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パソコン通信に感謝と別れを
2006年4月5日
前回の3月31日に、1日早いエイプリルフールネタなどをやらかしてしまったら、このコラムを読んでくれている何人かの友人たちから叱られた。エイプリルフールを前日にやるのはみっともない、3月31日には、もっと語るべきことがあっただろうに、というのだ。
そう。その3月31日いっぱいで、ニフティの「ワープロ・パソコン通信」サービスが終わったのだった。今になってパソコン通信とは何かを説明しようとすると、実は案外難しい。非常に雑に言うと、インターネットが普及する以前に、個人のパソコンと、情報を蓄積しているホストコンピュータとを、今とは違った方法で電話回線を通じて接続し、文字情報のやり取りを提供していたサービスだ。
ニフティのパソコン通信サービスが始まったのは1987年4月だという。最初というわけではなかったが、比較的早い時期のサービスであったことは間違いない。そもそも個人が回線を通じてコンピュータを接続できるようになったのが、1980年代後半からなのである。
商用パソコン通信サービスは1990年代前半に隆盛だったが、1995年頃からインターネットが普及するに従って収益性が悪化し、1997年夏頃に中小のサービスが相次いで終了した。その後はインターネットサービスプロバイダへと脱皮できたところだけが、無手順接続によるパソコン通信も細々と続ける、という構図になっていった。5年前にNECが「PC-VAN」を終了した後は、商用大手のパソコン通信サービスは、ニフティが唯一の生き残りだった。
良くぞ今まで続けて来たと思う。サービス終了は、最早やむを得ないことだ。もちろん終了によっていくらか困る人もいるとは思うが、どうしてもインターネット接続に切り替えられないという人や用途はわずかだろう。
今から見れば桁違いに遅い接続速度だったが、私たちは「つながる」ことの大事さを、パソコン通信によって知った。ありがとう、さようならと心の中で言って終了を見送った。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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