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| 真藤務氏 |
携帯電話キャリアにとっての法人ビジネスは、BtoBと考えられがちだ。導入する企業が“顧客”であり、生産性の向上やセキュリティリスクの解消のために、法人契約の携帯電話を導入するという考え方である。ここでの携帯電話は、企業内のPCやデジタル複合機と同じく、業務に必要なツールになる。
現時点では、このBtoBの法人契約市場が伸びており、各キャリアがシェア獲得でしのぎを削っているのは事実だ。ドコモも主力商品のFOMAを軸に、企業のコミュニケーション用に販売している。しかし真藤氏は、幅広く“ケータイ”の視座に立つつと、法人市場にはもうひとつの可能性があると指摘する。
「企業が携帯電話を、企業活動に使う。ここではコミュニケーションやシステムソリューションの分野がまず大きいわけですけれども、広い視野に立つと、携帯電話は個々の企業の『お客様』が肌身離さず持っているコミュニケーションメディアでもあります。つまり、我々キャリアにとってのお客様である企業の、その先にいらっしゃるお客様(エンドユーザー)に向けた携帯電話サービスの活用にも可能性があるわけです。
ですから、ドコモでは、(キャリアにとっての)法人市場とは、BtoBだけでなく、BtoBtoCの世界もあると考えています」(真藤氏)
企業向けのデータ通信サービスの活用は、「モバイルソリューション」として他のキャリアやSIerがこの分野の創出に注力している。しかしドコモでは、企業向けデータ通信サービスはBtoBだけでなく、BtoBtoCにもあるとする立場から、「モバイルソリューションという名称はあまり適切ではない」(真藤氏)と考えているという。
「たとえば最近ですと、みずほ銀行様と三井住友銀行様と協力しながら、モバイルバンキング向けの共用プラットフォームiアプリ『iアプリバンキング』を開発しました。この取り組みは、携帯電話のUIを熟知したドコモの立場から銀行様にご提供しますが、最終的にご利用されるのは各行の利用者の皆様です。このように企業活動における携帯データサービスの活用範囲は、社員向けだけとは限らない。
ドコモでは様々な角度から、企業の業務に役立つサービスを提供したい。そう考えまして、(法人向けデータサービス分野で)一般的なモバイルソリューションではなく、モバイルデザインという呼び方をしています。企業様と一緒に携帯電話のビジネス活用を考えたい、そういうスタンスですね」(真藤氏)
現在の携帯電話市場は“コンシューマー中心”だ。そのため企業で導入される携帯電話も、コンシューマー市場向けに作られた端末が流用されるケースが大半だった。しかし、多くの企業にとって、業務に使う携帯電話にカメラや着うたフルは必要ない。
「これまで、端末ラインアップでは、法人のニーズを満たすものではなかったという自覚があります。そこで現在ドコモでは、筐体はコンシューマー向けを流用しながらセキュリティ機能を強化した法人向けモデルなど、ビジネス市場向け端末ラインアップの強化に力を入れています」(真藤氏)
ビジネス用途に特化した端末ラインアップでは、ライバルのauが、「Business au!」として耐久性やバッテリー性能を強化したモデルなどを用意している。ドコモも同様に、今後、ビジネス市場向け端末が増えていきそうだ。
「企業が携帯電話を支給するということになれば、端末に求められる機能も変わります。セキュリティ機能はその代表ですが、ほかにも耐衝撃性なども求められます。これは仕事用に支給された携帯電話だと雑に扱われるケースが多く、傷だらけになったり、すぐに壊れてしまうといった話も聞きますから」(真藤氏)
さらに今後ドコモが注力する分野として、Windows MobileやSymbian OSを搭載した「スマートフォン」がある。スマートフォンはPCライクな汎用OSを搭載しており、企業のデータシステムと連携するソフトウェアやサービスが豊富だ。ドコモではこれまでにモトローラやhTc製のスマートフォンを市場投入しているほか、スマートフォン向けのパケット料金定額制サービス「Bizホーダイ」を投入。ビジネス市場向けの端末として力を入れている。
「今後も引き続き、スマートフォン分野には力を入れていきたいと考えています。端末の強化はもちろんのこと、サービスの拡充も行います」(真藤氏)
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