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横山ロボの操縦哲学 |
なんだか少年愛好コラムになってきたので、最後に鉄人28号自体についても触れておきましょう。
鉄人は、太平洋戦争末期、陸軍の逆転秘密兵器として開発されました。それが、戦後に姿を現し、スパイや犯罪者間で壮絶な争奪戦が行われるのです。結果、その闘争に巻き込まれた正太郎君が、鉄人を所有、正義のために使ったのです(後に鉄人は正太郎君の父、金田博士が開発したロボットだったということが、後付けの設定として語られます)。
ここでポイントなのが、鉄人はリモコンによって「操縦」されるという点です。
操縦される鉄人は、良いも悪いもリモコン次第。悪人が手に入れると、たちまち破壊兵器と化してしまうのです。この危うさが、『鉄人28号』の醍醐味でもあります。
同時期に自律型の『鉄腕アトム』も存在しますが、鉄人は、あくまで機械、道具として描かれています。人間が操縦する巨大ロボット。この設定は、後の『マジンガーZ』『機動戦士ガンダム』へと受け継がれ、すでに巨大ロボットは操縦するものという基本概念が出来上がっております。
操縦といっても、鉄人はリモコンによる遠隔操縦です。この方式は、原作者の横山光輝先生にとっても、こだわりがあったらしく、その後の作品に登場するロボットもほとんどが遠隔操縦です。『ジャイアントロボ』然り、『バビル2世』のポセイドン然り。
ただし、その操縦法は、常に進化しています。
『ジャイアントロボ』はコンパクトな腕時計型で、しかも音声認識機能付きでセキュリティもばっちりです。
さらにポセイドンは、リモコンなどは存在せず、主人公のバビル2世の精神波によってコントロールされています。
人が乗り込んで、頭脳の役割を果たすのではなく、さりとて自らの意思を持たせるわけでもない。遠隔操縦……この微妙な距離感が横山ロボの魅力と言えましょうか。
■著者紹介
木川明彦(きかわあきひこ)
1963年、千葉県出身。成城大学文芸学部卒業後、アニメ、特撮、SF、ゲーム系に関する雑誌・書籍を多数企画・編集。また、映像作品の設定考証や小説なども手がける。近著に『無敵万能ゼロ艦隊』(銀河出版)がある。最近は活動の舞台をWebの世界にも展開。Web Magazine「TORNADO BASE」で「エモーション魂」を連載中。
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