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テレビ電話についての突飛な思いつき
2006年5月30日
私が最近、携帯電話のテレビ電話機能で遊んでいる話は先日書いた(*1)通りだが、今さら言うほどのことでもないけれども、このテレビ電話は電話機の持ち方を根本から変える。
従来、電話というものは、有線式であれ無線式であれ、基本的には音声を伝えるものであり、耳にスピーカー、口元にマイクが来るように一体化された「受話器」が基本デザインになっていた。当然、携帯電話機になってもそれは変わっていなかったのだが、テレビ電話の場合は、カメラがある都合上、自分の前方に携帯電話機を掲げるようにして話す。
人の習慣とデザインというのは密接な関係がある。たとえば初期のコンパクトデジタルカメラで、一部の人には非常に受けの良かった回転式のレンズ部を持つ機種が、デジタルカメラの普及とともにあっさりと消えていったのは、それが多くの人の慣れ親しんだ「カメラというもの」とは違った形態だったからだ。多くの人にとってカメラとは目の前に構えてシャッターを押すものであり、そうした習慣は、ローアングルやハイアングルでの撮影についてのニーズよりも根強かったのだ。
話を戻すと、電話というものについても、実は受話器という形態は、通話という習慣そのものと結びついて、かなり根強いのではないかと感じている。たとえばインターネットを通じた電話類似サービスは多数あるが、そうしたものでは、イヤフォンにマイクを一体化したヘッドセットがあれば通話はできるし、実はその方が合理的だ。それにも関わらず、現実には受話器を模したハンドセットが多数販売されている。それだけ受話器という形は、習慣に根ざしているということなのだろう。
それならいっそのことテレビ電話も、携帯電話そのものは受話器のように耳元に置きつつ、そこからサブカメラだけを何かのアタッチメントで顔の前方に突き出すようなデザインにした方が、より多くの人に受け入れられるのではないかと思ったのだが、どうだろう。
*1 「携帯のテレビ電話が楽しい」(2006年5月3日掲載)
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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