? |
赤影さんは実に不思議なヒーローであります。
仮面を被っているにもかかわらず、その正体が誰か? という点には誰も言及しないのです。
普通、仮面キャラというのは、素顔を隠すのに、それなりに理由があるはずです。敵や、必要とあらば味方までも欺いて、成し遂げようとする大目的がある、もしくは、正体を知られると困る立場にあるなど、何かを背負っているようなキャラが多いのです。それゆえ、周囲の登場人物は、その正体を追求し、物語もその一点に向かって大きくうねっていくわけです。
たとえば、赤影さんだったら、
実はさる御方の御落胤で、身分を隠して諸国漫遊しているとか……。
実は亡国の遺児で仇を追っているとか……。
実は「女の子でした」とか……。
実は寺子屋の先生で、有事の際には仮面の忍者に変身するとか……(あ、アニメ版か)。
実は悪人で、BF団の一員とか……(あ、十傑集か)。
という展開を望んでしまうわけです。
でも、この赤影さんには、そういった背負っているものがありません。どうかすると本人ですら、あまり仮面に執着していません。敵中突破するときなど、あえて仮面を外して、侍姿になるといった「逆変装」をしたりするのです。
むしろ、「赤い仮面は謎の人」で完結しているのかもしれませんね。正体なんかどうだっていいんだ。かっこいいんだから。うん、そうだ。そうだ。たとえどんな顔だか知らなくても、その目の輝きは誰でも一度見れば忘れられません。
「キラリと光る涼しい目」
まさに正義の眼差し。テレビッ子どもも、いくらホモっ気がなくても、あの目に見つめられれば、動悸が激しくなります。
我々も赤影さんに憧れて、近所の駄菓子屋でパチモンの「忍者仮面」を買ってきたり、経済的に苦しいときは紙で自作したりと、仮面の再現にとりくみました。いざ、試着して鏡の前に立ってみると、どうもいただけない。どんなに目をパチパチ、ウルウルさせても、あの涼しい目がマネ出来ない。
「涼しい目」……、比較的無垢だったテレビっ子時代にできなかったんだから、現在の濁りきった目では、まず再現は不可能でしょうね……。
■著者紹介
木川明彦(きかわあきひこ)
1963年、千葉県出身。成城大学文芸学部卒業後、アニメ、特撮、SF、ゲーム系に関する雑誌・書籍を多数企画・編集。また、映像作品の設定考証や小説なども手がける。近著に『無敵万能ゼロ艦隊』(銀河出版)がある。最近は活動の舞台をWebの世界にも展開。Web Magazine「TORNADO BASE」で「エモーション魂」を連載中。
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