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時代先取り!? サイバーな兄弟 |
全宇宙征服を目論むダダ星のロボット兵団は、ロボット工学の世界的権威葉山博士とその息子譲治と龍治を本星へ誘拐してしまいます。地球の危機を知った博士たちは、末の弟・健治と地球の平和を守るために秘かに兄弟の身代りロボット・キョーダインを造り上げます。
彼らは別名サイバロイドとも呼ばれ、そのモデルとなった人物の記憶から遺伝子単位に至るまでの情報がインプットされているのです。当初は、キョーダインの顔面が割れると、中にスクリーンがあり、そこに譲治と龍治の顔が映し出されるのです。この機能があったおかげで、弟の健治も、なんとかキョーダインを兄として認識してくれたのです。
さらに中盤では、遺伝子情報を活かして、兄弟の姿を再構成することもできるようになります(一種のクローン?)。
それにしても、当時(1976年)で、“サイバロイド”というネーミング感覚は斬新ですねぇ。恐らく、サイボーグ (サイバネティック・オーガズム)とアンドロイドの合成語なんでしょうが、後に「サイバーパンク」が流行ったときは、私は、このサイバロイドという単語を真っ先に思い出したほどです。
さらに『ターミネーター』に登場する「サイバーダイン社」の名を聞いたときは、「おのれ! キャメロン、パクったな!」と憤ったものでした。 |
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驚愕の鋼鉄肉弾戦 |
この無敵の兄弟がダダ星のロボット兵団と地球の命運を賭けて激闘を繰り広げるのですが、その戦い模様が、また凄い!
敵ロボットは、地球の兵器によく似た能力を有した戦闘専門のアンドロイド、通称ダダロイド。バズカード(バズーカ砲)、タンクーダ(戦車)、ガトリンガー(ガトリング砲)、ダイキライ(機雷……シャレか?)と凶悪なヤツばかり。さらに、こいつらは、戦況不利とみるや、大型戦車に変形巨大化してしまうのです。実は、戦隊モノのクライマックスのフォーマットが出来つつあったんですね。
対するキョーダインは!?
もちろんダダ星の技術力が導入されているので……巨大化変形します。
まず、陸戦モード。
兄スカイゼルが、マニピュレーター付きの大型地対地ミサイル・スカイミサイルにチェンジ! 早い話がミサイルに腕の付いたもので、これをブンブン振り回して敵をド突きます。
弟グランゼルは、それを背負うランチャー付き重装甲車グランカーに変形。重装甲車といいましたが、青いハシゴ車と言った方がいいかもしれません。事実、このラダーを器用に使って、敵をひっくり返したりします。基本的に武器などは使わず、突進体当たりあるのみ。実に漢(おとこ)らしい戦い方です。
空対地用のモードは、兄弟が入れ替わり、グランゼルが地底潜行が可能なグランミサイルに、スカイゼルが超重爆撃機スカイジェットに変形します。
変形シーンも、絶妙な細かいカットの積み重ねで表現。あれよあれよと人間型がジェットやクルマに変形していきます(変形しているように見えます)。まさに、マンガのコマ割りを映像に転化したかのようです(ちっと褒め過ぎか?)。
二人は変形すると戦闘機のシャークティースのような口が付き、しゃべくりながら攻撃をかけます。
「行くぞぉぉぉぉ!」
「やったなぁぁッ!」
「この野郎ッ!」
「どうだ、参ったかッ!?」
普段、両目と鼻のラインだけで構成された端正なマスクが、一転して牙を剥き出し、語気荒く体当たりしてきます。中に手を入れて動かすマペットで表現されているので、まるで過激なセサミストリートと言った感じです。
『ジャイアントロボ』のアイアンパワー、『イナズマン』のライジンゴー、『アクマイザー3』のザイダベック号に続く「口メカ」です。テレビッ子の深層心理に深く食らいつく、いわゆる「トラウマメカ」でもあります。ああ、怖い……。
そして激闘もついに終盤。
「フィニッシュだぁぁぁ!」
雄叫びをあげながら、生きたミサイルが敵に命中。そのまま土手っ腹を貫通。尾部の爆薬を内蔵した部分だけを残して離脱。
爆発!
敵は木っ端微塵に粉砕されます。
しかし、この戦闘シーン、予算がかかり過ぎるのか、序盤のみで、その後、鳴りを潜めてしまいます。残念無念であります。
まかり間違って、『キョーダイン』がリメイクされることがあっても、この変形シーンだけはCGなんぞでやらずに、コマ割り特撮で臨んでいただきたいものであります。
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■著者紹介
木川明彦(きかわあきひこ)
1963年、千葉県出身。成城大学文芸学部卒業後、アニメ、特撮、SF、ゲーム系に関する雑誌・書籍を多数企画・編集。また、映像作品の設定考証や小説なども手がける。近著に『無敵万能ゼロ艦隊』(銀河出版)がある。最近は活動の舞台をWebの世界にも展開。日本を変えたプロダクト図典NipponStyleをプロデュース中。
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