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大きなメールを送る人は
2006年3月7日
かつて1通あたりのメールの最大容量について、一定の目安がマナーないし暗黙のルールのように語られていたのには、2つの理由がある。1つはインターネットそのものが、参加する企業や研究機関の持ち寄りで支えられた、必ずしも強力でないネットワークだったことだ。そしてもう1つは、メールを受け取る相手がプロバイダに接続している回線も、多くの場合は非常に遅いものだったからだ。
そうした時代とは違い、今のインターネットは商業ベースでそれなりの回線と機材によって運用される社会インフラになっており、また個人でもブロードバンド回線を使っているのが一般的になって来た。そういう意味では、送信先にナローバンド回線を使っている人がいるかも知れない場合を除いて、数メガバイト程度のメールに目くじらを立てる必要はなくなって来たと言えるのかも知れない。
とは言え、送る相手が個人の場合には、ある程度注意が必要だ。プロバイダによって違いはあるが、個人会員に提供されているメールボックスが20メガバイト程度というケースは少なくない。そして人によっては、回線は常時接続であっても、パソコンの電源を週に1、2回しか入れない、ということがある。数メガバイトのメールとなると、その人のメールボックスの何割かを占有し続け、ことによるとメールあふれを起こさせる原因にもなる。
そんなに大きいメールを個人が送るケースと言えば、第一に挙げられるのはデジタルカメラの写真データだ。この前の写真送るね、などと気軽に言って、1枚が1メガバイト以上もあるような高解像度で高画質な写真を、そのまま何枚もまとめて送ってしまう人というのが、誰の身の回りにも1人や2人はいることだろう。ちなみに、もし最近急にそうなった人がいたら、自宅でどんな回線を使っているか聞いてみると良い。十中八九は光回線に変えたと答えるはずだ。人は自分の環境に慣れると、他人のことには鈍感になるものなのだ。
■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク
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