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カメラのメモリカードを取り出すか
2006年11月9日
自分のことを棚上げして言うつもりはないのだが、人は誰でも自分自身とその周辺で見聞きした知識の中で物事を断言しがちだ。しかし、その外側にほんのちょっとでも目を向けてみると、同じ物事が、驚くほど違うありようをしているのに気付かされることがある。
先日、友人たちと話していて、大きく意見が分かれたことに「デジタルカメラからメモリカードを取り出すか」というのがあった。そもそもは先日、このコラムで「誰もが必ず1度くらいは、うっかりメモリカードを入れ忘れてカメラだけ持って来てしまった、という経験があるだろう」と書いた(*1)のに対して、友人の1人が「誰もが必ずっていうのは言い過ぎじゃないか?」と言って始まった話なのだが、意外なほど盛り上がったのだった。
友人の言い分は「今ではデジタルカメラのユーザーがパソコンの扱いに堪能とは限らない。パソコンにデータを吸い上げるにしてもカメラをUSB接続するだろうし、プリントする際はDPE屋にカメラごと持って行って、操作は店員任せにしてしまうのではないか」というもので、これはこれでもっともに思える。
一方、別の友人たちからは「パソコンの扱いは不得手でも、カードスロットからのダイレクトプリントができるプリンタを家で使う人も、少なからずいるのではないか」とか「今のパソコンにはメモリカードスロットがついているものが多い。むしろ初心者ユーザーの方が、ケーブルを持ち出してカメラを接続するより、カードだけを抜き差しして使うのではないか」といった意見が出た。この後者に対して「カメラにケーブルを直接繋ぐ機種はともかく、クレードルに置くタイプならむしろ簡単では?」というさらなる反論も出た。
結局、定量的な調査でもしない限り「いろいろなユーザーがいるよね」という曖昧な答えしか出ないと分かっている話なのだが、たまにはああでもない、こうでもないと言い合ってみると、自分の盲点に気づくこともある。
*1 「お試し用メモリカードはもう要らない」(2006年9月26日掲載)
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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