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教えなければチェーン日記は滅びない
2006年9月29日
相変わらずなくならないのか、という気がしつつ、現状を考えればなくなるはずもない、という気もする。チェーンメールや、その変形としてのブログやSNSでのチェーン日記だ。
なぜなくならないかと言えば、そういうことは好ましくない、と教える場がないからだ。教えられていなければ知らないのも、やってしまうのも当然のことだ。そして、それを知らない人は、ネット上で日々増えているのだ。これまでネットをほとんど使っていなかった人が使うようになることもあるだろうし、そうでなくとも若い人がどんどん入って来る。
かつてパソコン通信の時代には、比較的狭いコミュニティだったこともあって、そういうことを教え合う雰囲気があった。時にはお節介に、または押し付けがましく感じられる「教えたがり」な人がいたりもしたが、とりあえず有効に機能していたと言える。だが、今はネット上の茫漠とした広がりの中で、そういう「ネットの常識」を心得た人と出会わずに使い始める人は多く、チェーンメールやチェーン日記が繁茂する土壌に事欠かない。
では、どこで誰が教えるべきか。1つは学校だ、と私は考えている。もはや小中学生が、PCや携帯電話を使って、ごく普通にネットに出て来る時代なのだ。義務教育の段階からネットの世界での振る舞い方の基本をしっかり教えるべきではないか。もちろん今でも、PCやネットを使うための教育は部分的に取り入れられている。だが、私が9年前から指摘しているように(*1)、本当に教えなければならないことは小手先の操作のハウツーではなく、情報化社会における心構えなり身の処し方といったものであるはずだ。今の学校教育でそれが不十分だ、と言えるだけの論拠を私は持たないが、十分だと思える材料はさらにない。
以前このコラムでも述べたように(*2)、ネット上での振る舞いには従来の「道徳的」な対応とは違った倫理体系が必要だ。それを語れる人は、今の世の中にまだ多くないだろう。
*1 小笠原陽介「道路行政と教習所の必要性」ソフトバンク刊“The
Windows”1997年3月号
*2 「困っている人を助けるなと教育しよう」2006年6月2日
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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