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アイドルファンのブログに思う
2006年12月1日
タイトルにアイドルと入れただけで、このコラムを読んでくれている友人からは「またその話か」と叱られてしまうのだが、今回はアイドルそのものの話ではなく、そのファンが書くブログについての話だ。ついでに言うと、私が好きな特定のアイドルに関してのブログを見た限りでの話になるが、対象となるアイドルによっての違いは、多分ないだろう。
ファンブログというものに、決まった書き方があるわけではない。だが共通しているのは、話題の対象としてのアイドルがあり、一方では書き手自身の日常なり生活なりがあり、ブログにはこの両者が交差した時間についての事実経過や心情について記述されるということだ。それら要素のバランスは人によって異なる。ある人はイベントの経過を淡々と記録し、ある人は主観的な感情を中心に述べる。
そうしたものの中で、他人が読んでおもしろいと感じるものは、実のところあまり多くないのが現実だ。たいていのブログでは、単につぶやいたり、自分の感情を吐き捨てたりしているだけで、そもそも他人に何かを伝えようとしていないからだ。たとえば「○○ちゃんかわいい」と書いていても「どこが」「どういう風に」かわいいのかの記述がない。「すげー楽しかった」とだけ書いてあって「どういうことがあったから」楽しかったのか、という説明がほとんどない。せいぜい「前から何列目であの子に近かったから」といったような個人的経験が理由に挙げられる程度だ。
それが悪いと言うつもりはない。ほとんどの人にとって、ブログとはそうしたものだからだ。むしろ私は、ブログもCGMの一部だなどと持ち上げる論調の方に違和感を覚える。CGMのコンテンツと言い得るほどのクオリティを持つブログは、きちんと他者を意識した書き方ができる人によるものだけだ。残念ながらそういう人はまだ少ない。そしてブログというものが、そうした人を育てたり増やしたりするか、私は懐疑的だ。理由は次回に。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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