|
そのメールは本当にその人からか
2006年5月26日
最近受け取ったメールの話なのだが、私はそれに返事をしたものかどうか、ずっと迷っていた。文面があまりにもシンプルで、初見では迷惑メールかと思ったほどだったのだ。
実際にその文面をここで紹介するわけにもいかないので概要を書くと、まず「○○です」と姓を名乗った後「携帯電話を従来とは別の会社のものにする」ことが述べられ、番号とメールアドレスが書かれ「返事は新しい電話機の方に送って欲しい」とした後「また会おう」という旨の一言で締めくくられている。
至って普通のメールアドレス変更の通知だと思われるだろうが、問題は私が発信元のメールアドレスに見覚えがないことだった。メールは携帯電話のアドレスから送られており、本文は改行なしで全角約60字分が1行に詰め込まれている。文中で名乗っている姓の知人はいるが、その人の携帯電話のメールアドレスは知らない。ヘッダを見ると、確かにその携帯電話会社のサーバーから発信されていた。迷惑メールだったら1通ずつ携帯から送るようなことはないだろうと考えて、やっとこれは本当に知人からの通知だろうと思えた。
もしここで、該当する姓の知人が身近に複数いると、話としてはさらにおもしろくなるのだが、今回の場合はそこまでややこしくはない。加えて言うと、メールアドレスに使っている文字列を見ると、何となくその人の趣味に近そうに思えるので、たぶん間違いない。
ただ、改めて考えてみて、厄介な時代になったものだなあと痛感した。個人が発信するメールであっても、間違いなく自分自身が送っていることが相手に伝わらないと、メール自体が疑われてしまいかねない。たとえば、いつも使っているメールサーバーがメンテナンスなどで使えず、いつもと違うメールアドレスからメールを出すような場合は、これとまったく同じことが起き得る。そんな時に、確実に自分だと相手に分かるような何かを書き添えるのも、必要な心がけになるのだろう。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
●小笠原陽介 一覧へ●
●ご意見・ご感想をお寄せ下さい●
|