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誰もがインチキ予言者になれる
2006年7月14日
コラムで書いたことについて言い訳をするのは、コラム書きとしてはやってはいけない種類の事柄ではないかと、少なくとも私はそう思っているのだが、実際のところこれだけ短いコラムで、テクニカルな話題が混じるとなると、さすがに後悔することが少なくない。
と、長々と言い訳をするための言い訳から始めてしまったが、前回のコラムに対して読者の方からメールをいただいた。内容は前回のコラムに対して共感した、という大変温かいものだったのだが、その方がどうしてメールをくださったのかを考えると、ちょっと失敗したのかなと思ったのだった。その方は時刻認証関係のお仕事をしている方だという。
前回のコラムの最後の方で「タイムスタンプなど気休め程度にしかならない」と述べたが、これは言うまでもなく「現在のブログシステムで、エントリに付されるタイムスタンプ」のことだ。現在使われているブログの多くで、個々のエントリにそれを書いた(もしくはアップロードした)時刻が付くようになっているが、たいていのブログシステムにおいて、このタイムスタンプはどうにでも加工できるのが実情だ。つまり「今書いた文章を、見かけ上過去に書いたことにできる」のだ。
前回指摘した内容の書き換えや、そしてタイムスタンプの加工と合わせれば、どんなインチキも可能になる。たとえば宝くじの抽選結果を見てから当選番号を書き込み、時刻だけ変えておけば、予言者のフリができるだろう。「そんなエントリは抽選前に見なかった」と主張する人に「それはあなたの使っているプロキシサーバが更新されていなかっただけだと思いますよ」くらいの嘘をしれっとかませば、技術に疎い人は騙せてしまうだろう。
一方、最近、単に「タイムスタンプ」とだけ言った場合には、時刻認証によるものを指す場合が多くなっている。ではそれらはどういうものかという説明は、残念ながらこのコラムで書こうとすると字数が足りないのだが。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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