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キーボードにこだわり過ぎない方が
2006年9月8日
前々回(*1)、前回(*2)と、やや搦め手からキーボードの話をしてみた。キーボードの話は始めるとキリがなく、ひたすらマニアックになってしまう面があるが、一方で興味のない人にはどうでも良い話でしかない。実際、かなりパソコンを使い込んでいながら、驚くほどキーボードに無頓着な人というのもいる。
本当のことを言えば、あまりキーボードにこだわりを持たない方が、現代社会を生きる上では都合が良いのだろう。自宅のデスクトップ機、携帯用のノートPC、そして会社や学校で使わされるPCに、必要に応じてネットカフェなどで使うPCなどなど、異なるキーボードを使わなければならない場面はいくらでもある。キータッチが違うだけでなく、それぞれのキーボードでキーの形状や配置が微妙に違ったりする。どんなキーボードにも順応して、抵抗なく使える方が良いに決まっている。
どうしても自分の使うキーボードを同じにしようとすると、それなりに無理が出る。たとえば前回の話に即して言えば、会社のマシンも、自分が持ち込みのノートPCからリモートデスクトップ接続で使ってしまうという方法も可能だが、もちろん、今時そんな使い方を許してくれるような管理の緩い会社の方が珍しいはずだ。一般的には、独自キーボードを持ち込んで接続するくらいだったら許してもらえるかどうか、ぎりぎりのところだろう。
ただそれでも、どうしても自分の最高のパフォーマンスを発揮できるのは、やはり手に馴染んだ道具としての、自分のお気に入りのキーボードを使う時ではないか。今はパソコンを使って、何らかの生産的活動をしなければならない人は多いはずだ。質の低いキーボードを使うことで生産性が下がるとすれば、積み上がる無駄は非常に大きいものになる。
この話をすると、友人はいつも「勤め人の経験がない人らしい言い分だ」と笑う。お仕着せのものを黙って使うのも、被雇用者として必要な資質なんですよ、ということらしい。
*1 「PC-98用キーボードでWindows
XPを使う」2006年9月1日掲載
*2 「日常的に使うキーボードを1種類にする」2006年9月5日掲載
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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