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清算に向かう企業の顧客として
2006年5月16日
意図的にコラムのネタを集めているつもりはないのだが、どういうわけかこの連載を始めてからというもの、時事に絡む出来事に遭遇することが多い。今回も、あまりにもタイミング良く、という言い方はいささか不謹慎かも知れないが、平成電電のADSLサービス「電光石火」自動更新のメールが送られて来た。
およそ1年前に、このコラムでも書いた(*1)ように、実家の私の部屋にADSLを引いたのだが、その時に選んだのが、平成電電の「風神ライト東京」という年間契約のサービスだったのだ。実家にはごくたまにしか帰っていなかったので、できるだけ価格の低いものにしたかったのと、それでもいざ使う場面では、それなりに速度が出た方が快適だろうという選択の結果だった。東京都内の限られたNTT局だけを対象としたサービスなので、まさか日本全国に読者のいるコラムのネタになるとは思っていなかったのだが、全くIT業界というのは1年の間に何が起きるか分からない。
しかし平成電電はその後、2005年10月に民事再生手続きを申請。12月にはいったんスポンサー企業が決まったものの、今年4月にはスポンサー支援の打ち切りが決定し、事業清算に向かうことがほぼ確定的となっている。よりによってそんなタイミングで、1年契約のサービスを更新するかどうかという確認メールが来たのだから、常識的には解約するところなのだろうが、こんなコラムを書いている人間としては、それもいささかつまらない。
とりあえずサポートセンターに電話をかけ、事業清算に伴ってADSLサービスがどのようになる見通しか、サポートセンターで答えられる範囲で構わないので教えて欲しい、と言ってみた。サポートセンターの人は、あくまでも現時点での見通しですが、と前置きした上で、それなりの話をしてくれた。それを聞き、私はもう1年契約を更新してみることにした。もちろん正式な発表前なので、実際のところどうなるか分からないことは承知の上だが。
*1 「私事ながら実家にADSLを引いた話」(2005年6月14日掲載)
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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