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メモリカードの規格とカメラの値段
2006年9月19日
教科書的な言い方をすると、市場価格はおおよそ、需要と供給のバランスによって決定される、はずだ。だから、需要が多いものは高値がつきそうな気がするのだが、ことデジタル製品に関しては、個々の局面ではともかく、中長期的には当てはまらないことがある。
というのも、今や世界には十分過ぎる生産力があるため、需要が多い、または多いと見込まれるものは各社が先行して増産し、実際の需要を超えた供給が行われる傾向にあるためだ。結局のところ、最新で最先端の製造技術を要するようなものでもない限り、需要が多いものの方が、むしろ価格は下がりやすい。
これを裏返すと、需要の少ないものは、実はなかなか値下がりしてくれない、ということにもなる。前回(*1)、フラッシュメモリ系製品の値下がりについて述べたが、その中でも価格低下が緩やかなのは、マイナーな規格のメモリカードだ。もともと同容量のSDカードやUSB接続のフラッシュメモリに比べて割高だったが、最近はその傾向が拡大している。
そして、そのしわ寄せがどこに来ているかというと、そのマイナーなメモリカードを採用しているデジタルカメラの市場価格だったりする。とりわけ、初中級向けのコンパクトタイプなどが、目も当てられないほどの安値になっている。商品ラインナップとして1、2世代前の機種の流通在庫なら、なおさらだ。
このクラスの製品は、性能や機能の点で突出したものは少なく、指名買いされることは稀だ。デジタル機器への習熟度が高くない人であればメモリカードの規格など気にせず、カメラ本体とメモリカード1枚の合計価格を購入決定の第一要因にするだろう。そういう購買スタイルの実情が価格を決めているのだ。
一消費者から見れば帳尻は合っていることになるわけだが、メーカーにとっても同様なのかどうかは知らない。私としては、こんな値段で叩き売られてメーカーは大丈夫かと、余計な心配をしたくなることしばしばである。
*1 「メモリオーディオプレーヤーを衝動買い」2006年9月15日
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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